「アルブミン値は栄養指標ではない」知らないと恥ずかしい?ポイント2つ

老化と摂食嚥下障害「口から食べる」を多職種で支えるための視点

1.栄養評価に血液検査で判断できる特異的マーカーは存在しないと考えてよい

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・アルブミン値は、アメリカ静脈経腸栄養学会とアメリカ栄養士会、集中治療学会がそれぞれ出したコンセンサス論文に「アルブミン値は栄養指標ではない」と結論付けるとはっきり記載されている

・日本の高齢者を対象とした論文でも、アルブミン値を用いた栄養診断は栄養状態を正しく判断していないことが報告されている

「アルブミン値は栄養指標ではない。

ということについては、リハ栄養を少し勉強し始めてから知りましたが、改めて勉強する必要性を感じる内容でした。

炎症性反応ならCRP、高血圧なら血圧。

など、疾病と代表的な特異的マーカーがあることに医療従事者は慣れているため、栄養についてもその目線でアルブミン値を見る傾向にありますよね。

普通にカンファレンスに出ていても、痩せている人や低栄養が疑われる人がいた場合、アルブミン値はいくつ?

低いということは栄養状態悪いよね、高いから大丈夫か。

というような会話もあった記憶があります。

アルブミン値は栄養指標ではないという、最近の知見を知っていると、これらの発言が勉強不足であるということに気づかれます。

普通に自分も言ってましたし、学んでおくことが恥じもかかなくて済むので、改めて日々学ぶ重要性を感じました。笑

じゃあ実際にどのように低栄養は診断するのか?

について次の章でまとめます。」

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2.高齢者の低栄養診断方法として、ヨーロッパ臨床栄養代謝学会が合意した低栄養診断法がある

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【低栄養診断アルゴリズム】

①信頼性と妥当性が検証されている低栄養スクリーニングツールを用いてリスク患者を拾いあげる

②拾い上げられたリスク患者のBMIをみる

BMI<18.5kg/㎡であればその時点で低栄養

⇒BMI≧18.5kg/㎡であっても、70歳未満の人でBMI<20kg/㎡、70歳以上の人でBMI<22kg/㎡であり、体重減少傾向を認める場合も低栄養

体重減少傾向があり、除脂肪量指数が低値(男性17.0kg/㎡未満、女性15.0kg/㎡未満)の場合も低栄養

除脂肪量指数はほぼ骨格筋量を反映していると考えてよいため、筋肉量減少が重要な低栄養判断項目であることがわかる

*下記のサイトにも今回の診断法について、図表を用いてまとめてあったので図表を見て整理したい方にはオススメです↓

高齢者の低栄養状態ってどんな状態なのか?基本を解説します! – リハビリ何でも屋リハ栄養という活動をするにあたり、対象となる方は概ね「低栄養」という状態となっています。 今回はまず、低栄養はどんな状態なrehabilitation-nutrition.hatenablog.com

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「低栄養診断の最初の段階にある、スクリーニングツールとしては、簡易栄養状態評価表(MNA-SF)などが有用ですかね?↓

タイトル未設定www.mna-elderly.com

簡易栄養状態評価表(MNA-SF)の項目にも、BMIと体重減少の項目はありますし、やはり体重という数値が栄養診断には大切ですかね。

逆にいえば、体重は医療機関でなくても、自宅にいても簡易に計測できますし、実際に計測を習慣化してる人もいるので、把握もしやすいですよね。

若年者であれば体重計は増えていないかを確認するツールだと思いますが、高齢者は減っていないかを特に注意するという視点を持ってもらえると良いですよね。

何歳からを高齢者とするかは迷いどころですが、介護予防事業などでは、太ってませんか?より痩せてきてませんか?の質問のほうが問題提起に正しいかと思います。

今の高齢者も若いころには僕らのようにダイエットに励んだ経験もお持ちでしょうから、そのマインドを切り替えるためにも、痩せることのリスクを伝えていけると良いですよね。

入院患者などでも、体重測定は定期的に行うと思うので、その推移をリハビリに関わる身としては、確認しておくべきですね。

もし減少が見られている場合、リハビリの負荷が影響している可能性もありますし、食事摂取量と活動量のバランスをとる必要があるかもです。

ひとまず栄養診断に体重は大事!と覚えておくと良いですかね。」

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【本日のまとめ】

◎「アルブミン値は栄養指標ではない」

◎栄養評価に血液検査で判断できる特異的マーカーは存在しないと考えてよい

◎高齢者の低栄養診断方法として、ヨーロッパ臨床栄養代謝学会が合意した低栄養診断法がある

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本日の引用は

Amazon.co.jp

でした!

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