1.加齢とともに筋量や筋力が低下する現象をサルコペニアと呼ぶ
・高齢期には特に下肢や体幹における筋の低下は著しく、これによって起居移動動作能力が低下して生活機能障害につながる
・65歳以上の高齢者の5-25%、80歳以上の高齢者では30-50%以上がサルコペニアを有していると報告されている
出典:老化と摂食嚥下障害 「口から食べる」を多職種で支えるための視点
「超高齢化を迎える日本では、サルコペニアのリスクがある方が多々いるということです。
サルコペニアにおいても、やはり予防が大事なので、セラピストが予防に関わっていきたいですね」
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2.サルコペニア判定のための評価項目には、四肢筋量、握力、歩行速度が含まれる
・筋量低下の判定は、四肢筋量を身長(m)の2乗で除したSMIによってなされることが多く、日本人のカットオフ値は男性が6.87kg/㎡以下、女性が5.46kg/㎡以下とされている
・握力は、アジア人のカットオフポイントは、男性が26kg未満、女性が18kg未満とされている
・歩行速度のカットポイントは、ヨーロッパ、およびアジアのワーキンググループともに0.8m/s以下とされている
・先行研究をみると0.8m/s以下と同様に1.0m/s以下未満の歩行速度でも死亡、施設入所、要介護状態のリスクが向上することが示されている
出典:老化と摂食嚥下障害 「口から食べる」を多職種で支えるための視点

「歩行速度のカットオフ値である0.8m/s以下で引っかかる方は以外と少ないそうです。
1.0m/s以下未満の歩行速度でもリスクは高い状態なので注意は必要ですね」
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3.Baumgaetnerはサルコペニアを有する高齢者はそうでない高齢者と比較して、手段的日常生活活動能力の低下の危険が3.6~4.1倍高いと報告
・サルコペニアは転倒の危険因子でもあり、サルコペニアでない高齢者と比較して1.8倍転倒の危険性が高いことを明らかとされている
・筋力の維持のためには最大筋力の20-30%の軽負荷の運動でも可能であり、筋によっては平地を歩くだけでも、この程度の活動をする
・筋力を向上するためには、最大筋力の60-80%程度の負荷をかける必要があり、レジスタンストレーニングや階段をのぼるなどの高負荷運動を行うことが有効
・高齢者に高負荷レジスタンストレーニングを適用する場合には、一時的な血圧上昇や軟部組織損傷に対する危険性を考慮したうえで、段階的に運動をすすめる必要がある
・運動とアミノ酸、アミノ酸とビタミンD,aリノレン酸との組合せがサルコペニア予防に効果的であることが報告されている
出典:老化と摂食嚥下障害 「口から食べる」を多職種で支えるための視点
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*α-リノレン酸は多価不飽和脂肪酸であり、ω3 脂肪酸である
*栄養学では、摂取することが必須の栄養素である必須脂肪酸である。ヒトを含めた多くの動物は体内でα-リノレン酸を原料としてEPAやDHAを生産することができる
α-リノレン酸 – Wikipediaja.wikipedia.org
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「サルコペニアの予防、改善のためには、運動×栄養がやはり重要です。
栄養については、この書籍でもサプリメントの有用性が示されています。
少し前まで、いや今もかもしれませんが、サプリメントに対して否定的な方が多いのは事実です。
なんか薬みたい。マッチョになりたい人が使うものでしょ。
などの意見はセラピストの業界でも未だに耳にします。
知識のアップデートは医療業界で常に必要であり、知らないものを否定することは自分の首を絞めることに繋がるどころか、患者さんにも弊害をもたらす可能性があります。
常に勉強する姿勢は忘れずにいきたいですね。
ひとまず僕は自分への人体実験として、プロテイン、マルチビタミン、クレアチン、EAAを活用しながら筋トレを続けています。笑
プロテインは運動日だけだったのを、一日3回にしてから、明らかに効果が変わりました。
この辺はやってみないとわからない精神で何事も挑戦が必要ですね」
本日の引用は
です!
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