【まとめ】
・口腔リハはリハの中でも口腔の器官を対象としたリハ
・口腔機能障害は原因によって大きく2つ
①何らかの原因によって頭頸部および口腔に筋力低下や顎関節や頸部の可動制限などの運動器に直接的に由来する口腔機能障害
②中枢神経系に脳卒中や外傷あるいは特定疾患などの難病により損傷を受けた結果、その支配領域に機能障害を認める中枢神経由来の口腔機能障害
・口腔機能低下症とは高齢者が嚥下障害にいたる前段階の口腔の機能低下
・さまざまな口腔リハビリテーションの手法がある
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1.頭頸部および口腔の運動器に由来する口腔機能障害は大きくわけて7つ

①炎症(顎関節炎、リウマチ様症状などを含む)
②急性痛(う蝕や歯周疾患、口腔から咽頭にかけての疾患の急性炎症)
③慢性痛(何らかの原因によって頸部から口腔・咽頭部にかけての慢性痛)
④創傷、靱帯および腱・筋損傷(スポーツ時の外傷や頭頸部術後など含む)
⑤末梢神経損傷(交通事故やスポーツ外傷、ギランバレー症候群など)
⑥骨折および関節可動域制限(顎骨骨折など)
⑦筋萎縮(サルコペニアを含む)
「これらの頭頸部および口腔の運動器に由来する口腔機能障害が原因で嚥下障害に繋がるケースもあります。
以前入院患者さんでも、口がうまく閉じられず、食べこぼしが目立つ方がいました。
最初は顔面神経麻痺の影響?と思っていましたが、全く閉じれない状態であり、診察してもらったところ、顎関節症でした。
その方は数ヶ月固定治療のような方法をとり、最終的には経口摂取のまま退院することができましたが、このようなケースもいるということは、覚えておかないとなーと感じました。
サルコペニアによる筋萎縮も珍しくなく、整形疾患の患者さんでも、サルコペニアにより嚥下障害をきたしているケースが多々あるので、注意が必要ですね。」
2.中枢神経に由来するいわゆる機能的障害としての口腔機能障害は大きくわけて3つ

①麻痺および協調運動障害(随意運動の遂行が困難な場合が多い)
②意識障害
③高次脳機能障害(失語、失行、失認、注意障害、感情障害、遂行機能等)
「中枢神経に由来するいわゆる機能的障害としての口腔機能障害は、咽頭期の障害より、その前段階の障害が強いです。
先行期の問題に関しては、環境設定でも改善する方がいるので、工夫が必要です。」
3.口腔機能低下症とは高齢者が嚥下障害にいたる前段階の口腔の機能低下

口腔機能低下症は・・・
①口腔内の清潔度
②口腔乾燥度
③咬合力
④咀嚼能力
⑤嚥下機能
⑥口唇および舌の運動機能評価
⑦舌圧評価
の7つの評価項目があり、3項目以上に問題があった場合に口腔機能低下症と診断される
「オーラルフレイルなど、似た用語もあるので混合しそうですが、口腔機能低下症は診断基準がはっきりしているというのがわかりやすいです。
そのあたりについては、以前の記事(下記リンク)で違いなどについてもまとめているので、用語で混乱する方は見ると少し整理がつくかと思います。」

4.口腔リハビリテーションの手法は大きくわけて6つ

①各口腔器官へのアプローチ(間接訓練など)
・マッサージやストレッチ→筋運動可動域向上訓練→神経筋再教育訓練・感覚再教育訓練→筋力向上訓練、負荷訓練→協調性向上訓練(総合運動訓練)
②総合的運動訓練(直接訓練など)
③補助的装置を用いる方法(代償的補綴的アプローチ)
・軟口蓋挙上装置(PLP)、舌接触補助床(PAP)などを使用し、舌や軟口蓋を主体として強化する
④治療機器を用いた方法
・舌骨上筋群をターゲットとして、神経・筋機構の賦活および筋力向上を目的に使用される治療器を使用した方法
⑤歯科治療
・咬合、咀嚼機能の回復および下顎位の安定を図る
⑥脳神経直接刺激法など
「基本的に口腔リハビリテーションは間接訓練、直接訓練、プラスして歯科治療あたりがメジャーですかね?
最近では治療機器を用いて低周波?を与えたり、脳直接刺激法?という方法もあるそうです。
正直詳しくないですが、新しいものにも常に目は向けていきたいですね!」
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【まとめ】
・口腔リハはリハの中でも口腔の器官を対象としたリハ
・口腔機能障害は原因によって大きく2つ
①何らかの原因によって頭頸部および口腔に筋力低下や顎関節や頸部の可動制限などの運動器に直接的に由来する口腔機能障害
②中枢神経系に脳卒中や外傷あるいは特定疾患などの難病により損傷を受けた結果、その支配領域に機能障害を認める中枢神経由来の口腔機能障害
・口腔機能低下症とは高齢者が嚥下障害にいたる前段階の口腔の機能低下
・さまざまな口腔リハビリテーションの手法がある
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本日の引用は
でした!
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