この大項目からは、法律・制度に関する問題が6%以上出題されています!特に【精神保健福祉法・障害者差別解消法・DV防止法・特別支援教育に関わる制度・いじめ防止対策推進法・保護観察制度・医療観察法・ストレスチェック制度・労働者の心の健康の保持増進のための指針】⇨この法律・制度は要チェックです!
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18、DV防止法 19、生活保護法 20、生活困窮自立支援法 21、成年後見制度の利用の促進に関する法律 22、配偶者暴力相談センター 23、児童相談所 24、 福祉事務所 25、 地域包括支援センター *スタンドFM
□保険医療分野に関する法律・制度
1、医療法
①医療を受ける者の利益を保護する
②良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制を確保する
③国民の健康の保持に寄与する
ことの3つを主な目的とする
・病床20床以上を病院、19床以下を診療所と区別する
①精神病床:精神病患者が入院するための病床です。 アルツハイマー病や原因不明の認知症の発症などでも、入院することがあります
②結核病床:結核患者を入院させるための病床です。
③感染症病床
④療養病床:病院又は診療所の病床のうち、主として長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるもの。 医療保険の『医療療養病床(医療保険財源)』と、介護保険の『介護療養病床(介護保険財源)』がある。
⑤一般病床(①〜④以外の患者)
に病床が分類される
・医療自己調査:医療に起因する、または起因すると疑われる死亡や死産のうち、その死亡や死産を予期しなかったものが対象。調査結果は、病院などの管理者が速やかに医療事故調査・支援センターに報告しなければならない
・特定機能病院: 高度医療の提供、医療技術の開発、評価、研修を行うことができる病院で、病床数は400床以上と決められている(承認するのは厚生労働省)
・地域医療支援病院:都道府県によって承認される病院で、地域医療の支援を主目的とする
・臨床研究中核病院:国際水準の臨床研究や治験の中心的役割を担う病院として承認される病院
公認心理師試験第3回 問32出題
【医療法で提供される医療提供施設】
・病院
・診療所
・介護老人保健施設
・介護医療院
・調剤を実施する薬局
・その他の医療を提供する施設
・医療を受ける者の居宅など(居宅その他厚生労働省令で定める場所)
公認心理師試験第4回 問31出題
2、医療計画制度
・ 医療計画とは医療法に基づき、医療連携体制、救急医療、災害時の医療、僻地の医療、周産期医療、小児医療等などの救急医療の体制、地域医療構想に関する事項、医療従事者の確保に関する規定などを定めたもの。
・医療計画は都道府県が定める
・ この計画に盛り込むべき疾病として「がん」「脳卒中」「急性心筋梗塞」「糖尿病」が挙げられていたが2013年に「精神疾患」が追加された
・一次医療圏:日常的な医療の提供。市町村の区域を単位設定
・二次医療圏:入院を含む一般的な医療の提供。複数の市町村の区域を単位設定
・三次医療圏:最先端医療の提供。都道府県の区域を単位設定。
3、診療録
・ 「医師は、診療したときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない」と義務付けられている
・ 診療録は医療訴訟における証拠としての重要度が高く、5年間の保存の義務がある(たとえ必要な判断、処置を行っていたとしても、診療録に記録がない場合はその主張は認められにくい)
・ 診療録以外の検査記録、画像記録、手術所見等診療に関する諸記録に対して、病院は2年間の保存の義務がある
4、保険診療制度
【日本の国民皆保険制度の特徴】
① 国民全員を公的医療保険で保障
② 医療機関を自由に選ぶことができる(フリーアクセス)
③ 安い医療費で高度な医療
④ 社会保険方式を基本としつつ、皆保険を維持するため、公費を投入
【それぞれの年齢層における一部(自己)負担割合】
・ 75歳以上のものは1割(現役並み所得者は3割)
・ 70歳から74歳までのものは2割(現役並み所得者は3割)
・ 70歳未満のものは3割
・6歳(義務教育就学前)未満のものは2割
・ 審査支払機関は、保険医療機関からの医療費の請求が正しいか審査した上で、医療保険者に負担金を請求する
・ 診療報酬は、審査支払い機関を介して保険医療機関に支払われる
・ 薬局も医療機関と同様に審査支払い機関に請求する
5、高齢者医療確保法
*以下の4つが規定されている
・特定健康診査:日本人の死亡原因の約6割を占める生活習慣病の予防のために、40歳から74歳までの方を対象に、メタボリックシンドロームに着目した健診を行います。
・特定保健指導:生活習慣病予防健診(特定健診)を受けた後に、メタボリックシンドロームのリスク数に応じて、生活習慣の改善が必要な方に行われる保健指導のこと
・後期高齢者医療制度:75歳(寝たきり等の場合は65歳)以上の方が加入する独立した医療制度です。対象となる高齢者は個人単位で保険料を支払います。
・後期高齢者医療広域連合による保健事業:「高齢者の心身の特性に応じ、健康教育、健康相談、健康診査及び保健指導並びに健康管理及び疾病の予防に係る被保険者の自助努力についての支援その他の被保険者の健康の保持増進のために必要な事業を行うように努めなければならない」
6、精神保健福祉法
・ 精神保健福祉センター、入院形態、精神障害者保健福祉手帳等について定めた法律
・任意入院、医療保護入院、応急入院、措置入院、緊急措置入院の5つ入院形態がある。自傷他害の疑いがある場合は、措置入院または緊急措置入院
入院形態 | 条件① | 条件② |
任意入院 | 本人の同意 | – |
医療保護入院 | 家族などの同意 | 精神保健指定医 |
応急入院 | 精神保健指定医 | 72時間 |
措置入院 | 精神保健指定医 | 精神保健指定医 |
緊急措置入院 | 精神保健指定医 | 72時間 |
・任意入院者から退院の申し出があった際、72時間に限りその退院を制限できる
・措置入院は 精神保健指定による診断を条件とし、都道府県知事の権限で入院させる制度
・医療保護入院は、 本人のほか、家族全員が意思表示できない場合は、本人の居住地の市町村長によって、退院の請求、処遇改善を求めることができる
・退院後生活環境相談員は、「 医療保護入院者の退院支援のための取り組みにおいて中心的役割を果たす」とされ、選任は精神科病院の管理者の義務とされており、精神保健福祉士や看護師・保健師などが選ばれる
・12時間以上患者を隔離する場合は、精神保健指定医の診察を要する。
・隔離の継続中や身体的拘束を行なった際は毎日頻回の医師の診察が必要となる
・外部との通信については、電話や面会は必要に応じて制限できるが、手紙については一切制限できない
7、介護保険制度
・40歳以上から加入の義務が生じる。
・40歳以上であれば、無職であっても納付義務がある(生活保護を受けている場合など、例外はある)
・介護認定は、介護を必要とする程度によって要介護認定と要支援認定に分けられる
・介護保険のサービスは、要介護認定を受けた者が利用する介護給付と、要支援認定を受けたものが利用する予防給付がある
・介護保険を受給できるのは65歳以上の第1号被保険者と、40歳以上65歳未満の第2号被保険者
・第1号は原因によらず介護認定によって受給されるが、第2号は受給のための16の特定疾患が定められている
・保険者は市町村及び特別区(東京23区のこと)である
8、医療の質、医療事故防止、院内感染防止
・医療安全のための取り組みとして
⇨インシデント(危機が発生する恐れのある事態)
⇨アクシデントの報告と分析、KYT(危険予知トレーニング)
⇨5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)活動
⇨転倒転落防止などがある
・院内感染を防止するため、血液や汗以外の体液・分泌物・排泄物はすべて感染性があるとして扱う。WHOは「手指衛生の5つの瞬間」を示している

□児童福祉分野に関する法律・制度
9、児童福祉法
・児童福祉法における「児童」の定義は満18歳未満
児童福祉法に基づき、社会的養護を担う主な施設を図にしました!
社会的養護を担う施設 | 対象 | 施設形態 | 目的 |
乳児院 | 乳児(特に必要な場合は就学前まで) | 入所 | 乳児(孤児)を入院させて養育・退院後の相談や援助 |
児童養護施設 | 3-18歳までの児童(特に必要な場合は乳児を含む) | 入所 | 保護者のいない児童、虐待されている児童、その他環境上養護を要する児童を養護・退所後の相談 |
児童心理治療施設 | 家庭環境、 学校における交友関係その他の環境上の理由により社会生活への適応が困難となった児童 | 短期間入所・通所 | 社会生活に適応するために必要な心理に関する治療及び生活指導 |
児童自立支援施設 | 不良行為をなし、またはなす恐れのある児童及び家庭環境そのほかの環境上の理由により生活指導などを要する児童 | 入所 | 個々の児童の状況に応じた指導・自立支援 |
母子生活支援施設 | 配偶者のいない女子またはこれに準ずる事情にある女子およびその者の看護すべき児童 | 入所 | 保護・自立促進のための生活支援 |
自立援助ホーム | 義務教育を終了し、児童養護施設などを退所した児童(15歳から20歳・状況によって22歳まで) | 入所 | 就労支援・自立支援 |
・各地方公共団体は児童福祉法に基づき、要保護児童対策地域協議会(要保護児童を早期に発見し、各関係機関で情報共有を図り、迅速に支援をする目的)を設置することができる
【要保護児童対策地域協議会(子供を守る地域ネットワーク)】
・ 要保護児童は「保護者のない児童または保護者に監護させることが不適当であると認められる児童」とされます(被虐待児童だけでなく、非行児童等も要保護児童に該当します)
・ ネットワークを構成する機関についての決まりはなく、市町村や児童相談所だけでなく、学校教育委員会、警察など、様々な機関が地域の実情に応じて参加します
・ 連携の強化、責任の明確化によって円滑な支援を行うことが目指されています
・ 協議会に参加する機関の間では情報共有に保護者等の承諾を求めず、協議会全体として秘密保持を徹底すると言う体制がとられています
・ 児童相談所への通告も迅速化し、いち早く支援を始められるようになることが期待されています
10、児童虐待防止法
・児童虐待の分類:7、身体的虐待・性的虐待・ネグレクト・心理的虐待(詳細はリンク先参照)
・児童虐待の通報先:市町村、都道府県の設置する福祉事務所、児童相談所
・通告による出頭要求を保護者が拒否する場合は家庭への立ち入り調査が、それも拒否する場合は強制的な家宅捜索である臨検が行われる
・ 平成28年の児童福祉法改正で、児童相談所の業務を研修する仕組みを構築することが述べられており、その機能を担う第三者委員が設置されるようになっています
・ 一時保護などの介入対応を行う職員は保護者に敵対的な感情を抱かれることが多いため、支援担当としての信頼関係の構築が難しく、介入担当と支援担当を分離することが望ましいとされています
・虐待児の家庭復帰は保護者や児童の希望のみによって判断されるものではなく、児童相談所長や家庭裁判所の判断が必要となる
11、障害者総合支援法
・知的障害、身体障害、精神障害は3障害と呼ばれ、この3障害をまとめる法律が、障害者総合支援法である(発達障害や難病患者も対象)
⇨5、知的障害、身体障害、精神障害について理解する
・18歳以上は障害者、18歳未満は障害児
・障害支援区分は、区分6〜区分1・未該当の7区分(障害の重さのみならず、個々の生活環境を加味し、どのような支援をどの程度必要とするかにより判断される)
・介護保険と両方利用できる場合は、介護保険が優先
・地域移行支援: 住居の確保、外出時の動向、福祉サービスの体験など、生活の基盤を作ることを後押しする(対象者は障害者支援施設・精神病院に入院している精神障害者、救護施設に入所している障害者、刑事施設や少年院に収容されている障害者、更生保護施設等に入所している障害者等)
12、障害者福祉計画
・障害者・障害児の地域生活を支援するためにサービス体制の確保が、計画的に図られるようにすることを目的とする厚生労働省の計画
・第6期障害福祉計画・第2期障害児福祉計画(R3年度~5年度)
①福祉施設の入所者の地域生活への移行
②精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築
③地域生活支援拠点等が有する機能の充実
④福祉施設から一般就労への移行等
⑤障害児支援の提供体制の整備等
⑥相談支援体制の充実・強化等
⑦障害福祉サービス等の質を向上させるための取組に係る体制の構築
出典:第6期障害福祉計画・第2期障害児福祉計画について
①から⑤までは前年度(第5期障害福祉計画及び第1期障害児福祉計画)と同様ですが、⑥と⑦は今回から追加されてますね!
13、発達障害者支援法
・この法律における発達障害とは「自閉症、アスペルガー障害そのほかの広汎性発達障害、学習障害、注意欠如多動性障害その他これに類する脳機能の障害」を指す
・ この法律における発達支援の枠組みは、医療的支援、福祉的支援、教育的支援の3種類
・ 「国及び地方公共団体の責務」が定められている
・発達障害者が申請可能な手帳は精神障害者と同様、精神障害者福祉手帳(知的障害を伴う場合は療育手帳を申請することもできる)
14、障害者差別解消法
・社会的障壁の除去と、合理的配慮に関する法律
・障害者とは、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)そのほかの心身の機能の障害があるものであって、心身機能の障害および社会的障壁により継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう
15、障害者虐待の防止、障害者虐待防止法
①養護者による虐待
②障害者福祉施設従事者などによる虐待
③使用者による虐待
がある
年齢 | 虐待の発生場所 | 適用される法律 |
18歳未満 | 家庭 | 児童虐待防止法 |
18歳以上65歳未満 | 家庭 | 障害者虐待防止法 |
65歳以上 | 家庭 | 高齢者虐待防止法 |
年齢は問わない | 福祉施設・企業・学校・病院・保育所等 | 障害者虐待防止法 |
高齢者虐待防止法 | 虐待を発見(生命・身体に重大な危機) | 通報義務 |
虐待の疑惑 | 努力義務 | |
施設職員による虐待疑惑 | 通報義務 | |
障害者虐待防止法 | 虐待の発見・疑惑 | 通報義務 |
児童虐待防止法 | 虐待の発見・疑惑 | 通報義務 |
・高齢者虐待の通報先:市町村、地域包括支援センター
・障害者虐待の通報先:都道府県障害者権利擁護センター、市町村障害者虐待防止センター
・児童虐待の通報先:市町村、都道府県の設置する福祉事務所、児童相談所
16、障害者基本法
・障害者の定義:「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう」
・社会的障壁の定義:「障害がある者にとって、日常生活または社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、概念そのほか一切のものをいう」
・第16条にインクルーシブ教育に関する内容が、第17条に療育に関する内容が書かれている
17、高齢者虐待の防止、高齢者虐待防止法
①身体的虐待
②ネグレクト
③心理的虐待
④性的虐待
⑤経済的虐待(年金や預貯金を本人の意思・利益に反して使用することなど)
と高齢者虐待を定義づけている
・市町村は、高齢者及び養護者に対して、相談、指導及び助言を行うものとされており、市町村長が警察署長に援助を求めることもできる
・虐待発見時の市町村の福祉課あるいは地域包括支援センターへの通報義務
⇨生命や身体に重大な危険が生じている場合
⇨施設職員により虐待がある場合(疑惑ならば努力義務)
・この法律の養護者とは、施設職員などは含まれず主に家族などを想定している
18、DV防止法
・身体的な暴力だけでなく精神的な暴力も含まれる
・「配偶者」には離婚や別居状態、事実婚なども含み、婚姻関係の有無は関係ない
・通告は努力義務であり、身体的暴力を受けている場合に限る
・通報先:配偶者暴力相談支援センター・警察官
・DV被害者の保護命令申し立ては、裁判所に対して行う。
・保護命令のうち、被害者への接近禁止命令は期間が6ヶ月間、被害者の住居からの退去命令は2ヶ月間
(1)被害者への接近禁止命令
被害者へのつきまといや被害者の住居(当該配偶者又は生活の本拠を共にする交際相手と共に生活の本拠としている住居を除く。)、勤務先等の近くをはいかいすることを禁止する命令。期間は6か月。
(5)被害者と共に生活の本拠としている住居からの退去命令
配偶者又は生活の本拠を共にする交際相手に被害者と共に生活の本拠としている住居からの退去及び住居の付近のはいかいの禁止を命ずる命令。期間は2か月。
*(2)被害者への電話等禁止命令
*(3)被害者の同居の子への接近禁止命令
*(4)被害者の親族等への接近禁止命令
出典:配偶者からの暴力防止にかかわる関連法令・制度の概要
・母子の緊急時の安全確保のための施設には、母子生活支援施設(子供と一緒に入所でき、入所期間の上限もない)・婦人相談所・民間シェルターなどが含まれる(厚生労働大臣が定める基準を満たすもの)
19、生活保護法
・目的:最低限度の生活を保障・自立を助長する
・生活保護:収入が厚生労働大臣の定める最低生活費に満たない場合に、最低生活費から収入を差し引いた差額が保護費として支給される制度
単身者であれば1ヶ月あたり10万円〜13万円の生活保護費が受給できる
夫婦2人世帯がもらえる受給額は15万円〜18万円
母子家庭は母子加算によって平均で19万円もらえる
子供がいる4人家族であれば30万円近く支給される世帯もある
出典:生活保護でもらえる金額はいくら?誰でもわかる最低生活費の計算方法
・申請窓口は福祉事務所
・生活保護受給世帯数は増加傾向で、特に単身高齢者の受給世帯が増えている
【被保護者調査(令和3年1月分概数)の結果】
○ 被保護実人員は2,049,630人となり、対前年同月と比べると、19,008人減少(0.9%減)。
○ 被保護世帯は1,638,184世帯となり、対前年同月と比べると、2,522世帯増加(0.2%増)。
○ 保護の申請件数は20,061件となり、対前年同月と比べると、1,341件増加(7.2%増)。
○ 保護開始世帯数は16,072世帯となり、対前年同月と比べると、1,213世帯増加(8.2%増)。
⇨昨年に比べ、被保護実人員は減少したが、被保護世帯・申請件数・開始世帯数は増加傾向
出典:生活保護の被保護者調査(令和3年1月分概数)の結果を公表します
20、生活困窮自立支援法
・目的:生活困窮者の自立の促進を図る
・対象者:経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者
・対策(セーフティネット)
*セーフティネット(safety net)とは … あらかじめ予想される危険や損害の発生に備えて、被害の回避や最小限化を図る目的で準備される制度やしくみだよ。
第1のセーフティネット:社会保険:健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険など
第2のセーフティネット:生活困窮者対策
【生活困窮者自立支援制度・7つの支援】
・自立相談支援事業:支援員が相談を受けて、どのような支援が必要かを相談者と一緒に考え、具体的な支援プランを作成
・住居確保給付金の支給:離職などにより住居を失った方、または失うおそれの高い方には、就職に向けた活動をするなどを条件に、一定期間、家賃相当額を支給します
・就労準備支援事業:6カ月から1年の間、プログラムにそって、一般就労に向けた基礎能力を養いながら就労に向けた支援や就労機会の提供を行います
・家計改善支援事業:状況に応じた支援計画の作成、相談支援、関係機関へのつなぎ、必要に応じて貸付のあっせん等を行い、早期の生活再生を支援します。
・就労訓練事業:個別の就労支援プログラムに基づき、一般就労に向けた支援を中・長期的に実施する、就労訓練事業(いわゆる「中間的就労」)もあります。
・生活困窮世帯の子どもの学習・生活支援事業:子どもの学習支援をはじめ、日常的な生活習慣、仲間と出会い活動ができる居場所づくり、進学に関する支援、高校進学者の中退防止に関する支援等、子どもと保護者の双方に必要な支援を行います。
・一時生活支援事業:一定期間、宿泊場所や衣食を提供します。
出典:生活困窮者自立支援制度では次のような支援を行います。
第3のセーフティネット:生活保護
21、成年後見制度の利用の促進に関する法律
・判断能力が不十分な人を保護し、支援するための制度
【法定後見制度】
・ 本人の判断能力が不十分になった後に、家庭裁判所より選任された成年後見人(保佐人、補助人)が本人を法律的に支援する制度
・ 判断能力の程度により、「後見」「補佐」「補助」の3つの制度に分かれている
・ 必要に応じて成年後見監督人(保佐監督人、補助監督人)も選任される
・ 選任された成年後見人(保佐人、補助人)は、その事務について、家庭裁判所もしくは成年後見監督人に報告することが求められる
・ 医療保護入院で必要とされる「家族等の同意」の「家族等」の範囲に「成年後見人」と「保佐人」は含まれているが、「補助人」は含まれていない
・ 成年被後見人であっても、選挙権が制限される事は無い
法定後見の種類 | 後見 | 保佐 | 補助 |
判断能力の状態 | 常に判断能力がない状態 | 判断能力が著しく不十分な状態 | 判断能力が不十分な状態 |
代理人の名称 | 成年後見人 | 保佐人 | 補助人 |
代理人の権限 | 日用品の購入以外の全ての法律行為に代理権がある | 不動産の売却など重要な手続きについて、同意権がある。保佐人の同意なしで行った手続きを、保佐人が取り消すことが可能 | 相続手続きなど必要かつ難しい手続きを、補助人が手伝う |
【任意後見制度】
・ 本人が十分な判断能力があるうちに、あらかじめ自ら代理人(任意後見人)を選任しておく。
・ その後、本人の判断能力が低下した際に、家庭裁判所から任意後見人の活動を監督する任意後見監督人が選任されて初めて、任意後見契約の効力が生じる(任意後見監督人は必ず選任される)
・ 任意後見人本人やその家族は、任意後見監督人になることができない
【成年後見制度利用促進基本計画・ ポイント3つ】
① 利用者がメリットを実感できる制度・運用の改善:制度開始時・開始後における身上保護(介護契約や施設の入所契約など、被後見人の法律行為を行うこと)の充実を図る・後見人などの交代を柔軟に行う
② 権利擁護支援の地域連携ネットワークづくり:全国どの地域においても必要な人が成年後見制度を利用できるようにする
③ 不正防止の徹底と利用しやすさとの調和:後見人などによる横領などの不正防止を徹底し、利用しやすさとの調和を図る
22、配偶者暴力相談センター
・DVの通報先であり、DV被害者の相談や支援を行う施設。この機能を果たす施設には、婦人相談所や男女共同参画センター、福祉事務所などがある
○DVに関する相談や相談機関の紹介
○DVの被害者及び同伴者の緊急時における安全の確保及び一時保護(婦人相談所が自ら行うか、母子生活支援施設や民間シェルターに委託して行う)
○DV被害者が自立して生活することを促進するための情報提供その他の援助
○ DV被害者を居住させ保護する施設の利用についての情報提供その他の援助
○保護命令制度の利用についての情報提供その他の援助
23、児童相談所
・都道府県と政令指定都市は児童相談所の設置が義務付けられている
○一時保護機能:必要に応じて家庭から子供を離す
○措置機能:親権者の同意を得て児童福祉施設に子供を入所させる
○相談機能:子供に関する専門性を要する相談を受理し、援助を行う
○市町村援助機能:市区町村における児童家庭相談への対応について必要な援助を行う
・児童相談所では児童虐待に伴う一時保護所を併設している場合が多い。
・ 一時保護においては保護者の同意は不要で、かつ、保護者等の面会を制限することができる(里親に委託措置をする・児童養護施設に入所措置する際は、親権者の同意が必要)
○養護相談:虐待や保護者の失踪など養育困難な児童に関する相談
○障害相談:身体障害や知的障害や発達障害など、障害に関する相談
○非行相談:非行児童(虞犯行為、触法行為)に関する相談
○保健相談:小児喘息や未熟児・虚弱児など、疾患に関する相談
○育成相談:性格行動、不登校、進学適性、育児やしつけに関する相談
*親権停止制度(虐待など、父母による親権の行使が困難又は不適当な場合、子や親族などの請求により親の親権を一時的に停止することができる)は、児童相談所から申し立てが行われることが多い(停止やその期間を決定するのは家庭裁判所)
24、 福祉事務所
・ 生活保護法、児童福祉法等に定める事務を司る。
・児童虐待の通報先の1つ。
・都道府県及び市は設置義務、町村は任意設置
25、 地域包括支援センター
・ 対象地域に住んでいる65歳以上の高齢者、またはその支援のための活動に関わっているものが利用可能
この項目について、詳しくは別記事でまとめています!
□教育分野に関する法律・制度
26、教育基本法・学校教育法
・教育基本法(以下参照):教育の目的や目標を定める
第二条 教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
一 幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。
二 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。
三 正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
四 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。
五 伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。
出典:教育基本法
・学校教育法→憲法及び教育基本法の理念を受けて、学校教育の制度の内容と基準について具体的に示している
学校教育法は長すぎるのでここには転載しませんが、教育基本法との違いとしては、小学校・中学校・高等学校・大学・幼稚園・特殊教育と、それぞれ分けて述べている点ですね!教育基本法は大きいカテゴリー、学校教育法はより細かいカテゴリーです!
・学校教育法における学校とは⇨幼稚園(認定こども園は含まれない)、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校のこと(各種学校と呼ばれる自動車学校・外国人学校・予備校・日本語学校などは含まれない)
・義務教育学校とは、小学校課程から中学校課程まで義務教育を一貫して行う日本の学校。学校教育法の改正により2016年に新設された学校教育制度だよ。ちなみに義務教育学校は小学校・中学校通して一人の校長、一つの組織となっているよ!
・中等教育学校は、前期中等教育と後期中等教育を一貫して施すシステムをとる学校であり、日本では中高一貫教育とされるよ。
・教育上必要な懲戒とは、 口頭での叱責や注意、ペナルティーとしての軽作業、停学、退学などであり、これを加えることができるのは、校長及び教員
・ 市町村の教育委員会は、他の児童生徒の教育を妨げると認められる児童生徒があるとき(いじめ、教職員の暴力、施設の破壊など)は、その保護者に対して、児童生徒の出席停止を命じることができる
27、いじめ防止対策推進法
・いじめの定義:当該児童などと一定の人間関係にある他の児童が行う心理的または物理的な影響を与える行為(インターネットで行われるものを含む)
・「児童はいじめを行なってはならない」と明確に定められている
・「国及び学校」には基本的な方針を策定する「義務」があり、地方自治体は「努力義務」がある
・重大事態の場合は、速やかに事実関係を調査することが学校設置者に対して義務付けられている
・いじめ問題対策連絡協議会を置くことができるのは、市町村などの地方公共団体で、学校は協議会のメンバーとして参加する
・ 学校におけるいじめの防止対策の一環として、「全ての教育活動を通じた道徳教育及び体験活動等の充実を図らなければならない」と記載されている
・ いじめ防止基本方針は、国、地方公共団体、学校が、それぞれの責務に応じて独立して作成するもの
・ 財政的措置を講ずるよう努めるものとされるのは、国及び地方公共団体
この項目について、詳しくは別記事でまとめています!
28、教育相談所、教育支援センター
・いじめや不登校など、児童生徒の様々な問題に対する支援を提供するための施設。
・教育支援センターはかつて適応指導教室と呼ばれており、主に不登校児童生徒の支援(社会適応・学校復帰)にあたる施設
□司法・犯罪分野に関する法律・制度
29、刑事法、刑事司法制度、少年司法制度
・成人の刑事事件:検挙された被検者は、警察⇨検察庁⇨起訴か不起訴か決定
⇨起訴の場合は裁判所で裁判(全権送致主義をとる少年事件とは異なる点)
⇨不起訴になる場合
・訴訟条件を欠く場合:被疑者が死亡した時や、被害者と示談が成立し告訴が取り消されたとき
・被疑事件が罪とならない場合:被疑者が犯罪時14歳に満たない時、被疑者が犯罪時心身喪失であった時
・犯罪の嫌疑がない場合(嫌疑不十分):被疑者が人違いであることが明白になった時、又は被疑者がその行為者であるかどうか、もしくは被疑者の行為が犯罪行為に当たるかどうかの点について認定すべき証拠がないことが明白になったとき、またはこれらの認定すべき証拠が不十分なとき
・起訴猶予:被疑事実が明白な場合に置いて、被疑者の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の状況により訴追を必要としない時
【犯罪が成立するための3要件】
①構成要件該当性:法律に規定されている犯罪の類型に該当すること(つまり法律に規定がないことは罪に問われないことを罪刑法定主義という)
②違法性:正当防衛や緊急避難など、違法阻却事由に該当しない違法行為
③有責性:違法行為に対する責任を問いうること(非難可能性:心身喪失者の責任能力に関する議論はここに関する議論)
【医療観察法】
・ 心神喪失等の状態で重大な他害行為(殺人・放火・強盗・強制性行等・強制わいせつの実行もしくは未遂、「傷害」の実行)を行った者の医療及び観察等に関する法律
・ 医療観察法では指定の機関で入院もしくは通院の医療を受けることになるが、施設の指定は厚生労働大臣による
・通院処遇は3年までとされているが、 裁判所の決定により、最大2年の延長が認められているので、通院期間は最長で5年となる
・ 入院施設からの退院は、入院施設からの申し立てを受け、裁判所が決定する
・ 精神保健観察は主に退院後の措置として用意されている制度であり、それを担う機関が保護観察所、それを担う人物が社会復帰調整官である
・社会復帰調整官は保護観察者の社会復帰の促進を目的として生活環境の調査・調整、精神保健観察などの業務に従事するもの
30、犯罪被害者基本法
・犯罪被害者は個人の尊厳が重んじられ、尊厳にふさわしい処遇を受ける権利を有するなど、初めて犯罪被害者(その家族及び遺族)の権利が明確になった法律
・殺人や障害などの一定の被害者が公判期日に法定で検察官の隣に着席して裁判に出席し、法定で意見を述べることを可能とする制度を被害者参加制度という
・ 犯罪被害者等施策推進会議を内閣府に置くことが示されている
・ 犯罪被害者等のための施策とは、「犯罪被害者等が、その受けた被害を回復し、社会に復帰できるため」「犯罪被害者等がその被害に関する刑事手続に適切に関与できるため」の支援の施策である
・ 犯罪被害者等のための施策は、被害を受けた時から受けられる
・被害者支援センター: 犯罪被害者やその家族の相談・支援を行う組織で、47都道府県にある民間の支援団体を、公益法人「全国被害者支援ネットワーク」が統括している
・ 更生保護における犯罪被害者等のための制度: 「仮釈放に関する意見聴取制度」「保護観察中の加害者に心情伝達する制度」「保護観察中の状況等の通知を受ける制度」「不安や悩みについて相談、支援を受ける制度」がある
・ 犯罪被害給付制度の対象: 犯罪により死亡した被害者の遺族、重症病もしくは障害を受傷した被害者
31、更生保護制度
【目的】
・再犯・再非行防止
・犯罪をした者、非行のある少年の自立・改善更生することを助ける
・恩赦の適正な運用
・犯罪予防の活動の促進
・社会を保護し、個人及び公共の福祉を増進する
【更生保護6種類】
①保護観察: 犯罪をした人または非行のある少年が、実社会の中でその健全な一員として更生するように、国の責任において指導監督及び行動援護を行うもの
②応急の救護など及び更生緊急保護: 保護観察に付されている人や刑事上の手続きなどによる身体の拘束を解かれた人で援助や保護が必要な場合に受けられる措置のこと
③仮釈放・少年院からの仮退院など: 矯正施設に収容されている人を収容期間満了前に仮に釈放して構成の機会を与え、円滑な社会復帰を図ることを目的とした制度(仮釈放等の期間中は保護観察に付される)
④生活環境の調整: 矯正施設に収容されている人の釈放後の住居や就業先などの帰住環境(家庭や交友関係、経済状況や賠償の可否など)を調査し、改善更生と社会復帰にふさわしい生活環境を整えることによって、仮釈放などの審理の資料などにするとともに円滑な社会復帰を目指すもの
*この調整は保護観察官および保護司によって行われるが、調整の開始時期は「刑事施設から受刑者の身上調査書の送付を受けるなどした後」とされる(公認心理師試験第4回出題)
⑤恩赦: 行政権によって、国家刑罰権を消滅させ、裁判の内容を変更させ、又は裁判の効力を変更もしくは消滅させる行為(一律に行われる政令恩赦と、個別に行われる個別恩赦がある)
⑥犯罪予防活動: 犯罪や非行の予防のために、国民の理解促進や犯罪の原因となる社会環境の改善などに努める活動のこと
【保護観察制度】
・非行少年について、家庭裁判所の審判の結果、保護監察官や保護司による必要な指導を受ければ、社会内で立ち直りを図ることができると判断した場合、保護観察の決定が下される(保護処分に不服がある場合には保護観察開始から2週間以内であれば家庭裁判所に抗告の申し立てが可能)
・少年の更生を目指し、国の責任において指導監督・補導援護を行う制度であり、「保護観察処分少年」「少年院仮退院者」「仮釈放者」「保護観察付執行猶予者」「婦人補導院仮退院者」の5種類の人が対象
・1号観察:少年院に送致せず保護観察を行う⇨解除は保護観察所長が決定
・2号観察:少年院に送致後、保護観察を行う⇨保護観察所長が申請⇨地方更生保護委員会が少年院の退院を決定
・保護観察付執行猶予者に対する保護観察官の主な仕事は、指導監督(行状の把握や遵守事項の指導、犯罪傾向を改善するための専門的処遇など)と補導援護(衣食住の安定、医療や福祉の情報提供、就労支援など)の2つ
・ 保護観察対象者には、全員を対象とする「一般遵守事項」と、対象者それぞれの傾向に則した「特別遵守事項」(保護観察所長が設定)が設定され、それを守りながら生活することが義務付けられる。
・仮釈放の許可の決定、仮釈放の取り消し(不良措置)については地方更生保護委員会の審査による
・保護観察中に転居または7日以上の旅行をする時は、あらかじめ保護観察所長の許可を受けることが必要になる
32、ハーグ条約
・国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約。離婚などにより、親権や監護権を持つ親の元から同意なく他の親が子供を国境を超えて連れ去った場合、子の年齢が16歳未満であるならば、子供を奪われた親は、国の政府を通じて相手国に子供の返還や面会を請求できる
33、家庭裁判所・保護観察所・少年鑑別所・少年院・児童自立支援施設
【非行少年の審判に関する諸施設】
家庭裁判所 | 審判を行う |
保護観察所 | 更生保護法に基づき保護観察を行う |
少年鑑別所 | 審判のために鑑別が必要とされた少年を収容する(概ね12歳以上) |
児童自立支援施設 | 家庭的な雰囲気での施設での育て直しが適当と判断された場合に送致される |
【刑事施設3種類】
刑務所 | 刑が確定した受刑者を収容する |
少年刑務所 | 刑が確定した受刑者を収容する |
拘置所 | 刑が確定していない者(裁判中の刑事被告人・死刑囚)を収容する |
【保護観察所】: 保護観察官の執務する機関
・保護観察とは、保護監察官(国家公務員)と保護司(非常勤国家公務員・民間ボランティア)が主に非行少年に対して、社会の中で更生や指導・支援を行うこと
・少年院などで行う施設内処遇と区別して社会内処遇と呼ばれる
【少年鑑別所の役割】
①資質鑑別:医学、心理学、教育学、社会学などの専門的知識及び技術に基づき、対象者の非行または犯罪に影響を及ぼした資質上及び環境上問題となる事情を明らかにし、その事情の改善に寄与するため、処遇に資する適切な指針を示すこと
②観護処遇:少年鑑別所に収容している者に対する鑑別以外の取り扱いの全てを指す。情操の保護に配慮するとともに、特性に応じた適切な働きかけを行うことによって、その健全な育成に努める
*情操とは、社会的価値をもった感情で、複雑なもの(簡単にいうと、感情のことですかね!)
③地域援助:「法務少年支援センター」として、非行・犯罪の防止に関する専門的な知識や技術を幅広く活用して、一般の方々や関係機関・団体からの依頼に応じ、地域社会における非行及び犯罪の防止に向けた様々な活動を行う
【少年院】:審判の結果、矯正教育が必要と判断された場合に送致される(概ね12歳以上)
・少年院の矯正教育5つ
①生活指導
②職業指導
③教科指導
④体育指導
⑤特別活動指導
・種別は第1種から第4種まである
34、更生保護施設・地域生活定着支援センター・自立援助ホーム・自立更生促進センター
⇨罪を犯した者や非行少年の円滑な社会復帰に関する諸施設
【更生保護施設】
・刑務所を仮釈放や満期出所になった人
・刑の執行猶予の言い渡しを受けた人
・少年院を出た人
などのうち、家族や公的機関などからの援助を受けられない人を保護し支援して、その再出発を支えるための施設で、法務省管轄のもと、非営利民間組織が運営している
【地域密着支援センター】
刑務所・拘置所・少年院などの矯正施設を出所しても自立が困難な高齢者や障害者に、住居の斡旋などをして社会復帰を手助けする機関
【自立援助ホーム】
・何らかの理由で家庭にいられない
・働かざるを得なくなった
・原則として15歳から20歳までの青少年
に暮らしの場を与える施設
【自立更生促進センター】
仮釈放者を対象として、入所者個々の問題性に応じ、専門的処遇プログラムや生活指導、対人関係指導などを集中的に実施するなどの指導監督を行うとともに、充実した就労支援を行う施設
【児童家庭支援センター】
子供の発達支援に関わる相談、助言を行う専門機関として設置されており、児童相談所で賄い切れない子育て相談の受付業務が主となっています
□産業・労働分野に関する法律・制度
35、労働基準法
⇨人事労務管理の基本となる労働条件の最低基準を定めた法律
・均等待遇、男女同一賃金の原則、強制労働の禁止
・解雇:少なくとも30日前に、従業員に予告しなければならない
・休憩:労働時間6時間超は45分以上、8時間超は60分以上
・法定休日:週1日以上(4週間のうち4日以上)
・法定労働時間:1日8時間、週40時間
・時間外、休日労働は禁じられているが、労使協定(36・さぶろく協定)を結んだ場合、月45時間、年360時間まで時間外・休日労働をさせることができる
【36協定があっても超えてはならない上限基準】
・ 時間外労働は年720時間以内
・ 時間外労働及び休日労働の合計が複数月平均で80時間以内
・ 時間外労働及び休日労働の合計が1ヵ月あたり100時間未満
・ 1ヵ月あたり45時間を超えられるのは1年に6ヶ月以内
*労働組合法・労働関係調整法を加えて労働3法という
*労働組合法は、労働組合の規律等を定めた日本の法律である(団体交渉に関する法律)
資本家に対抗するために労働力の集団的取引を確保するため、労働組合の結成を妨害することは不当労働行為等の条文によって保護され、合法的に労働組合の結成を妨害することは不可能な構造となっている。
出典: ウィキペディア
*労働関係調整法は、労働関係の公正な調整を図り、労働争議を予防し、又は解決するための手続きを定めた法律である。
大規模な争議行為が発生して社会生活に影響を与えるような場合、労働委員会による裁定を行うことを規定している。
出典: ウィキペディア
36、労働安全衛生法
・健康診断、ストレスチェック制度など、多くの指針が示されている(労働者の健康維持を目的とした法律)
・健康診断は、事業者の実施+労働者の受診ともに義務
・ストレスチェックは事業者の実施が義務だが、労働者の受検は義務ではない
・50名以上の労働者を使用する事業場
→衛生委員会の設置
⇨労働者の健康管理を担う医師として「産業医」の選任
が義務付けられている
・事業者が医師による面接指導を行わなければならない場合
⇨時間外、休日労働が1ヶ月あたり80時間を超える+疲労の蓄積が認められる
⇨当該労働者からの申し出があった場合(申し出がない場合も、事業者は面接指導を行うよう努める)
37、労働契約法
・第5条で「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と使用者が労働者に負う義務として安全配慮義務が明文化された(契約書への明記の有無を問わず)
⇨不当な労働条件の排除、労働者の保護を目的とした法律
38、障害者雇用促進法
・障害者に対する差別禁止、合理的配慮の提供が規定された
・2018年、法定雇用率の算定基礎の対象に精神障害者が追加された(民間企業2,3%、国・地方公共団体等2,6%、都道府県などの教育委員会2.5%)
*職業安定法: 就労機会の提供に関する法律で、主な機関が職業安定所
39、労働者派遣法
・派遣労働者は、原則として同一の事業所に対して、業種についての例外なく上限は3年(ただし60歳以上の派遣労働者を派遣する場合は、派遣先の事業所の同一の組織単位対し、3年を超えて派遣することができる)
・ 派遣期間の延長において、「過半数労働組合等の意見を聴かなければならない」とされている
・派遣先の事業所が同一であっても、異なる部署・組織へ配置転換すれば、3年を超えて派遣が可能
・雇用安定措置:派遣期間の終了後に、その派遣労働者の雇用を継続させるための措置を講じる必要があること
40、労働者の心の健康の保持増進のための指針
・「セルフケア(労働者自身によるケア)」「ラインによるケア(管理監督者によるケア)」「事業場内産業保健スタッフなどによるケア」「事業場外資源によるケア」という4つのケアを継続的かつ計画的に実施することが示された
・ メンタルヘルスケアの実施は努力義務であり、義務ではない
・ 私的な生活への配慮は留意点として挙げられているものの、事業者の勤務ではない
41、心理的負荷による精神障害の認定基準
・業務上で精神障害を発病、あるいは自殺した労働者に対する労災(労働災害)補償の認定基準。
【3つの認定要件】
①対象疾病を発病していること
⇨統合失調症・うつ病・双極性障害・不安障害・強迫性障害・PTSD(心身症は含まれない。認知症や依存症は個別に判断)
②対象疾病の発病前おおむね6ヶ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること
⇨心理的負荷が「弱・中」では労災認定にならず、「強」と判断された場合労災認定
⇨心理的負荷にはパワーハラスメントも含まれる(いじめやハラスメントなど継続的に負荷がかかるものは、発病前6ヶ月に限定せず、開始時からの心理的負荷を評価する)
⇨月100時間程度となる時間外労働は心理的負荷の判断が1段階高くなり「強」になりやすい
*業務による心理的負荷評価表を確認する(全部で37関連項目)
③業務以外の心理的負荷・個体側要因により対象疾病が発病したとは認めらないこと
42、労働施策総合推進法
⇨ パワーハラスメントが明確に定義され、 以下の3つの要素を全て満たす言動をパワーハラスメントとする
① 優越的な関係を背景とした言動であって
② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
③ 労働者の就業環境が害されるもの
* 適正な範囲の業務指示や指導についてはパワハラに該当しない
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