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この大項目では、精神疾患の名称や薬物療法の副作用について出題されやすいです!
どのような精神疾患にどのような抗精神病薬が用いられるのか、どのような副作用が見られるのかといった対応関係の理解が重要です!
YouTube・スタンドFMでこの記事の音声配信も行っているので
耳での学習を希望する方は以下のリンクからご活用ください😌
1、精神症状を表現する際の基本用語
用語 | 内容 | 代表的な精神疾患 |
幻覚 | 現実に存在しないものを、現実のものとして認識する(幻聴・幻視など) | 幻聴→統合失調症 幻視⇨レビー小体型認知症、アルコール依存症の離脱症状 |
妄想 | 病的で非合理的な判断や観念に対し、強い確信を持っている状態 | 統合失調症(陽性症状) 主にうつ病にみられる微小妄想(罪業妄想・貧困妄想・心気妄想) 主に双極性障害に見られる誇大妄想 |
作為体験 | 自分の考えや行動が、他人によって制御されていると感じること | 統合失調症(陽性症状) |
思考制止 | 思考の流れが遅く、思考が展開しにくい状態 | うつ病、統合失調症(陰性症状) |
感情鈍麻 | 外界への関心や感情表現が乏しい状態 | 統合失調症(陰性症状) |
情動麻痺 | 危険な場面であるのに、何事もない反応を示し、思考や感情が一時的に停止した状態 | 災害・犯罪・事故などの突発的な被害の直後 PTSD、急性ストレス障害 |
観念奔逸 | 思考が次々と浮かび、目的が拡散してしまう状態 | 双極性障害(躁病エピソード) |
パニック発作 | 動機・息苦しさ・痺れ・冷感などの自立神経症状が突如現れること | パニック症 |
易刺激性 | 些細な変化に影響を受け、反応しやすいこと | 多くの精神疾患 |
失見当識 | 自分のいる場所や時刻、日付などが分からなくなること | 認知症、せん妄 |
健忘 | 宣言的記憶(言語的な記憶)が障害された状態 | 順向性健忘(受傷後の記憶障害)⇨脳障害(海馬の損傷)逆向性健忘(受傷前の記憶障害)⇨アルツハイマー型認知症 |
離人感 | 自分の体から離れて、自分の体を客観的に見ているような感覚(解離の1つ) | 離人感・現実感喪失症 |
解離 | 健忘や離人感などの意識の変容が、脳の生理学的機能の障害として説明できないもの | 解離症全般 |
転換(ヒステリー) | 麻痺や痙攣などの身体障害が、脳の生理学的機能の障害として説明できないもの | 変換症(転換性障害) |
心気 | 自分が重篤な疾患に罹患しているという思いにとらわれている状態 | 病気不安症 |
・健康状態に関して不安感を抱く心気妄想→身体の健康状態に対しての不安感を抱いてしまうことを心気妄想と呼びます。実際は健康でも、命を落としてしまうような重い病気にかかってしまったというような思い込みをしてしまう特徴があります。
・自分が行ったことを罪だと考える罪業妄想→完璧主義者と呼ばれる方や自分に厳しい方に見られるのは罪業妄想です。罪業妄想は自分が行ったことが罪であったのではないかと自分を追い詰めてしまいます。症状が重たくなると、自分の存在を否定してしまう・幻覚を見てしまうなどの症状を招く場合があります。
・お金に関して心配事を抱く貧困妄想→貧困妄想は金銭面で心配をしてしまいます。しっかり収入を得ていても、お給料が少なかったから生活ができないというように必要以上に心配してしまうのです。貧困妄想は周囲から見るとただお金が欲しい方のように見えてしまうこともありますが、うつ病の症状である微小妄想の1つです。
・誇大妄想→自分の現在の状態を、実際よりもはるかにおおげさに空想して、それを事実のように思いこむこと。
【解離性(転換性)障害・ICD-10】
・ 記憶や意識が自分から切り離されてしまうことを主な症状とする
・自殺リスクは高い
・ 解離性健忘:解離性障害の主要な症状であり特定の時期あるいは特定のエピソードについて想起できなくなる限局性健忘、自分の生活全般について想起できなくなる全般性健忘があり得る
・ 特に限局性健忘の症状を持つ人の場合、自分の記憶の問題について自覚することができていない
・ 下位分類として解離性痙攣や無感覚・感覚脱失なども記載されており、症状は精神症状のみではない
・ 幼児期の被虐待は解離性障害の高リスク要因
・ 解離性同一性と呼ばれる交代性人格を伴うケースは、あらゆる年齢体で生じる可能性があるがその割合は3割以下と考えられている
2、抗精神病薬の主な副作用
対象 | 主な向精神薬 | 主な副作用 |
統合失調症 | 抗精神病薬 (定型・非定型) | 錐体外路症状 過鎮静 高プロラクチン血症 代謝系副作用 悪性症候群 |
・錐体外路症状:中枢神経系の副作用で、主に運動機能の症状
・過鎮静:抗精神病薬が効きすぎの状態。眠気、ふらつき、倦怠感、疲労感など
・高プロラクチン血症:乳汁分泌の異常(男性は女性化乳房)、月経不順、性機能障害、骨密度低下等
プロラクチンは、乳汁分泌ホルモンとも呼ばれる、母乳を作るホルモンのことです。
主に脳下垂体前葉のプロラクチン分泌細胞から分泌されます。
このホルモンが活発な間は、身体が自然と妊娠しにくい状態になります。
・代謝系副作用:体重増加(食欲亢進)、糖尿病、高脂血症など
・悪性症候群:高熱、筋強剛(筋肉の緊張が高まりすぎている状態)など様々な症状の併発。最も重篤な副作用で薬物療法を一時中止する
・非定型向精神薬の方が副作用が少ないため、第1選択として用いられることが多い。また、双極性障害やうつ病にも用いられることもある。
向精神薬の副作用の覚え方(場所は八百屋さんとしてます)
「スイカ交代!悪くなってるから!」
スイ(錐体外路症状)カ(過鎮静)交(高プロラクチン血症)代(代謝系副作用)、悪(悪性症候群)くなってるから
3、抗精神薬による錐体外路症状
アカシジア | むずむずする異常知覚により、四肢を落ち着きなく動かしてしまい、長時間座っていることが困難になる。静座不能症とも呼ばれる。 |
ジストニア | 不随意で持続的な筋収縮・緊張に関する運動障害(筋肉の不随意なこわばり) 顔や首のこわばり・反り返り、舌が出たままになる、眼球上転、手足が突っ張るなど。 |
ジスキネジア | 反復性で無目的で非自発的な運動(身体の不随意運動) 口をモゴモゴする、唇をすぼめる、歯を食いしばる、手足が勝手に動くなど |
パーキンソニズム | 振戦(手足の震え)、筋肉のこわばり、緩慢動作、歩行障害など |
・明石(アカシジア)はソワソワして座ってられない
・ジストニア(荒れている国と仮定)に行ったら緊張して力入る
・新外国人(野球の助っ人)ジスキネ(ジスキネジア)はガム噛んで口モゴモゴしてる
と僕は覚えます。笑
4、抗うつ薬の主な副作用
主な向精神薬(抗うつ薬) | 主な副作用 |
SSRI (選択的セロトニン再取り込み阻害薬) | 消化器症状(食欲不振、悪心・嘔吐、下痢など) 離脱症候群 賦活症候群 |
SNRI (セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬) | 消化器症状(食欲不振、悪心・嘔吐、下痢など) 動悸 離脱症候群 賦活症候群 |
三環系抗うつ薬 | 抗コリン作用(口渇、便秘、尿閉など) 眠気 起立性低血圧 めまい 不整脈 体重増加 過剰服薬の場合、致死的になることも。 |
・SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬):抑うつ気分が出ている場合に選択されやすい。パニック症、社交不安症、強迫症、全般性不安症などの不安障害にも用いられる
セロトニンは、精神の安定や安心感や平常心、頭の回転をよくして直観力を上げるなど、脳を活発に働かせる鍵となる脳内物質です。
特に、ストレスに対して効能があり、自らの体内で自然に生成されるもので、精神安定剤とよく似た分子構造をしています。
・SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬):意欲・気力減退が出ている場合に選択されやすい。疼痛にも用いられる
ノルアドレナリンとは、激しい感情や強い肉体作業などで人体がストレスを感じたときに、交感神経の情報伝達物質として放出されたり、副腎髄質からホルモンとして放出される物質です。
ノルアドレナリンが交感神経の情報伝達物質として放出されると、交感神経の活動が高まります。
・三環系抗うつ薬:SSRIやSNRIで十分な効果が認められない場合に適用。重症のうつにも有効だが、副作用が強い
・離脱症候群:服薬中止により、体内バランスが崩れて副作用が出現しやすくなること。中止後発現症状と表記されることも。
・賦活症候群:投与初期や増量期に現れやすい強い不安や焦燥感のこと。自殺関連行動リスクの亢進に配慮する必要がある。
・悪心(おしん):嘔吐の前に起こるむかつき(吐き気)のことをいいます。
抗うつ薬は全体として副作用が先に出て、主作用が後から出てくることが多いです!
5、その他の抗精神病薬の主な副作用
対象 | 主な抗精神病薬 | 主な副作用 |
不安不眠 | 抗不安薬・睡眠薬 (ベンゾジアゼピン系) | 筋弛緩作用 ふらつき めまい 頭痛 集中力の低下 転倒 一時的な健忘・せん妄 反跳性不眠(はんちょうせいふみん) 不適切な服用による耐性 精神依存がメイン+身体依存も(依存性が強い) ⇨耐性や離脱が生じやすい |
双極性障害 | 気分安定薬 (炭酸リチウム) | リチウム中毒(見当識障害、けいれん、昏睡から死亡に至る可能性も)消化器症状(食欲不振、悪心・嘔吐、下痢など) 甲状腺機能低下 振戦 傾眠 口渇 |
ADHD | 精神刺激薬 (メチルフェニデート塩酸塩) | 不眠 食欲低下(体重減少) 不安 神経過敏 眼圧亢進 頭痛 口渇 |
認知症 | 抗認知症薬 (コリンエステラーゼ阻害薬・NMDA受容体拮抗薬) | コリンエステラーゼ阻害薬:消化器症状(食欲不振、悪心・嘔吐、下痢など) めまい 頭痛 NMDA受容体拮抗薬:けいれん、めまい、頭痛、眠気、意欲低下、便秘 |
【睡眠薬の副作用】
・奇異反応: 薬剤に期待される効果とは逆の影響が生じる現象のこと。不安の増加、攻撃性の上昇、脱抑制などとして見られることがある
・反跳性不眠(はんちょうせいふみん):服薬を急に中止することで、リバウンドとして不眠が生じること(服用開始前よりも強い不眠)
・前行性健忘
・持ち越し効果: 睡眠薬の効果が覚醒後に持ち越され、眠気や頭重感、倦怠感などが現れる現象
*高齢者に副作用の少ない睡眠薬
・オレキシン受容体拮抗薬
・メラトニン受容体作動薬
第3回公認心理師試験問41・133出題
【ドネペジル】
・アリセプトという製品名で有名な薬で、最も初期から使われてきた抗認知症薬
・軽度〜中等度の認知症状に有効で、投与開始初期にその効果が現れやすい
・適用はアルツハイマー型とレビー小体型で、症状の進行の抑制と、一時的には症状の改善が見られる
・有効率は20-30%程度
・アセチルコリンエステラーゼの体内における働きを阻害し、脳内における神経伝達を促進させる
・コリンエステラーゼ阻害薬:「やる気が出ない・物覚えがわるい」などに対する、脳機能の活性化(賦活作用)を主な目的とする
・NMDA受容体拮抗薬:「イライラする・怒りぽくなった」などに対し、穏やかにすること(鎮静作用)を主な目的とする
6、精神作用物質による依存症・特徴
・物質依存:精神作用物質を繰り返し使用することで物質使用をやめられなくなる状態で精神依存と身体依存に分類される
・精神依存:自分の意思で使用を制御できなくなること。物質使用に対する強い欲求(渇望)により、社会的・身体的問題が生じても物質使用を優先してしまう。
・身体依存:物質に使用により身体の安定が保たれていること。物質が体内から消失することで身体の安定が失われる(離脱症状)ため、物質を求めるようになる
・耐性:繰り返し使用することで物質の効果が減弱すること
精神依存 | 身体依存 | 耐性 | 主な物質 | |
アヘン類 | ○ | ○ | ○ | ヘロイン、モルヒネなど |
大麻類 | ○ | ○ | マリファナなど | |
睡眠薬類 | ○ | ○ | ○ | 睡眠薬、抗不安薬、アルコールなど |
コカイン | ○ | コカイン | ||
覚醒剤 | ○ | アンフェタミンなど | ||
カフェイン | ○ | カフェイン | ||
幻覚剤 | ○ | ○ | LSD、MDMA | |
タバコ | ○ | ○ | ○ | タバコ、葉巻 |
揮発性溶剤 | ○ | △ | シンナー、ボンドなど |
・ヘロイン:身体依存性が強く、離脱症状として落ち着きのなさや身体の痛みが生じやすい
・コカイン:過剰摂取が起こりやすく、精神依存性が強い
・LSD:合成大麻の一種。「麻薬及び向精神薬取締法」の規制対象。
・メチレンジオキシメタンフェタミン(MDMA)
気分や知覚(周囲の物や状況に対する認識)に変化をもたらす合成麻薬のひとつです。
覚醒剤や幻覚剤に似た化学的性質を持っており、高揚感や多幸感、親近感を生じさせる一方、感覚や時間に対する認識を歪めます。
心的外傷後ストレス障害に対し、MDMAを併用した心理療法の臨床試験がアメリカ合衆国で進行している。
*オピオイド
・手術中、手術後の痛みや長期間続く慢性痛など、様々な用途で使われている麻薬性鎮痛剤
・手術用の麻酔として用いられるオピオイドとして、モルヒネやフェンタニルが挙げられる。
・副作用には消化器症状・精神神経系症状が現れる
公認心理師試験第2回 問31出題
□代表的な精神疾患の成因、症状、診断法、治療法、経過、本人や家族への支援
*ICDー10のコード番号順にまとめていきます
7、症候性を含む器質性精神障害(F0)
・アルツハイマー型認知症、血管性認知症、せん妄など主に脳損傷、脳機能不全、身体疾患に伴う精神障害が該当する
【せん妄】
・意識の混濁を主な症状とする
・注意障害、見当識障害が見られる
・幻視や幻聴、記憶障害といった認知の障害も見られる
・症状が急激に発生する点、症状が1日の経過中で重症度が変動する傾向がある点が認知症とは異なる
【せん妄・DSMー5の下位分類】
・物質中毒せん妄: アルコール、コカイン、大麻等の摂取によるもの
・ 物質離脱せん妄: アルコール、麻薬、鎮静剤等の中止による離脱症状
・医薬品誘発性せん妄: 処方された鎮静剤、睡眠薬などによって誘発されたもの
・他の医学的疾患によるせん妄: アルツハイマー型認知症、脳卒中などによるもの
・複数の病因によるせん妄: 上記のうち複数が重複するもの
8、統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害(F2)
・主に統合失調症が該当
【統合失調症・DSM-5における診断基準】
・以下のうち2つの症状の6ヶ月以上の存続
①妄想(最も多いのは被害妄想・思考伝播など)
②幻覚(幻聴が中心・幻視はほとんど発生しない)
③まとまりのない発話(支離滅裂)
④ひどくまとまりのない、または緊張病性の行動
⑤陰性症状
・陽性症状:ある種の機能の過剰や歪みに由来する症状から構成されており、具体的には、幻聴、作為体験(他人の意思で操られている感覚)
⇨被影響妄想(嫌味を言われている、注目されているなど他者の行為を過剰に自分に関連づける、身体や動作のコントロールを何物かに奪われたように感じる):「体が勝手に動く、脳みそが溶ける」など
⇨思考伝播(自分の考えが他人に奪われている)
・誇大妄想(自己に関する誇大な観念が発生するが、それが根拠のない強固な信念として発生する)
などが挙げられる
・支離滅裂:思考内容をつなぎとめることができず、脈絡のない発話が現れたりする
・世界没落体験: 世界が破滅する様子を妄想し、強い不安や絶望に至る事で、統合失調症の急性期に見られることが多い
・陰性症状:活動性欠如や行動欠損からなり、具体的には、意欲喪失、無論理思考、快感情の消失、感情の平板化、非社交性など
*【緊張病(カタトニア)】:DSM-5では 統合失調症スペクトラム障害及び他の精神病性障害群に位置づけられる
・以下の1-12の臨床像のうち3つ以上が優勢であるとされる
①昏迷: 精神運動性の活動がない、周囲と活動的なつながりがない
②カタレプシー: 一度取った姿勢が解除できず、体が硬くなり自発的に動かせない状態(統合失調症患者に見られることがある)
③蝋屈症: 他者に姿勢を取らされることを無視し、抵抗する
④無言症: 言語反応がない、またはごくわずかしかない
⑤拒絶症: 指示や外的刺激に対して反対する
⑥姿勢保持: 重力に抗して姿勢を自発的、能動的に維持する
⑦わざとらしさ: 普通の所作を奇妙、回りくどく演じる
⑧常同症: 反復的で異常な頻度の目標志向のない運動
⑨外部刺激の影響によらない興奮
⑩しかめ面
⑪反響言語: 他人の言葉を真似すること
⑫反響動作: 他人の動作を真似すること
*カタプレキシー: 過度の感情の高ぶりのために、全身の筋力が抜けてしまう。ナルコレプシー(過眠症)との併発が多い
公認心理師試験第2回 問30出題
9、気分(感情)障害(F3)
・主にうつ病や双極性障害が該当する
・双極性障害:躁病エピソードと抑うつエピソードを反復する
⇨双極性1型:日常生活に著しい支障をきたす
⇨双極性2型:軽躁状態を呈する
・うつ病(大うつ病性障害):抑うつエピソードのみ
【DSM-5・うつ病の診断基準】
・このうち5つ以上+1と2の症状は必須
・直前の2週間の間に存在している場合にうつ病と診断しうる
①抑うつ気分
②興味・喜びの著しい減退
③食欲の減退
④不眠・過眠
⑤精神運動焦燥または制止
⑥疲労感や気力の減退
⑦無価値感・罪責感
⑧思考力・集中力の減退、決断困難
⑨自殺念慮・自殺企図
*うつ病患者に見られやすい妄想を微小妄想(3つ)という
①健康状態に関して不安感を抱く心気妄想:重い病気にかかっていると思い込む
②自分が行ったことを罪だと考える罪業妄想:自分を追い詰めてしまう
③お金に関して心配事を抱く貧困妄想:生活ができないと思い込む
*躁病エピソード:爽快気分、観念奔逸(次々とアイディアが浮かび、どんどん話が逸れ、まとまりがない)、誇大妄想(自分の現在の状態を、実際よりもはるかにおおげさに空想して、それを事実のように思いこむこと)、意欲と行動の異常
・認知行動療法と薬物療法の併用による支援が有効
・うつ病に対しては抗うつ薬、双極性障害に対しては気分安定薬が用いられる
10、神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害(F4)
・主に不安障害や強迫性障害、PTSDなどが該当する
【不安障害】(DSMー5では不安症):不安を主症状とする一群の病態。
・広場恐怖症:公共の場に対する不安
・社交不安症:他者から観察される状況に対する不安
・パニック障害:突発的なパニック発作の発生に対する不安(予期不安)を主症状とする
【パニック障害】:以下の13種類の症状を指す(DSM-5の診断基準)
① 動悸、心悸亢進、または心拍数の増加
② 発汗
③ 身震いまたは震え
④ 息切れ感または息苦しさ
⑤ 窒息感
⑥ 胸痛または胸部の不快感
⑦ 嘔気または腹部の不快感
⑧ めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じ
⑨ 寒気または熱感
⑩ 異常感覚(感覚麻痺またはうずき感)
⑪ 現実感消失(現実ではない感じ)または離人感(自分自身から離脱している)
⑫ 抑制力を失うまたは「どうかなってしまう」ことに対する恐怖
⑬ 死ぬことに対する恐怖
公認心理師試験第4回 問135出題
・強迫性障害(強迫症):自分自身ではそれが無意味であり、考える必要がないとわかっているものの、ある考えが反復して出現する強迫観念と、強迫観念を振り払うための強迫行為の2つからなる
【全般性不安症・全般性不安障害】:DSM-5の診断基準
・ その症状が特定のテーマに限定されない不安であり、その症状は6ヶ月以上続き、以下の項目から3つ以上が伴うもの
① 落ち着きのなさ、緊張感、神経の高ぶり(過敏性)
② 疲労感
③ 集中困難、心が空白になること(頭が真っ白)
④ 易怒性(苛立ち)
⑤筋肉の緊張
⑥睡眠障害
11、生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群(F5)
・主に摂食障害や睡眠障害、性機能不全などが該当する
○摂食障害:極端な体重低下と、代償行動(体重増加を防ぐための嘔吐、下剤使用、絶食、過剰な運動)の有無により、4つに分類できる。
代償行動 | 代償行動 | ||
あり | なし | ||
極端な体重低下 | あり | 神経性やせ症(過食排出型) | 神経性やせ症(摂食制限型) |
極端な体重低下 | なし | 神経性過食症 | 過食性障害 |
・特に神経性やせ症は現在の低体重の深刻さに対する認識が欠如しており病識がないことが多く、命の危険を伴うこともある(ボディイメージの歪みと肥満恐怖が問題)
・ 神経性やせ症の患者に対し心理療法を行うとするならば、るい痩(著しい痩せ)や低栄養状態がある程度改善していることが必要(早期に開始するのは身体症状の治療)
・実施する療法は認知行動療法が主となり、そこでは身体像や摂食行動に関する認知を扱う
・青年期の治療には家族療法が有効
・死亡率は10年間で5%、報告によっては20%近いというデータもあり、死亡率が高い(その多くは不整脈などの身体合併症による。徐脈なども現れる)
・衝動性が高いとされるのは過食・排出型
・有病率の男女比は1:10で圧倒的に女性に多い
・遺伝的要因の存在が指摘されている
・女性の無月経は高頻度に見られる
・食事の記録(食事日記)が必要になることが多い
・合併症としてうつ病は珍しくない
重症度 | BMI |
軽度 | 17以上 |
中等度 | 16台 |
重度 | 15台 |
最重度 | 14台 |
*リフィーディング症候群: 長期的な低栄養状態に置かれていた個人に対し、積極的な栄養補給を行うことにより発生する、発熱、痙攣、意識障害、心不全、呼吸困難などの症状で、治療開始直後に発生しやすい
○睡眠障害:入眠困難、中途・早期覚醒、日中の疲労感や注意力低下などの不眠障害や、夢遊病と呼ばれる睡眠中の徘徊に代表される睡眠時随伴症候群(パラソムニア)、睡眠中に呼吸停止が繰り返し起こる睡眠時無呼吸症候群、日中に耐え難い眠気が起こり、予期せぬ場面での睡眠が起こるナルコレプシーなどが挙げられる
○性機能不全:性欲、勃起、性交、射精、極致感(キョクチカン)のいずれか1つ以上欠けるかもしくは不十分なもの
12、成人のパーソナリティ及び行動の障害(F6)
・主にパーソナリティ障害、性同一性障害、病的窃盗など習慣や衝動の障害が該当する
【境界性パーソナリティ障害の診断基準・DSM-5】
① 見捨てられ不安
② 理想化とこき下ろし:「会えて良かった」⇨「最低」など
③ 同一性の混乱:礼節を保つ⇨乱れた着衣で泣きながら来院など
④自己破壊的衝動性:無謀運転、不特定多数との性的関係など
⑤自発念慮・企図
⑥感情の不安定性
⑦慢性的な空虚感
⑧怒りの制御困難
⑨ストレス関連の妄想用観念または重篤な解離症状
公認心理師試験第4回 問136出題
・性同一性障害:生物学的性別と性別意識・性自認・性役割が一致しないことによって生じる困難。現在では、性別意識が生物学的性別から変異することが問題ではなく、不一致から生じる葛藤や不利益が問題と考えられている。患者ごとにふさわしい性役割や生活のあり方を援助することが望ましい。
DSMー5では性別違和と表記されるようになったよ!そして、2022年1月に発効されるICD-11では、性同一性障害は精神疾患から除外される見込みだよ!
・病的窃盗(窃盗症・クレプトマニア):利益目的ではなく、窃盗前の緊張感と窃盗後の開放感のために、窃盗行為を続けてしまう。自分で窃盗に対する欲望を抑えることが難しい。
13、地域移行
○地域移行支援:障害者総合支援法に基づき、障害者支援施設など、精神科病院に入所または入院している障害者を対象に住居の確保その他の地域生活へ移行するための支援を行うこと。支援期間は6ヶ月。対象者の障害は精神障害に限らない(対象者は大きく分けて以下の4つ)
①障害者支援施設、精神科病院などに入所や入院している障害者
障害者支援施設とは、障害者に対し、夜間に「施設入所支援」を行うとともに、昼間に「生活介護」、「自立訓練」又は「就労移行支援」を行う施設です。
②救護施設や更生施設に入所している障害者
救護施設は、身体や精神の障害や、何らかの課題(生きづらさ)を抱えていて、日常生活を営むことが困難な方たちが利用している福祉施設です。
また、「生活保護法」にもとづく保護施設のうち、心身上の理由で養護や生活指導を必要とする要保護者が生活扶助を受ける入所施設が更生施設です。
③刑事施設に入所している障害者
我が国では,刑務所,少年刑務所及び拘置所を総称して,「刑事施設」と呼んでいます。
このうち,刑務所及び少年刑務所は,主として受刑者を収容し,処遇を行う施設であり,拘置所は,主として刑事裁判が確定していない未決拘禁者を収容する施設です。
④就業支援センターや自立準備ホームなどに宿泊している障害者
自立準備ホームとは、日本の法務省の「緊急的住居確保・自立支援対策」に基づいて、人々に一時的に住居を提供し、自立を促す施設のことである。
・地域定着支援:居宅において単身で生活している障害者などを対象に常時の連絡体制を確保し、緊急事には必要な支援を行うこと
14、アドヒアランス
・ただ医師の指示に従うだけでなく、薬の飲み方や治療方針に患者も深く関与し、意思決定すること
・アドヒアランスにより、治療の中断や不規則な薬物使用が減ることが期待できる
・医師が主体となって決めた薬の飲み方を患者が守ることをコンプライアンスという
・アドヒアランスは医師と患者の関係が良好であるほど継続できる可能性が高まる
□向精神薬をはじめとする薬剤による心身の変化
15、薬物作用
・薬物が生体にもたらす作用。薬物動態学的特性と薬力学的特性により決定される
・薬物動態学的特性:薬物がどのように吸収され、分布し、代謝され、排泄されるのかという、薬物の体内での動きのこと(通称ADME)
・薬力学的特性:体内に分布した薬物が体にどのように作用するかという過程のこと
・初回通過効果: 吸収された薬物が全身に循環する前に肝臓で代謝される割合のこと
16、薬物性精神障害
・薬剤性せん妄:治療目的で投与された薬剤によって誘発される
・精神刺激薬(コカインなど)による多幸や生理的変化:嗜好目的で摂取された薬剤によって誘発される
□医療機関への紹介
17、精神科等医療機関へ紹介すべき症状(4つ)
①統合失調症、双極性障害、改善しない抑うつなど薬物療法の必要性がある場合
②強い睡眠障害や摂食障害において、入院による治療の必要性がある場合
③自殺の危険性が高いと評価される場合
④心理師の専門・知識・経験などで対応が難しい場合
【病態水準・カーンバーグ】
自我 | 重症度 | 現実検討 | 精神科への紹介 | |
神経症水準 | 高 | 軽度 | ||
境界水準 | 中 | 中等度 | ||
精神病水準 | 弱 | 重度 | できていない | 急がれる |
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・この記事は赤本 公認心理師国試対策2022 (KS心理学専門書) を用いて要約しています。
・公認心理師受験専用に様々な参考書がありますが、私はこれ1冊を徹底的に使い込むだけでも合格点は目指せると考えています!
・何の参考書を買うか迷った時は、まず赤本 公認心理師国試対策2022 (KS心理学専門書) がおすすめです😌
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