1、Beck Depression Inventory (BDI・ベックうつ病調査表)
・認知行動療法を提唱したアメリカの精神科医アーロン T ベック博士によって考案された
・抑うつの程度を客観的に測る自己評価表です。
・定期的に BDI テストを行うことによって、自分自身の気分の傾向を数値として測定します。
・自分自身を客観的に見つめることができ、うつ病判定のひとつとして利用できます。
・BDI-IIの質問項目は全部で21項 目
・所要時間は5~10分程度とされている。得点は0-3の4件法で評価され、合計63点。
得点 | 重症度 |
0-13 | 極軽症 |
14ー19 | 軽症 |
20-28 | 中等症 |
29ー63 | 重症 |
・スクリーニングや臨床研究で最適なカットオフポイン トは、原版では明確にされてはいないが、14点と考えて良さそう(公認心理師赤本調べ)
BDIの点数はよく公認心理師試験にも出てくるので、目安を覚えておくのが良いですね🧐
2、KABC-Ⅱ検査
・アメリカのカウフマン博士夫妻が、発達障害や学習のつまずきが見られる子どもに向けて作成し、1983年に発表した知能検査
・大きく分けると、「認知処理」と「習得度」の2つから知能を測定
⇨認知度は新しいことを覚えたり、対応したり、情報を処理する能力。
⇨習得度は読みや書き、どこまで学習しているか、学力をあらわします。
・KABC-Ⅱ検査は、2歳6か月~18歳11か月までの子どもを検査の対象としています。
・認知処理や習熟度には細かく、下位検査があります。
【認知処理】
1.継次尺度…連続した刺激を1つずつ順番に処理する力。
⇨複数の音声や動作を聞こえた順番に真似ることができるかを見る。
2.同時尺度…見た情報をまとめて全体として見る力。
⇨イラストや図を一目見て理解できるかどうかを見る。
3.学習尺度…見たり聞いたりした情報を学習していく力。
⇨学習の定着度や、長期記憶の働きも見ることができる・
4.計画尺度…課題を解決するために適切な方法の選択、実行ができているか。
⇨パターンの整理や、物語を完成させられるかなど見る。
【習熟度】
- 語彙尺度…語彙に関する知識がどのぐらいあるか。
- 読み尺度…文字の読みや読解力。
- 書き尺度…文字の書きや作文力。
- 算数尺度…足す引くの計算や文章問題を解く力。
認知処理と習得度の差がないか、また各尺度の得意・不得意に合わせた指導することが大切
3、Y-BOCS(Yale-Brown Obsessive-Compulsive Scale)
・OCD(強迫性障害)の重症度評価に使用される。
・この得点が16点以上であれば臨床的に有意な強迫症状と考えられ、32点以上の場合、きわめて重度と判定される。
・10の項目から成り、強迫観念と強迫行為について、それぞれ費やす時間、関連する苦痛、機能障害、抵抗性、 制御の程度を、0〜4の5段階で評価する。
⇨0〜7:無症状
⇨8〜15:軽度
⇨16〜23:中等度
⇨24〜31:重度
⇨32〜40:最重度
4、ベンダー・ゲシュタルト検査 (Bender Gestalt test ; BGT)
・個人の認知機能を推定することが主な目的
・器質的な脳障害の検査にも用いることができる
・作業検査法の一つであるが、描画法に分類されるときもあります。
・ボッ線・直線・円・波線で構成された9枚の簡単な幾何学図形を、書き写すだけの簡便な検査
【わかること】
- 全体的な統合を行うゲシュタルト機能の成熟程度とその障害
- 心理的障害
- 気質的な脳障害
- パーソナリティ傾向
- 知能的側面
- 場合によっては統合失調症などの診断も可能
・5歳以下の子どもには、ゲシュタルト機能の未発達から、本テストを適用しない。
・理論的にはゲシュタルト心理学にもとづいています。
5、田中ビネー知能検査
・フランスのビネーが開発し発展させてきた知能検査を基に、日本での使用を目的として内容の改訂が進められてきた知能検査
・「年齢尺度」が導入されており、できなかった課題、あるいはできた課題の年齢的な基準が示されていて、他の同世代の子どもと比較してどのくらい発達しているか、あるいは遅れを示しているのかの手掛かりやイメージをつかみやすい構成になっています。
・子どもの生活年齢と等しい年齢級の課題から検査を始めていき、一つでもパスできない課題があった場合には年齢級を下げて実施し、全課題をパスできる年齢級の下限を特定します。
・全課題をパスできた場合には、上の年齢級に進んで、上限を特定します。
・検査の結果として算出された精神年齢と、子どもの生活年齢(暦年齢)との比によって「知能指数」、つまり「IQ」という数値が算出されるように作成されています。
・13歳以下は精神年齢から知能指数を算出する。14歳以上は偏差知能指数を算出する
・適用年齢も2歳から成人までと幅が広く、他の知能検査と比較すると実施の手順が簡便であるために、子ども自身も検査者も精神的・時間的負担が少ないことなどが大きな特徴となっています。
この5つの検査だけでは、公認心理師試験までに最低押さえていきましょう!!!
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