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この大項目では、様々な研究手法と心理統計に関する知識が求められます!この大項目は、理解がかなり難しいのに対して、出題割合が約2%と低いので、個人的にはある程度捨てる気持ちも必要かなと思います!その分、出題頻度が多い分野に勉強時間を当てるというイメージです!
YouTube配信・音声配信も行っているので、動画・音声学習をしたい方はそちらをご覧ください
【約10分ずつ・パート⑤まであります!】
① □心理学における統計的実証法
1、心理学における研究倫理 2、実験法 3、調査法(質問紙法)
② □心理学における統計的実証法
4、観察法 5、面接法 6、実践的研究法
③□心理学で用いられる統計手法
7、分散分析 8、因子分析 9、重回帰分析 10、多変量解析 11、構造方程式モデリング 12、テスト理論
④13、メタ分析
□統計に関する基礎知識
14、尺度水準 15、度数分布 16、代表値 17、 散布度 18、相関係数 19、仮説検定 20、点推定 21、 区間推定 22、ノンパラメトリック検定
⑤22、ノンパラメトリック検定 23、 確率と確率分布 24、 標本分布
□1問1答・知識の確認 □解答
何を調べたいときに、何の分析を用いるかを、表にまとめました。最低限、この程度理解できていると良いかなと思います!
何をしたいとき | 用いる分析 |
データの信頼性を測定 | α係数 |
データの比較 | 標準化(平均値0、標準偏差1に変換) |
人数を2等分 | 中央値 |
全数調査が困難な対象に調査 | 無作為抽出・推測統計法(全数調査なら記述統計法) |
2群の平均値の差が有意差か検定 | t検定 |
3群以上の平均値の差を検定 | 分散分析+多重比較 |
2つの変数の関連の強さを知る | 相関係数 |
人数分布の偏りがあるか知る | χ2検定(カイ2乗) |
複数の項目を整理・分類 | 因子分析 |
複数の独立変数の影響力を比較したい | 重回帰分析 |
□心理学における統計的実証法
1、心理学における研究倫理
・対象者の自然な行動を引き出すために本来の目的を伏せる(ディセプション)場合は、事後に本来の目的を明かし、本来の目的を伏せた理由について十分な説明を行い、同意や了承を得る必要がある(デブリーフィング)
・研究計画を所属する大学や所属機関の倫理委員会に提出し、許可を得る
2、実験法
・独立変数以外は統制された2群(以上)を用意し、従属変数の変化を比較する手法
・独立変数:研究者が操作する成分であり、原因に相当する変数
⇨ 実験では必ず「実験群」と「統制群」を設定することが求められるため、必然的に値またはカテゴリーが2つ以上(そのうち1つは統制群)に設定される。
・従属変数:研究者が操作できない成分であり、結果として測定(観測)される変数
独立変数をX、従属変数をYとする場合、「XがYに及ぼす影響」、つまり「Xが原因となり、結果的にはYに影響が現れる」ということです!研究者はX(独立変数)を操作し、その結果がY(従属変数)にどのように 現れるか「観察、測定」します。
・剰余変数:従属変数に影響を与える独立変数以外の変数のこと。
・独立変数以外の変数(剰余変数)を偏りのない状態にすることを統制(実験において重要)といい、統制に失敗し、従属変数の変化に剰余変数の影響が反映されてしまうことを交絡(こうらく)という
・離散変数:連続する整数の間に数が存在しない変数
例えばコップの数は、1個、2個、3個と数え、1個と2個の間は存在しないため離散変数です!対して連続変数は、連続する整数の間に数が存在します。例えば長さなど、1センチと2センチの間に1、5センチなどの数が無限に存在するので、連続変数です!
・ダミー変数:「あるorない」を「0 or 1」に置き換えるように、カテゴリー型のデータを数値化した変数のこと
・実験群:独立変数の操作を加えられた群
・対象群(統制群):比較対象として用意された群
・実験法は、人為的に実験環境を設定した上で行われるため、その結果が現実世界に適用可能であるかという生態学的妥当性が問題になる
3、調査法(質問紙法)
・質問紙を配布し、被調査者が内省しながら回答することで、被調査者のデータを得る手法
・大人数に実施することが可能で、結果統計的優位も得られやすい
・ 因果関係の検証が困難とされているが、不可能ではない。
・1つの質問で2つの内容を聞いてしまっているダブルバーレル質問(「母は強くて優しい」など)や、文章として意味を成していない質問は、事前に修正しておくべきである。
・前の質問項目の内容が後の質問項目の内容に影響を与えることをキャリーオーバー効果といい、誘導質問にならないように事前に配慮すべきである
キャリーオーバー(carry-over)は「繰越し」「持越し」「残っているもの」「名残」「影響」という意味があります。よくCMなどで聞く、宝くじの「キャリーオーバー」とは、前開催回から繰り越された配当金のことで、1等当せんが出なかった場合や、当せんが出ても配当金が余った場合、その配当金は次回の1等配当金に繰り越されます。この意味が理解できていれば、キャリーオーバー効果も覚えやすいですよね!
・調査法は、被調査者の現実自己よりも理想自己が反映されやすく、社会的望ましさの影響を受けやすいため、結果の妥当性が疑わしい場合がある
・質問紙検査における「一貫性」とは、同一特性を測定する複数の検査項目の得点が一致していること、つまり項目間のばらつきが少なく、同じくらいの得点になること。これはa係数を指標とする「信頼性」として確認される
・a係数は計算の原理上、同一特性を測定する検査項目の数が多いほど、高い値になりやすくなる
・ 質問紙検査における「安定性」とは、複数回の測定値が一致していること、つまり何回測定しても同じ位の得点になることである。これを直接確認する方法が「再検査法」で実験の検査得点の相関性が高ければ安定性が高いとみなし、その相関係数を持って「信頼性」の指標とする
4、観察法
・調査者自身が調査対象の諸要素について、直接観察して把握する手法
・観察は、観察対象者の仕草や表情など、数値化・言語化困難な情報を得られやすい反面、解釈には観察者のバイアス(歪み)が混入しやすいので、注意する。
・自然観察法:ありのままの対象者の姿(環境を統制せず自然状態の行動)を観察する
・実験観察法:観察者が状況に手を加え、意図的に設定した場面(統制された環境下での刺激)に対してどう行動するかを観察する。実験的観察法の代表例が、愛着測定のストレンジ・シチュエーション法
・現象をあるがままに見ることはできない
実験観察法 | 自然観察法 | |
生態学的妥当性 | 低い | 高い |
因果関係 | 証明が目的 | 見いだせない |
定量化 | できる | 難しい |
観察の視点 | 手を加える | 手を加えない |
観察者のバイアス | 入りにくい | 入りやすい |
実験観察法ならば研究者が研究対象に関与せず(二重盲検査)、観察内容も標的の行動だけなので、バイアスが入りにくいですが、自然観察法は研究者自身が環境の一部として参与し、行動の解釈も研究者に任される部分が大きいので、観察者のバイアスが入りやすいよ!
・行動描写法:行動の記録方法の一種で、特定の状況に置いて生じる行動全てを対象とし、時間の経過に沿って客観的に記述する方法
・行動目録法:観察対象者に起こりそうな行動の一覧表を用意し、観察結果を記録する方法
・時間見本法:一定の時刻・時間帯を選んで観察する方法
・場面見本法:サンプリング方法の一種で、特定の場面をサンプルとし、その場所を選んで観察する方法
・事象見本法:ある特定の行動に焦点化し、生起ー経過ー結果を観察する方法
・日誌法:サンプリング方法の一種で、特定個人のサンプルとし、個人の行動の流れを記録する方法
・観察者のバイアスを防ぐために、複数の観察者によって、行動の分類や評定が一致するか検討することが求められる
5、面接法
・構造化面接、非構造化面接、半構造化面接の3種類
・面接データを文字にして書き起こしたものをトランスクリプトという
・得られたデータを吸う数量化することが難しく、統計的な処理に向かない
6、実践的研究法
・エビデンスベイスト・アプローチ:科学的な知見(エビデンス)を基に心理実践を行うこと
【質的研究】
⇨数量化処理せず、収集時の情報を保ったまま記述データとして分析する研究
⇨現象を理解するための新たな概念や理論を構築することを目的として行われる
⇨データ収集と仮説検証が同時に進められることが多い
⇨代表的手法としてグラウンデッド・セオリー・アプローチや、シークエンス分析(ディスコース分析、会話分析)がある
グラウンデッド・セオリー・アプローチ:社会的現象においてデータの収集と分析を通じてデータに根ざした理論の生成を目指すもの。
シークエンス分析:得られたデータに、様々な方向のつながりや関係性を見出して行こうとする
→会話分析:語り手(インタビュアー)と聞き手(インタビュイー)のやりとりについて注目する分析手法です。語り手が語る内容よりも、会話がどのようなルールで進んでいっているのかなどを分析します。話し順や、誰が主導権を握っているのか、誰からどのようなタイミングで割り込みがあったのかなどが、分析対象になります。
→ディスコース分析:語りを、その人の内面的な部分の表現として捉えるだけではなく、社会や文化といった文脈の中で生じてくるものとして捉えます。語りは、異なる社会文化的な状況の中では、異なる意味付けが行われます。
【量的研究】
・収集した情報を数量化処理して分析する研究
・事前に明確な仮説を立て、その仮説に関連したデータを集めて数量化し、それらを分析して仮説が支持されるか否かを検討する
・仮説検証で用いられることが多い
◎心理実践の現場を質的研究として扱い仮説を構築し、構築された仮説を量的研究として検証する方法は、実践的研究の1つの形
□心理学で用いられる統計手法
7、分散分析
・3群以上の平均値に、有意差が認められるかを検証する手法
・分散分析だけでは有意差があるか否かしかわからないので、有意差の数と場所を特定するための多重比較が必要となる
・2要因の場合は、複数の要因の組み合わせの効果である交互作用をみる
・2群の平均値の差の検定ならば、t検定を用いる。
【t検定】
・2群の平均値の差が大きければ大きいほど、検定統計量として算出されるt値の絶対値が大きくなる。 そして算出されるt値が大きいと言う事は、そもそもその2群が同じ母集団に由来しない、つまり2群は異なる母集団に由来する可能性が高いとみなすことができる
・ 自由度が小さい(つまりサンプルの人数が少ない)場合には、偶発的な要素によって大きなt値が算出される確率が高く、逆に自由度が大きい(サンプルの人数が多い)場合には偶発的に大きなt値が算出される確率は低い
・1要因分散分析では、「母集団において各水準の平均値が等しい」ことを帰無仮説として、標本における得点性、誤差だけで生じた確率を求める。
8、因子分析
・測定された変数(観測変数)の背後にある因子を発見する分析。測定された変数の整理・圧縮に用いられる
例:様々な 性格を表す語について因子分析を行ったところ、外向性・調和性・勤勉性・開放性・神経症傾向に5因子が発見された。
・因子が観測変数に与える「重み」は因子負荷量という値で表される。因子負荷量は、因子が観測変数に影響を与えている程度を表す値とも言える
・因子負荷量の算出にあたり、直交回転、斜交回転といった操作がなされる
・直交回転:因子間相関なし。代表的な方法はバリマックス回転
覚え方(好みのタイプのようなイメージ):家に直行(直交)する人はバリマックスでない(因子間相関)。
・斜交回転:因子間相関あり。代表的な方法はプロマックス回転。
覚え方(好みのタイプのようなイメージ):社交(斜交)的な人はあり(因子間相関)。プロだし、マックス燃えるね。
・キャッテルは、数多くの性格語を因子分析を用いて16特性にまとめた。以降、性格の心理学において、因子分析が重要視されることになった。
・因子分析の計算方法は複数あるが、いずれも観測値間の関連性を相関係数などを用いて処理していくため、四則演算が必要。そのため、四則演算が可能な尺度水準のデータを用いる必要がある。そのため、「評定尺度法」は活用できる
評定法の一種で,あらかじめ設定された明確な評価段階に従って,ある特定の事物や事象を判断させる方法。その際用いられる段階的なカテゴリーを評定尺度という。「よい,ややよい,普通,やや悪い,悪い」「甲,乙,丙,…」「A,B,C,…」「+3,+2,+1,…」など5~9段階の等級が多く用いられる。
出典:評定尺度法(コトバンク)
9、重回帰分析
・ 回帰分析とは、説明変数(予測変数、独立変数とも呼ぶ)を用いて、基準変数(目的変数、従属変数とも呼ぶ)の値を予測することを目的とする分析であり、説明変数の1つの場合は「単回帰分析」、複数の場合は「重回帰分析」と呼ばれる
・心理学の研究においては、各独立変数の「重み」である標準編回帰係数を用いて、各独立変数が従属変数に与える影響力を比較する目的で使われることが多い。
重回帰分析は「説明変数」と「基準変数」の関連の強さを「標準編回帰係数」で表しています!
・予測値と実測値(基準変数)との相関係数は、重相関係数と呼ばれる。重相関係数の2乗は重決定係数と呼ばれ、モデルの評価に用いられる
10、多変量解析
・複数の変数を同時に解析することで、変数間の構造や特徴を探る手法の総称
・代表的な多変量解析に、因子分析、重回帰分析、共分散構造分析などがある
11、構造方程式モデリング
・複数の変数から導かれる因果モデルを構築し、その適合度を探る統計手法。構成概念間の因果関係を分析する際に有用
・複数の変数の関係を図で表したものをパス図という
12、テスト理論
・信頼性:測定結果の安定性、誤差の少なさ。
【主な測定法・信頼性】
・再テスト法:同集団に、同テストを一定間隔置いて2回実施し、2回の得点間の相関係数を算出する方法
・平行テスト法:同集団に、形式・難易度・内容などが全く等質な2つのテストを同時に実施し、2つのテスト間の相関係数を算出する方法
・折半法:1つのテストをなるべく等質な2群に折半し、両者の得点間の相関係数を算出する方法
・クロンバックのα係数:内的整合性による信頼性の指標。0-1で表され、目安として0,7以上が求められる。内的整合性とは、テストに含まれる項目全体が同一の心理的特性に対する測定を実現しているかどうかを表す概念。「内的整合性が高い=誤差が少ない=信頼性が高い」と考えられる
信頼性の測定法 | 利点 | 欠点 |
再テスト法 | 直感的理解が容易 | 記憶や学習、時間経過の影響 |
平行テスト法 | 再テスト法の欠点解消 | テストを作成する困難さ |
折半法 | 平行テスト法の欠点解消 | 等質な2群に折半する困難さ |
クロンバックのα係数 | 折半法の欠点解消 | 計算の困難さ |
・妥当性:測定結果の的確性
【3つの視点・妥当性】
・内容的妥当性:測定結果に関する内容を漏れなく網羅できているか
・基準関連妥当性:関連が予測される外的基準と、どの程度関連しているか
・構成概念妥当性:測定する構成概念が、どの程度適切に測定されているか
13、メタ分析
・ある介入法に関する複数の効果研究について、実験群(介入群)と統制群(対照群)との症状などの平均値の差異を標準化して効果量を算出し、集約する方法。
つまりメタ分析とは、複数の研究の結果を結合する際に用いられる分析のことです!
・複数の 論文を統計的に集約するために、効果量を用いる
【効果量=(実験群の平均値−統制群の平均値)/統制群の標準偏差】
□統計に関する基礎知識
14、尺度水準
・ 測定値が表現する情報の性質に基づき、数学・統計学的に分類する基準。比率尺度、間隔尺度、順序尺度、名義尺度の4つに分類される
・ 比率尺度、感覚尺度:測定のための量的変数
・順序尺度、名義尺度:分類のための質的変数
・ 量的変数:0が無であることを示す(絶対原点)場合は比率尺度、0が無を表すわけではない場合は間隔尺度
・質的変数:大小関係があるものが順序尺度、ないものが名義尺度
15、度数分布
・ データの個数(度数)についてまとめたもの。
⇨量的変数の度数分布表をグラフ化したものは、ヒストグラム
⇨質的変数の場合は棒グラフを用いる。
16、代表値
・ データの特徴を表す値の総称。 平均値、中央値、最頻値の3つがある。
・ 平均値: データの値の総和÷度数(人数)。分布の重心を表す。
・中央値: 値を小さい方から並べた際、度数を2等分する値。度数が偶数個である場合は、中央2数の平均を取る。
・ 最頻値: 度数が最も多い値。
例題: 1、2、2、2、4、6、10、12、14、20
平均値: 73 ÷ 10 = 7.3
中央値: 中央2数 は4と6なので、平均で5
最頻値: もっとも度数が多いのは2
となります!
17、 散布度
・ データの値の散らばりを表す値
・ 平均値に対しては標準偏差が、中央値に対しては、四分位偏差が散布度として用いられる
・ 正規分布である場合、全体の約68.3%が平均±標準偏差の範囲に含まれる
18、相関係数
・ 2数間の 関連の強さを表した値
・ − 1から+1の範囲で表され、±1に近いほど関連は強く、ゼロに近いほど関連は弱い
・ 相関係数だけでは、因果関係を表すことができない
19、仮説検定
・ 標本(1部)から母集団(全体)を推定する際に用いられる手法の総称
・ 母集団から標本を抽出する際には、無作為抽出が求められる。無作為抽出とは、母集団の特徴が標本にそのまま反映されるよう、偏りなく標本抽出すること
・ 標本抽出後、「差がない」「効果を持たない」という帰無仮説を設定した上で、その仮説が真であるときに標本の状況が起こる確率を求める。この確率が、あらかじめ定めた有意水準を上回るか否かを検定する。
・「帰無仮説が真であるときに標本の状況が起こる確率」が有意水準以下の低確率ならば、帰無仮説は棄却。帰無仮説が棄却されるため「差がある」「効果がある」と言う結論になる (対立仮説の採択)
・ 偶然起こる確率が有意水準を超え、低確率とは言えないならば、帰無仮説を棄却できない。「差があるかないか、効果があるかないか確定できない」と言う曖昧な結論になる(「帰無仮説を棄却できない=対立仮説の棄却」ではないことに注意)
・ 帰無仮説を棄却するにしても、棄却しないにしても、その判断が誤りである可能性がある。本来真である帰無仮説を棄却する誤りを第一種の誤りと言う。また、本来偽である帰無仮説を棄却しない誤りを第二種の誤りと言う。なお第一種の誤りを犯す確率は、設定した有意水準に等しい。
・ 仮説検定は、標本の大きさ(データ数)が大きいと帰無仮説が棄却されやすくなるため、効果量も検討する必要がある。
20、点推定
・母集団の平均や相関係数などを、標本から単一の値で推定する方法
・ 現実的に母集団の値は測定困難であるため、標本から推定された値が適切であるかどうかを直接的に判断することは難しい。よって、標本の大きさが大きいことにより母集団に近い推定量が得られる(一致推定量)ことなど、理論的に適切さを判断することになる
21、 区間推定
・ 標本から推定される母集団の値を、単一の値ではなく区間で推定する方法
・ 95%信頼区間が【100.0、115.5】 と表現された場合、標本から推定される母集団の値が、95%の確率で100.0から115.5の範囲に存在することを示す
・ 標本の大きさが大きいほど、信頼区間の幅は狭くなる
・ 信頼区間の幅が狭いほど、推定精度が高いことを示す
22、ノンパラメトリック検定
・ 正規分布であることを仮定せずに行う統計分析全般を指す。
・母集団に対して特定の確率分布を仮定しないで行われる検定のこと
質的変数の分析に用いられることが多い。代表的な分析として人数の分布を分析するカイ二乗検定がある。カイ二乗検定では、クロス集計表を分析することが多い。
クロス集計表 | 男 | 女 |
要請する | 40名 | 80名 |
要請しない | 60名 | 20名 |
・ 質的変数間の関連性のことを連関と言う
23、 確率と確率分布
・ 知りたい事柄の高低を横軸に、起こる確率を縦軸にして確率の変化をグラフにしたもの。 例えば、t検定におけるt分布、分散分析におけるF分布が挙げられる。
・ 左右対象で、平均値、中央値、最頻値がすべて同じ値を示す、釣鐘状の確率分布を、正規分布と言う。多くの分析は、確率分布が正規分布であると言う過程のもと行われている(パラメトリック検定)
24、 標本分布
・ 複数回標本抽出した際の、標本平均値の分布のこと
・ 母集団から標本を抽出した場合、母集団の平均値(母平均と)と、標本の平均値が一致するとは限らない。この隔たりを標本誤差と言う。
・ 標本の大きさが大きいほど母集団に近くなるため、標本誤差は小さくなりやすい(標本の大きさとは1つの標本の人数のこと。nで表現される)
・ 母集団がどんな分布であったとしても、標本の大きさが大きいほど、標本分布は正規分布に近づいていく。これを中心極限定理と言う。正規分布は統計分析において重要な役割を担っているため、標本抽出にあたっては、できるだけ標本の大きさを大きくすることが求められる
□1問1答 知識の確認
よければ、知識の整理にお使いください。一応やぶをオリジナル問題です。答えは下にスクロールしていくと書いてあるので、実践的に行いたい方は、1つずつ、答えを見ずに行うのも良いかと思います!
問1、対象者の自然な行動を引き出すために本来の目的を伏せることをデブリーフィングという
問2、調査法とは、質問紙を配布し、被調査者が内省しながら回答することで、被調査者のデータを得る手法である
問3、調査法は、大人数に実施することが可能で、結果の妥当性が得られやすい
問4、1つの質問で2つの内容を聞いてしまっていることをキャリーオーバー効果という
問5、観察は、観察対象者の仕草や表情など、数値化・言語化困難な情報を得られやすい
問6、観察法は、解釈に観察者のバイアス(歪み)が混入することは少ない
問7、自然観察法の代表例が、愛着測定のストレンジ・シチュエーション法である
問8、行動目録法とは、観察対象者に起こりそうな行動の一覧表を用意し、観察結果を記録する方法である
問9、事象見本法とは、ある特定の行動に焦点化し、生起ー経過ー結果を観察する方法である
問10、観察法は、複数の観察者ではなく、なるべく一人の観察者で行うことが求められる
□解答
問1、対象者の自然な行動を引き出すために本来の目的を伏せることをデブリーフィングという
× デブリーフィングではなく、ディセプションである
問2、調査法とは、質問紙を配布し、被調査者が内省しながら回答することで、被調査者のデータを得る手法である
○
問3、調査法は、大人数に実施することが可能で、結果の妥当性が得られやすい
× 妥当性ではなく、統計的優位が得られやすい。調査法は、被調査者の現実自己よりも理想自己が反映されやすく、社会的望ましさの影響を受けやすいため、結果の妥当性が疑わしい場合がある
問4、1つの質問で2つの内容を聞いてしまっていることをキャリーオーバー効果という
× ダブルバーレル質問の説明
問5、観察は、観察対象者の仕草や表情など、数値化・言語化困難な情報を得られやすい
○
問6、観察法は、解釈に観察者のバイアス(歪み)が混入することは少ない
× 観察は、観察対象者の仕草や表情など、数値化・言語化困難な情報を得られやすい反面、解釈には観察者のバイアス(歪み)が混入しやすいので、注意する。
問7、自然観察法の代表例が、愛着測定のストレンジ・シチュエーション法である
× 実験的観察法の代表例
問8、行動目録法とは、観察対象者に起こりそうな行動の一覧表を用意し、観察結果を記録する方法である
○
問9、事象見本法とは、ある特定の行動に焦点化し、生起ー経過ー結果を観察する方法である
○
問10、観察法は、複数の観察者ではなく、なるべく一人の観察者で行うことが求められる
× 観察者のバイアスを防ぐために、複数の観察者によって、行動の分類や評定が一致するか検討することが求められる
□公認心理師試験対策の勉強を移動中や外出中にも手軽にしたい
□ブループリントのキーワードをしっかり覚えたい
□過去問は大体解けるけど本当に理解できているか確かめたい
という方は当サイトをブックマーク登録・またはホーム画面に追加して、隙間時間に勉強できるようにご活用ください!
引用文献↓
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