【自律神経・睡眠・ホルモン】第10章:脳・神経の働き公認心理師国家試験対策【重要キーワード10選】

赤本 公認心理師試験2022

この大項目は出題内容が幅広いですが、優先して抑えたい内容を上げるのであれば「脳の機能局在」です。脳の機能局在も、細部まで調べると限りがないですが、

前頭葉⇨思考、判断、遂行機能、ブローカ野
頭頂葉⇨空間、感覚、
側頭葉⇨記憶、聴覚、ウェルニッケ野
後頭葉⇨視覚、視野
など、最低限のイメージだけ抑えておけば、解ける問題も多いと思います🤓

・過去問中心の勉強で第4回試験を解いて、不安だった箇所を中心にまとめました!
・ブループリントのキーワードから抜粋していますが、全ては網羅していないのでご了承ください!
・過去問中心に勉強したけど大丈夫かな?という方の知識の整理にご活用ください😌

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耳での学習を希望する方は以下のリンクからご活用ください😌

【自律神経・睡眠・ホルモン】第10章:脳・神経の働き公認心理師国家試験対策【重要キーワード10選】
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□脳神経系の構造と機能

1、中枢神経

・中枢神経は脊髄に分かれる

・組織としての構成要素は、情報処理を担うニューロンとその働きをサポートするグリア、血管から構成される

・ニューロンとニューロンの接続部分をシナプスと言い、シナプスの形成が情報伝達を促進する。ニューロン間は直接接触しておらず、わずかな隙間が空いており(シナプス間隙かんげき)、この隙間に神経伝達物質が放出され、次のニューロンに受容されることで情報伝達が行われる

2、末梢神経

・体性神経系と自律神経系に大別される

・ 体性神経系は外部環境との作業に関わり、自律神経系は体内環境をモニターする。

・いずれも中枢神経に情報伝達し、中枢神経の指令で活動する

3、機能局在

○脳幹:生命維持機能(脳幹の機能停止は脳死を意味する)。脳幹の部位の一つである間脳は視床視床下部で構成され、特に視床下部は自律神経の中で、体内環境の維持(ホメオスタシス)に関わる。脳幹の網様体は意識と覚醒に関わる。

○小脳:全般的な不随意運動、姿勢の制御、運動の調整

○大脳

・前頭葉:思考・意思決定・情動の制御

・頭頂葉:感覚情報の統合。前頭葉の運動野と対応して随意運動を制御。

・側頭葉:長期記憶の保持機能

・後頭葉:全般的な視覚機能

○大脳辺縁系

・海馬:記憶痕跡の生成(=記銘)に関わる

・扁桃体:情動の生成に関わる。大脳皮質に保持された過去の記憶痕跡にアクセスして、過去に経験した危険と類似した環境にいる場合、恐怖などの情動を発生させることで警告すると考えられている。PTSDやパニック症など強い不安を主とする病態は、この扁桃体の活動が指摘されている

情動の関わる脳の部位パペッツの情動回路(視床下部、海馬、帯状皮質)

情動麻痺: 突発的な出来事によって情動が一時的に麻痺する状態

・脳は大脳皮質と呼ばれる2-4ミリの層で覆われており、その奥深くに人間の本能行動や情動行動を推進する大脳辺縁系がある。 この中でも特に重要な構成要素が海馬扁桃体である。

運動前野:前頭葉にあり、視覚刺激や体制感覚に誘導され、運動の方向性を誘導する役割を持つ部位

一次運動野: 前頭葉の後部、中心溝の前方にあり、身体各部の筋に信号を出力・コントロールして、体の動きを調節する役割を持つ

視床下部: 体温調整、摂食の調整(摂食・満腹中枢)、水分・ 体液代謝、生殖・性周期の調節、概日周期(がいじつしゅうきサーカディアンリズム)の調節、ストレスへの応答、時計中枢(体内時計)

下垂体: 視床下部の下に位置する内分泌腺で、視床下部の指令を受け、成長ホルモンや副腎皮質刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモンなどを分泌している

視床: 灰白質(神経細胞)の塊。 嗅覚以外の感覚神経を中継し、大脳に届けている。

外側膝状体:視床の後部に位置し、視覚の中継に関わっている

4、自律神経(交感神経・副交感神経)

交感神経・危機的な状況に対して身体活動を活発化
ノルアドレナリン放出(アドレナリン作動性神経)
・エネルギーの消費促進
循環器の機能が促進
消化器の機能が抑制
・心拍や血圧(血液)の上昇(血管拡張)
・呼吸数の増加(気道拡張)
・発汗(汗腺は交感神経系のみ
・瞳孔の散大
副交感神経・身体の休息と回復(エネルギーの貯蔵)
アセチルコリン放出(コリン作動性)
消化器の機能を促進
循環器の機能が抑制
・心拍や血圧の低下
・呼吸数の減少(気道収縮)
・瞳孔の縮小
・涙や鼻水の分泌促進
・消化器官の促進(ぜん道運動・消化液分泌促進)
・食後にはインスリンの分泌促進
グリコーゲン合成・血糖値を下げる

・交感神経は、危機的な状況に対して身体活動を活発化させる役割を担う。循環器の機能も促進させるが、消化器が抑制される。心拍や血圧の上昇、呼吸数の増加、発汗、瞳孔の散大などが起こる。

・交感神経の活動を「闘争か逃走反応」という

・副交感神経は、身体の休息と回復の役割を担う。消化器の機能を促進させるが、循環器が抑制される。心拍や血圧の低下、呼吸数の減少、瞳孔の縮小、消化器官の促進などが起こる

5、睡眠

レム睡眠・熟睡状態になった後に出現する覚醒時に近い脳波
・眼球がキョロキョロ動いたり、手足が痙攣したりする
・呼吸や脈拍が増加
・血圧はノンレム睡眠の時に比べて少し高い
・夢を見ているのではないかという説が有力
統合失調症患者は眼球運動が乏しい
逆説睡眠と呼ばれる
・ 体中の力が抜けた状態であり金縛りを経験する
ノンレム睡眠・熟睡時の脳波が出現し、脳を休息させている睡眠状態
・ 脳波の現れ方によって4段階の深さに分類される

・熟睡状態になった後、覚醒時に近い脳波が出現することがある。このような睡眠状態をレム睡眠という。眼球がキョロキョロ動いたり、手足が痙攣したりする。レム睡眠中に夢を見ているのではないかという説が有力である。統合失調症患者は眼球運動が乏しいことが知られている

・レム睡眠に対し、熟睡時の脳波が出現し、脳を休息させている睡眠状態をノンレム睡眠という

・脳の活動水準は一定周期で変化し、これをバイオリズムという。睡眠にもバイオリズムは存在し、レム睡眠とノンレム睡眠は合計して約90分の周期になっている(個人差はあるが、目安としてレム睡眠20分、ノンレム睡眠70分)

概日リズム睡眠障害

睡眠相遅延症候群: 就寝時間が遅くなり、 明け方まで寝付けず、眠ると昼まで起きれない

睡眠相前進症候群: 夕方に眠くなる

6、サーカディアンリズム

・一日24時間(25時間という説もあり)の体内時計であるサーカディアンリズムが、眠りと目覚めのリズムを作り出している。

・時差ぼけや不規則な生活習慣が心身の不調を招くのは、サーカディアンリズムの乱れであるとも考えられる

7、神経伝達物質

・ニューロンからニューロンに情報が伝達される際、前シナプスから後シナプスの受容体(レセプター)に向けて放出される化学物質のこと

うつ病に対しセロトニンの伝達異常が、統合失調症に対しドパミンの過剰分泌が疑われるなど、神経伝達物質の異常は心の問題の原因となり得る

メラトニンは松果体より分泌されるホルモンで、昼間は少なく夜間睡眠時に分泌が上昇し、睡眠覚醒リズムの調節に重要な役割を果たしている

グルタミン酸: 興奮性神経伝達物質で、うま味のもとになります。 生体内では多くのアミノ酸がグルタミン酸をもとに合成されます。 

・ 活動電位は、軸索を通して標的に送られる

有髄線維は、無髄線維より活動電位の伝達速度が速い

「 全か無かの法則」「 1つの神経細胞における個々の活動でんいの大きさは刺激の強さにかかわらず一定である」という活動電位の発生に関する法則

【摂食行動を制御する分子】

グレリン・空腹時に血中濃度が上昇
・食欲を促進
・ 肥満症者:血中濃度が低い
・痩せている人:血中濃度が高い
レプチン ・食欲を抑制
・ 脂肪細胞で産出される
・ 肥満症:多く放出される
⇨受容体の機能が落ち、作用が現れにくい
⇨食欲が抑制されない
⇨肥満が促進する
オレキシン 覚醒水準の維持・食欲の亢進
 摂食行動を制御する分子

ミラーニューロン:他者の行動を観察したときに反応する神経細胞で、行動の模倣を発生させるプロセスに関わっている。ミラーニューロンを使用して模倣を成立させるシステムはミラーシステムと呼ばれ、このシステムが共感性や他者理解などの感情反応にも関わる神経回路として想定されている。

□記憶、感情などの生理学的反応の機序

8、意識

・ 意識は覚醒状態の維持と同義であり、基盤として脳幹網様体が中心的な役割を果たす

・人間の情報処理は、無意識的に行われる場合と意識的に行われる場合で、異なった神経回路が関与することで明らかになってきている

無意識的で素早い認知処理サブリミナル(閾下処理)という。意識的な処理はサブリミナルの素早いサポートがあって成立している。

例えば、 自分にとって必要な音だけを選択的に聞き取ることができるカクテルパーティ効果は、サブリミナルによって無意識的に必要な音が素早く選別され、その後、選別された音の内容を意識的過程が意味処理するという形で成立しています

9、記憶

・海馬はエピソード記憶に、大脳が意味記憶に、前頭連合野はリハーサルや意思的な想起を含む宣言的記憶の操作に重要な役割を果たしている

健忘とは、宣言的記憶が選択的に著しく障害されている状態のこと

・記憶障害は、病変部位によって状態像が異なる。側頭葉性健忘(アルツハイマー型認知症など)、前脳基底部健忘(脳卒中など)、間脳性健忘(コルサコフ症候群など)が挙げられる

コルサコフ症候群アルコール依存などでビタミンB1不足になることで起こるウェルニッケ脳症の症状として現れる記憶障害。 新たな情報を記銘することが困難となるが、過去の記憶は保持できている。頭部外傷・脳卒中などが原因で起こることもある。

10、脳波

ベータ波(β波)14Hz以上興奮時
アルファ波(α波)8-13Hz以上安静時・ 閉眼時に優勢になる
シータ波(θ波)4-7Hz以上睡眠時・レム睡眠時・認知症患者は覚醒時も・老化で増加
デルタ波(δ波)3Hz以下熟睡時・ノンレム睡眠時・新生児は覚醒時も
脳波のまとめ

・新生児は覚醒時でもデルタ波が中心で、発達に伴ってシータ波アルファ波が現れるようになってくる

・眠りが深くなり脳の活動水準が低下するほど、脳波の振幅が大きくなり、速度が遅くなっていく

レム睡眠時シータ波が、ノンレム睡眠時デルタ波が多く見られる

認知症患者は覚醒時でも、シータ波が多く見られることが報告されている

・ α波の抑制は開眼・精神活動による

・ 事象関連電位とは、知覚的処理、注意、運動、記憶など特定の認知活動に伴う脳の電気活動を計測したもののこと(脳波など)

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・この記事は赤本 公認心理師国試対策2022 (KS心理学専門書) を用いて要約しています。

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