1、MMPIの開発者・概要
・Hathaway,S.R(ハサウェイ)と Mckinley,J.C.(マッキンリー)が開発した質問紙法パーソナリティ検査
・550の項目があり、4つの妥当性尺度(?、L、F、K)と10の臨床尺度(Hs、D、Hy、Pd、Mf、Pa、Pt、Sc、Ma、Si)が基本的な尺度として設けられている。
・点数は全てT得点(標準得点)で表され、平均値が50点、標準偏差が10点で標準化されている
MMPIは質問紙法の性格検査!というのをとりあえず覚えましょう!
2、4つの妥当性尺度
・?尺度(疑問点):被験者が「どちらともいえない」と答えた項目の数を表しており、これが多い場合(9以下にするよう求められているが、それを超える場合)は妥当性が疑わしくなるため、判定の中止、あるいは再検査を検討する必要がある。
・L尺度(虚構点):Lはうそ(Lie)を表し、社会的には望ましいが実際には困難で、被験者が自分を好ましく見せようとする傾向を示唆する。
・F尺度(妥当性点)正常な成人においては出現率の低い(通常出現率が10%以下の項目)回答をした数を表しており、風変わりな回答(検査への真摯な態度の欠落)や自分を悪く見せよう(自分の苦しさを誇張する)とする傾向が現れる。
・K尺度(修正点)自己に対する評価、検査に対する警戒の程度を調べるもので、これが高いほど自己防衛の態度が高いといえる。低得点の場合は自己卑下的とされる。また自己に対する評価、検査に対する警戒による回答の歪みを修正するための点数としても扱われる。
?尺度→どちらとも言えない❓な感じ
L尺度→うそ(Lie)をついてる
F尺度→風(F U)変わりな自分を演じて悪く見せる
K尺度→警(KEI)戒心が強め
のように、僕は頭文字のアルファベットを利用して覚えています☺️
3、10個の臨床尺度
①Hs(心気症)
→ 高得点:心気的、身体不調を訴えることによる他者操作
→ 低得点:楽天的
②D(抑うつ)
→ 高得点:抑うつ
→ 低得点:社交的
③ Hy(ヒステリー)
→ 高得点:身体症状による責任回避,洞察欠如
→ 低得点:萎縮して周囲に同調的
④ Pd(精神病質的偏倚)
→ 高得点:反社会的または非社会的な犯行と敵意(サイコパス)
→ 受動的・同調的
⑤ Mf(男性性・女性性)
→ 高得点:男性 女性的な性格や態度,受動的で主張性が乏しい
女性 女性らしさにこだわらない
→ 低得点:男性 男性らしさへの自信のなさから“男らしい男”にこだわる
女性 “女らしい女”にこだわる
Mf尺度はジェンダーとしての男性性及び女性性の高さを測定しており、性別により解釈基準が異なります
⑥ Pa(パラノイア)
→ 高得点:猜疑心や独善傾向
→ 低得点:適応的か,対人的に過敏かどちらか
⑦ Pt(精神衰弱)*恐怖や強迫傾向の指標
→ 高得点:緊張感・不安感が強い
→ 低得点:情緒安定,自分に満足
⑧ Sc(統合失調)
→ 高得点:奇妙で風変わり,疎外感
→ 低得点:現実的
⑨ Ma(軽躁)
→ 高得点:活動性が高い
→ 低得点:活動性が乏しい
(0)Si(社会的内向)
→ 高得点:内向的
→ 低得点:社交的
*他に、数百にもおよぶ追加尺度が開発されている。
・誤解を招きやすい疾患名を冠した臨床尺度は、現在、尺度番号(第1尺度~第0尺度)を使用するようになっている。
完璧に暗記しなくとも、イメージは頭に入れておくと良いですかね🤓
4、MMPIの特徴・適応年齢・回答方法
・日本でよく用いられる心理検査にロールシャッハ・テストがあるが、MMPIは実施・解釈がより客観的で、患者の負担もより少ない。
・適用対象は、「15歳以上の、小学校卒業程度以上の読解力を有する人」
・550項目の文章に対し、「当てはまる」か「当てはまらない」かを回答してもらう。
*基本的には2件法だが、「どちらともいえない」という回答も許容されている。
・回答の仕方は単純だが、質問数が多く、1時間以上かかる
質問数は多いですが、負担は少ないというイメージで覚えておくと良いですかね😌
公認心理師によく出る他の検査についても理解したい方はこちらをどうぞ

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