・ブループリントを中心に公認心理師試験に頻発する用語を中心にまとめました
・マークシートなので、知識の再生(何もないところから思い出す)ができなくても、最低限再認(見ると思い出せる)ができることが重要だと思います😃
・感情は特に混乱しやすい部分なので、知識の整理に役立てば幸いです!
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この大項目は、比較的偏りがなく出題されていますが、多く 出題されているキーワードは「パーソナリティー障害」になります。ですが、特定のキーワードに限定せずに、幅広く内容を押さえておきましょう。
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□感情に関する理論と感情喚起の機序
1、感情に関する神経科学
・ 扁桃体: 恐怖情動の発言に中心的役割を果たす
・視床下部: 交感神経、副交感神経系の機能により睡眠欲求、摂食行動など生命維持活動の中枢として働く
・視床下部の興奮によって感情(情動)やその感情に伴う身体反応が生起するという説をキャノン・バード説(中枢起源説)という。
・身体反応が情動の生起に先行する説は、ジェームズ・ランゲ説(末梢起源説)という
キャノン・バード説(中枢起源説) | 視床下部の興奮(情動)⇨身体反応 |
ジェームズ・ランゲ説(末梢起源説) | 身体反応⇨情動の生起 |
・ 島皮質: 痛みや内臓感覚の不快感、渇望や怪我などの衝動を処理・統合することで、感情の基礎となる情報を見出している
・ 前頭前野腹内側部: 感情価値、文脈、目標に応じて調節する機能を持つ
・ 扁桃体は感情関連行動(闘争か逃走反応、すくみ、表情など)を生じさせる。前頭前野腹内側部は、刺激が置かれた状況や文脈に基づいて、扁桃体の働きを抑制的に制御している。
・刺激が直接扁桃体に送られ、反射的に感情や行動が起こる回路を低次回路、刺激が情報処理された後に扁桃体に送られる回路を高次回路という。
例 動く物体を見て反射的に危険を感じる⇨低次回路
動く物体が何なのか判断した上で恐怖や不安を感じる⇨高次回路
2、認知的評価理論
・刺激に対する脅威と対処(コーピング)可能性によって感情の質や強さが決定するラザルスによる説
例えば、他者から無視される状況が脅威でなければ、否定的な感情は生まれない。他者から無視される状況が脅威であり、その状況にどう対処したらよいかわからない場合、否定的な感情が生じ、ストレス状態になりやすいということです。
3、構成主義理論
・心理構成主義:コア・アフェクト(身体に生じる原始的感覚)に対する個人の認知によって感情状態が決定されるという説。 同じコア・アフェクトでも、個人の認知によって感情状態が異なる可能性を想定する
・社会構成主義:個人の感情は、属する文化特有の感情概念や感情語に規定されるという説。同じ状況・状態であっても、所属する文化や交流してきた社会によって、感情状態が異なることを想定する。
例えば、「甘え」というのは日本人特有の感情だそうです。(土居健朗が指摘した)つまり、 感情経験はその人の背景にある文化や言語の影響を受けるという考えです。
日本人は相互協調的自己観を有しており、他者への気遣いなどが強いため、笑顔を見せるが、怒りなどの否定的表情や、誇りのような自己顕示的な表情は現れにくいとされています。
4、次元論
・感情を2次元または3次元の空間に布置する説。Russell、J.A.の円環モデルによれば、「快ー不快」と「覚醒ー睡眠」の2次元の組み合わせで、全ての感情を説明する。(感情の2要因理論)
・ 複数の種類に区別される基本感情ではなく、連続的に変化するスペクトラムであると想定する
・この2次元から捉えられる原始的感覚は、コア・アフェクトと呼ばれ、感情の心理的構成主義へと発展していく
5、基本感情論
・喜び、恐れ、驚き、嫌悪、怒り、悲しみの6つはエクマンの基本感情と呼ばれる
・ 基本感情がそれぞれの感情が、他と明確に区別できる特異的な生理的反応や表情のパターンを持っている。
例えば、悲しみの感情は、主に左扁桃体と右側頭葉の活動があり、涙を流して顔をしかめるなどの表情の表出が見られます。
・基本感情は生得的に備わっているとされ、基本感情により生じる表出や認知は、各民族・各文化を超えて普遍的なものであると考えられている
・ エクマンらの研究は感情表出の仕方に文化差があることを明らかにし、その文化差を説明する概念として文化的表示規則の存在を提唱している
6、感情の進化
・「感情が進化する」とは、感情を持つことが進化の過程で適応度が高くなり、感情システムが集団内に広まったことを意味する
例えば、危険な生物や環境に対して不安や恐怖を感じる事は、生存に有利に働き、適応度が高くなったことを意味します。
・アージ理論: 感情は自然界において生存を保証するための適応的反応として構築されてきたシステムであるという考え。戸田正直が提唱。
・ 感情について、初めて科学的な研究を行ったのはダーウィンであり、人の感情と動物の感情には近似性があるとした
・種を越えて類似した感情を持つことを、感情の種間近似性という
例えば、チンパンジーの感情表出は人と類似していることが知られており、チンパンジーの感情システムが人と同様に進化的に獲得されたためと考えられています。
・文化的あるいは環境的要因を越えて、同じ種で感情とその表出が普遍的に認められることを、感情の種内共通性という。これは感情システムが進化的に獲得され、種に遺伝的に組み込まれていることを意味する
7、感情の機能
・ソマティック・マーカー仮説:心臓がドキドキするなど、身体反応を伴う情動が意思決定に有用な影響を与えるという説。 ダマシオが提唱。 感情と論理的判断の関係についての仮説であり、外的刺激に対する反射的な感情反応が前頭葉に影響を与え、刺激に対する快・不快の認知が成立し、その認知に従う論理的判断が行われると言う
・ 愛情は援助やサポートを動機づけて、包括的適応度を高めると考えられている
包括適応度とは、自分だけでなく血縁者も含めて遺伝子が次世代に伝えられる確率のこと。自分が子供を残さなくても、血縁者をサポートすることで包括適応度を上昇させることができます。
8、感情、情動、気分
・ 感情は、その強さや持続時間によって情動と気分に分類できる
・急激に発生し、持続時間が短い感情のことを情動と呼ぶ。
・弱いが持続的に続く感情のことを気分と呼ぶ
□感情が行動に及ぼす影響
9、感情と表出行動、感情と認知
・表情フィードバック仮説:表情筋に関わる神経情報が脳にフィードバックすることで主観的感情が生まれること。トムキンスが提唱した。 抹消起源説を発展させたもの。
・気分一致効果: ポジティブな気分の時はポジティブな感情が生じやすく、ネガティブな気分の時はネガティブな感情が生じやすいこと
・情動の2要因理論:情動が、生理的喚起(覚醒状態)と認知的要素の2要因で決定されるというシャクターの説。吊り橋効果などもこの理論で説明できる。吊り橋を渡った事による生理的喚起を、目の前の女性の魅力と帰属錯誤してしまうのである。 刺激に対する認知と身体的関係の相互作用として主観的体験としての感情が発生するとされる。 有名なアドレナリン実験がある。
・期待ー価値理論: 行動は、その行動の結果によって生まれる価値と、それに対する期待によって決まると言う理論。期待も価値も、生得的ではなく、認知体験によって左右されるものと考えられる
期待は「できそう」という思いで、価値は「できるのは良いことだ」と考えることであり、期待×価値によって動機付けがされるということです。アトキンソンが提唱しました!
わかりやすい記事をリンクしておきます⇨期待価値理論とは?スポーツ心理学の観点から子どものやる気を高めるメカニズムを解説
・認知ー感情システム理論: ミシェルとショウダの認知感情処理システムモデルでは、感情的処理を行うシステムと認知的処理を行うシステムの2つを想定している
・パーソナル・コンストラクト理論: 人間の認知システムを「コンストラクト・システム」と呼んでいる。システムには人間が感覚器官を通じて知覚した世界を認知する単位が複数あり、この単位を組み合わせたり上位システムに委譲したり、と言う認知プロセスを想定している
・ザイアンスは単純接触効果の研究を通じ、刺激に対する認知が生じなくても感情が発生することなどを根拠に、感情と認知は独立したシステムであるとした
・マズローの欲求階層説: 人間の欲求にヒエラルキーがあると仮定し、人間の行動を規定する強さを順位づけした理論。 理論では、動物的で程度が低いが強大な欲求から、人間独自の高度な欲求まで、5段階のヒエラルキー構造の存在を述べており、下位の階層の欲求がある程度満たされないと、上位の欲求は機能しないとされる。 階層は下位から順に①生理的欲求②安全の欲求③所属と愛の欲求④自尊・承認の欲求⑤自己実現の欲求である
・音楽による気分誘導法: 長調の音楽は楽しい気分、短調の音楽は悲しい気分を誘導しやすいことが知られる
10、感情の発達、感情の個人差
・生後1年頃から、養育者が近づくと泣き声を大きくするなどの感情表出量の調節が可能となる
・照れ、はにかみ、羞恥、恥、屈辱感、罪悪感、対人的負債間、誇り、思い上がりなどの感情は、他者の評価をもとに自己評価を行なった結果生じるため、自己評価的感情と呼ばれる。対して嫉妬や妬みなどは社会的比較感情と呼ばれる。これらの感情は、基本感情より後の1歳後半から2歳以降に発達する。
・幼児期頃から、ポーカーフェイスのような感情の中性化が可能となる。
・児童期頃から、ネガティブな感情状態でもポジティブな表情を作るなどの表出抑制が可能となる
・一次感情: 生後半年ごろまでに、充足・満足からは「喜び」が、苦痛からは「悲しみ」「嫌悪」が、さらに嫌悪から「怒り」「恐れ」が発生すること。 出生時に存在する感情は「充足・満足」「苦痛」「興味」の3種類
・二次感情:満2歳ごろから顕著になり始める、他者の知覚や他者評価によって生じる感情。「誇り」や「罪悪感」は満3歳前後に現れる
エリクソンのライフサイクル論でも、罪悪感は3-6歳の幼児後期に出現するとされており、合致していますね。合わせて復習しておきましょう!
11、感情と心身の健康
・自分の感情や葛藤に対する言語化が困難(アレキシサイミア)である場合、感情が身体症状として表出されやすい(心身症)
・ フリードマンは、心筋梗塞になりやすいパーソナリティーとしてタイプA型行動パターンを上げた。タイプA型行動パターンとは、高い野心(自己評価・地位への執着)、競争心、請求者、攻撃的、敵対的行動、時間的切迫感(せっかち・精力的活動)などの行動パターンである
・ タイプA型行動パターンのものは交感神経系の反応が高く、喫煙、不健康な食生活を有することが報告されており、それが心筋梗塞のリスク要因となっているとされる。ただし、行動パターンを変容させる介入(認知行動療法)により心筋梗塞の再発率が統制群の約半分になったと言う報告もある
・ 複数の特徴のうち、「敵意・行動」が心筋梗塞発症の最も強いリスク要因である
タイプAパーソナリティ:競争心が強く、活動的。心疾患になりやすい
タイプBパーソナリティ:感情のバランスが良く、最も健全な性格タイプ
タイプCパーソナリティ:対立を避けて調和を求める。がんの発症との関連が指摘される
タイプDパーソナリティ:否定的かつ感情表出が困難。ストレスを受けやすく、うつ、肥満、心疾患のリスクが高い
12、動機付け
・不安は危険を回避する行動の動機付けを、恐れは逃走への動機付けを高める。このように、感情が様々な行動や体験と関連づけられていることを感情ネットワークモデルという。
・ 感情が喚起されると、その感情に関連付いた行動や体験が活性化することで、判断や記憶などの処理が促進される
13、感情と情報処理
・感情プライミングのように感情によって認知情報処理が促進される場合もあれば、感情ストループのように感情によって認知的情報処理が抑制される場合もある
・感情プライミング:表情や行動など、感情を伴った先行刺激の処理により、後続刺激の処理が促進され、判断が早くなったり記憶の成績が良くなったりすること。気分一致効果は感情プライミングの一例
・感情ストループ:青色で「絶望」と表記されるなど、ネガティブな感情を引き起こす言葉の場合、文字の色を答えるまでの処理時間が長くなることを指す
・ネガティブな感情の1つである抑うつは、必ずしも気分一致効果が見られていない。これは、ネガティブな気分の時は、そもそも自発的な認知情報処理が抑制されているためだと考えられている。
・拡張ー形成理論: ポジティブな感情経験がポジティブな思考・行為レパートリーを増大させ、それによって個人的資源が構築されるため、向上へのスパイラルが生じるとされる。フレデリクソンが提唱。
・感情入力説: 状況によって感情の意味や及ぼす影響が異なることを示した説
・認知容量説: 感情により認知容量が節約されて認知処理が促進されたり、認知的な負荷によって認知処理が抑制されたりする説
・感情混入モデル: 目の前の状況や目標に対して、感情の混入(影響)具合が異なる4種類の処理方略(直接アクセス処理、動機充足処理、ヒューリスティック処理、実質的処理)を主体的に使い分けると言う説
・感情情報機能説: 感情が適応に関する情報を提供する機能を持つと言う説。
例えば、ポジティブな感情が生じる場合、現在の状況が適応的であることを示しており、ネガティブな感情が生じる場合は、現在の状況が適応的ではないことを示しています!
・ 感情ネットワークモデル: 感情が様々な知識や体験と結びつけられていること
例えば喜びが起こると、喜びに関連した知識や体験が活性化し、怒りが起こると怒りに関連した知識や体験が活性化する
□人格の概念及び形成過程
14、パーソナリティ、性格
・性格とは、個人の行動の中に特徴的に見られる一貫性・安定性のことである
・パーソナリティとは、広い意味での個人の一貫性のことである。「性格」のように特定の行動様式の一貫性を示すだけでなく、その個人の知能・思考・興味・感情傾向・価値観などを全て包括する、総合的な「その人らしさ」を表現する用語。
15、気質
・ パーソナリティーの生得的側面
・ ニューヨーク縦断研究の結果、子供の気質は9つあり、これが基になり4タイプに分類された
【9つの気質】
① 活動水準: 活発さ
② 規則性: 睡眠、食事、トイレなど
③ 接近・回避: 新しいことへの反応(近づくか、逃げるか)
④ 順応性: 適応力
⑤ 反応強度: 外、内刺激に対する反応の強さ
⑥ 反応閾値: 行動開始までの刺激の閾値
⑦ 機嫌: 快・不快刺激の感じやすさや表現力
⑧ 気の散りやすさ: 外的刺激によって行動が左右されやすい傾向
⑨ 粘り強さ: 1つのことに注意するか複数のことか。持続時間と妨害されたときの執着さ
気質 | 生活リズム | 順応 |
扱いやすい子 | 規則的 | 早い |
扱いにくい子 | 不規則 | 遅い |
順応が遅い子 | 規則的 | 遅い |
平均的な子 | 当てはまらない | 当てはまらない |
・ トマスによれば、生後2〜3ヶ月ほどで気質が決まってくるとされる
16、 状況、認知、感情、行動
・ 同じ状況でも個人によって解釈が異なり、このような解釈の相違が、活性化したり抑制されたりする社会ー認知変数(評価、期待、信念、感情、目標など)の相違を生み出し、それが行動方略の相違につながっている。このことを、認知ー感情システムモデルと言う
17、状況論
・ 個々の性格は「状況の力」によって決定されると言う考え方
・ ジンバルドーのスタンフォード監獄実験では、大学の地下に設置された疑似刑務所に、一般の研究協力者が囚人役と監視役に割り当てられ、生活する様子が観察された。すると、主人は卑屈になっていき看守は横暴になっていくなど、個々の性格とは異なる性格特徴が、状況の力で形成された
18、相互作用論
・行動の原因を人と状況の双方に求める考え方を、B=f ( P , E )という公式で表現し、場理論を提唱したのはレヴィンである。
=============
B:Behavior 行動
f:関数
P:Personality 個人
E:Environment 環境
・場理論は、人間の行動が人物と環境の相互作用で決定されるという理論である
19、社会的認知理論
・自分の周りの環境を認知する働きに個人差があるという考え方に基づき、認知のスタイルから性格を把握しようとする考え方
20、一貫性論争(人間ー状況論争)
・状況を越えた個人の行動の一貫性を重視するか、状況要因を重視するかを争点として行われた論争
21、人格の形成過程(連続性と変化、遺伝要因、環境要因)
・カリカック家の家系研究に代表される遺伝決定論に対し、ワトソンら行動主義は環境決定論を展開する。現在では、遺伝と環境の相互作用を考えることが主流となっている。
・ 双生児研究によって、遺伝要因と環境要因を明らかにすることができる。一卵性双生児を異なる環境で育てた場合、異なる環境でも同じ行動が見られた場合は遺伝要因が、遺伝的に同じはずなのに異なる行動が見られた場合は環境要因が、それぞれ大きく影響したと考えられる
・ 幼少期は遺伝の影響が強く、児童期に入ると共有環境の影響が強く現れる。しかし、中学生以降は共有環境の影響が弱まり始め、成人期には遺伝の影響が最も大きく、次に非共有環境、最も環境の弱いのが共有環境となる
人格の形成過程・各要因の影響度 | 遺伝 | 共有環境 | 非共有環境 |
幼少期 | ◎ | ||
児童期 | ◎ | ||
中学生以降 | *弱まり始める | ||
成人期 | ◎ | △ | ○ |
・人生のどのタイミングでも、大きな事件や体験などにより人格の変化は生じる。近年は差次感受性(環境や体験に対する敏感さの個人差)という視座から人格の変化を研究することが盛んになっている
□人格の類型、特性
22、類型論
⇨いくつかの典型的なタイプに分類することで、個人の性格を記述する方法
【代表的な分類】
・体型で分類したクレッチマーの類型論とシェルドンの類型論
・ユングの性格類型論: リビドーの優勢な方向に基づいて人間を内向型、外向型に分類し、精神機能としての思考・感情・感覚・直感のいずれかが優位かを掛け合わせることにより、2 × 4の8類型を提案している
⇨ユングの類型論(内向-外向タイプ論):わかりやすい記事です!
・人生の価値(経済・理論・審美・宗教・権力・社会)で分類したシュプランガーの類型論
23、特性論
⇨基本となる複数の特性の集合体として自己が形成されるという考え方
・因子分析を用いてパーソナリティ特性として16因子を挙げたキャッテル(流動性知能、結晶性知能も見出している)
【代表的な研究】
・5因子モデル:コスタ&マックレーが有名
・アイゼンクの2因子(内向ー外向、神経症傾向): この2軸に基づく質問紙形式の心理検査として有名なのが、モーズレイ性格検査(MPI)である
・YG性格検査の12因子
24、5因子モデル(ビックファイブモデル)
⇨性格が5つの基本因子で構成されているというモデル
・コスタ&マックレーが開発した
・「外向性」「調和性」「誠実性」「神経症傾向」「開放性」の5つ
・5因子モデルに基づく代表的な質問紙にNEO-PI-Rがある。5因子にはさらに6つの下位次元が存在する。
O:開放性(空想、審美性、感情、行為、アイディア、価値)
C:誠実性(コンピテンス、秩序、良心性、達成追求、自己鍛錬、慎重さ)
E:外向性(温かさ、群居性、断行性、活動性、刺激希求性、良い感情)
A:調和性(信頼、実直さ、利他性、応諾、慎み深さ、優しさ)
N:神経症傾向(不安、敵意、抑うつ、自意識、衝動性、傷つきやすさ)
・近年、第6因子として「正直・謙虚さ」を付加すべきという見解もある
・5因子とは独立して、ナルシシズム(自己愛傾向)、サイコパシー(反社会的傾向)、マキャベリアニズム(他者操作・搾取的傾向)、サディズム(加虐傾向)などの次元から理解する考え方もある
25、語彙アプローチ
・重要な特性は必ず自然言語に符号化されているという考え(基本的語彙仮説)に基づき、特性を表す語彙を分類整理することで、基本的な特性やその構造を解明しようとするアプローチ
26、ナラティブアプローチ
・語りの中に、語るものを支配する大きな物語(ドミナント・ストーリー)があり、この物語が個人の性格や行動特徴を形成しているというアプローチ
27、人間心理学的アプローチ
・人生の目的や生きる意味、自己実現など、個人が「望ましい状態」へと向かう心の働きから性格を捉えようとするアプローチ
28、個人差、測定、検査、アセスメント
⇨性格の個人差を測定するパーソナリティ検査は、主に質問紙法、投影法、作業検査法に大別される
・質問紙法(YG性格検査、MMPIなど):質問紙を配布し、回答を求める方法
メリット⇨集団実施が可能、集計が容易、統計的解釈により客観性が確保しやすい
デメリット⇨回答の歪み(バイアス)が出やすい、無意識的・潜在的な特徴は明らかになりにくい。対象者の性格特徴を適切に表現している保証はない。
・投影法(ロールシャッハテスト・TATなど):曖昧な刺激を与え、それに対する自由な反応を分析することで、主に無意識的な性格特徴を明らかにしようとする方法
メリット⇨回答の歪みが生じにくい、無意識的な特徴も明らかになりやすい
デメリット⇨解釈が困難かつ検査に対する熟練を要する、結果の解釈の客観性を確保しにくい
*質問紙法と組み合わせてテストバッテリーを組むことも多い
・作業検査法(内田クレペリン精神作業検査):特定の作業を行わせることで、大まかな傾向を把握する検査
*質問紙法や投影法ほど詳細な特徴は明らかになりにくい
・アセスメントは観察法、面接法、検査法に大別される
29、尺度
・ 測定に用いられる「ものさし」のことを尺度と言う。用いられている代表的な方法に、リッカート法とSD法がある。
・リッカート法(評定加算法):回答者に複数の質問項目を呈示し、それぞれの質問に対し、
5:当てはまる
4:やや当てはまる
3:どちらとも言えない
2:やや当てはまる
1:当てはまらない
と数字を割り当て、それらの数値を合計することで、個人の態度を測定する方法。
・SD法(意味微分法):「好きー嫌い」などに対の形容詞を提示し、どちらの形容詞に近い印象や態度を持っているかを評定してもらう方法。
・ リッカート法とSD法のいずれも、得られた得点は間隔尺度であることを想定している
30、パーソナリティ障害
・属する文化において期待されることから逸脱し、社会的・職業的な活動に支障をきたす、持続的で広範かつ変化しにくい行動と内的経験のパターンを持つ者
・A型、B型、C型の3つに分類される
・A型:猜疑性、シゾイド、統合失調型
・B型:境界性、演技性、自己愛性、反社会性
・C型:回避性、依存性、強迫性
【A型】
・猜疑性パーソナリティ障害: 他人の動機を悪意のあるものに解釈するなどの他人に対する不信感、疑い深さが特徴(DSMーⅣまでは妄想性パーソナリティ障害と呼ばれており、被害妄想が強い事が特徴)
・シゾイド(スキゾイド)パーソナリティ障害:社会的関係からの離脱および全般的な無関心ならびに対人関係における感情の幅の狭さの広汎なパターンを特徴とする(感情の平板化・孤立を好む。・親密な関係への願望や楽しみが欠如している)
・統合失調型パーソナリティ障害:親密な関係に対する強い不快感およびそのような関係を築く能力の低さ,認知および知覚の歪み,ならびに風変わりな行動の広汎なパターンを特徴とする。(透視能力について真剣に語るなど、オカルト的な思想を語る)
【B型】
・境界性パーソナリティ障害(BPD):理想化とこき下ろし(ひどく悪く言うこと、 けなしたり批判・非難したりすること)に見られる対人関係(脱価値化)、自己像及び感情の不安定性(自己評価の極端な低さ・見捨てられ不安の強さ)と、自殺未遂や突破的な攻撃性など著しい衝動性(自己破壊的な衝動性)が特徴。
「脱価値化」とは、一時は理想化した対象でも、その対象が期待した通りの充足を与えてく れないと分かると、一気にその価値を引き下げてしまうこと。 期待に応えてくれない相手への 報復という意味もあるが、相手の価値や能力を弱めることにより、怒りを感じている自分に対 して攻撃してくるのでは、という不安を軽減する目的もある。
* 見捨てられることを避けようとしてなりふり構わぬ努力をする
* 精神分析的には、自我の水準が境界水準であり、原始的防衛規制が働くことによって上記のような症状が現れるとされています
*近年は境界性パーソナリティ障害独自の支援法として弁証法的行動療法が注目されている。
*関わる人を巻き込んで集団内の人間関係がかき乱されることがあるため、必要に応じてスタッフのカウンセリングや心理教育の実施も検討する
・演技性パーソナリティー障害:過度の情動性および注意を惹きたいという欲求の広汎なパターンを特徴とする
・自己愛性パーソナリティー障害:誇大性,賞賛への欲求,および共感の欠如の広汎なパターンを特徴とする(自己の重要性に関する誇大な感覚がある)
・反社会性パーソナリティー障害:,結果や他者の権利を軽視する広汎性のパターンを特徴とする。 良心の呵責が欠如している、怒りっぽく喧嘩っ早いといった特徴があり、18歳以上で診断される
【C型】
・回避性パーソナリティー障害: 社会的抑制、不全感、否定的評価に対して過敏といった特徴がある(批判や拒絶を恐れるため、対人関係を回避する)
・依存性パーソナリティー障害:面倒をみてもらいたいという広範かつ過度の欲求を特徴とし,それにより従属的でしがみつく行動がみられる。 分離不安が強く、他人にしがみつく。日常の些細なことを決めるのに他人の助言が必要(他者から有り余るほどの助言と保証がなければ物事を決定できない)
・強迫性パーソナリティー障害:結果的に仕事を遅らせたり,仕事の完了を妨げたりするような規律性,完璧主義,およびコントロール(柔軟性の余地がない)への広汎なとらわれを特徴とする。 秩序や完全さにとらわれて、柔軟性を欠き、効率性が犠牲にされる
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・この記事は赤本 公認心理師国試対策2022 (KS心理学専門書) を用いて要約しています。
・公認心理師受験専用に様々な参考書がありますが、私はこれ1冊を徹底的に使い込むだけでも合格点は目指せると考えています!
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