運動栄養学とリハビリテーションのポイント5つ

PT・OT・STのための リハビリテーション栄養 第3版 基礎からリハ栄養ケアプロセスまで

1.サルコペニアの原因には、加齢、活動、栄養、疾患がある

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・加齢とともに骨格筋は筋繊維の数が減少し、筋繊維自体も萎縮する

・加齢によるサルコペニアには、栄養、身体活動、ホルモン、炎症など多くの要因が関与していると考えられている

・活動によるサルコペニアは、不活動、安静臥床、無重力などが原因で生じる廃用性筋萎縮である。つまり廃用症候群の一部ともいえる。

廃用症候群の入院患者の88%に低栄養を認めるため、必ず栄養評価。

多発性筋炎・皮膚筋炎、ALS、筋ジストロフィー、重症筋無力症などの神経筋疾患によって、筋肉量減少、筋力低下、身体機能低下をみとめる。

「サルコペニアといっても、加齢・活動・栄養・疾患と様々な原因があります。

ひとつひとつ原因を探りながら、対応する必要性がありますね。

やはり他職種の連携が大事です。」

2.サルコペニアの原因に合わせたリハと栄養管理を行う

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加齢→最も有効なのはレジスタンストレーニング+必須アミノ酸を中心とする栄養介入。

ビタミンD欠乏している場合はビタミンDを投与する。

活動→不要な安静臥床や禁食を避けて、四肢体幹の筋肉力や筋力を低下させないことが重要

栄養→飢餓からの栄養改善を目指す場合は「一日のエネルギー必要量=一日のエネルギー消費量+エネルギー蓄積量(200-750kcal)」とする。

安静臥床しないで機能維持目的に軽負荷訓練を行う。

侵襲異化期の一日エネルギー投与量は15-30kcal/kgを目安とする+機能維持訓練の軽めのリハ。

同化期では上記の一日エネルギー必要量+レジスタンストレーニング

悪液質栄養療法(高たんぱく食やエイコサペンタエン酸)+運動療法(レジスタンストレーニングや持久性トレーニング)+薬物療法の包括的な対応。

「やはり栄養状態とリハはセットで考えないといけません。

サルコペニアの原因に合わせて、リハビリの負荷量も調整することが大切です。」

3.栄養と運動のタイミングで、筋力や持久力がより改善する可能性がある

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・運動後なるべく早くタンパク質と糖質を含んだ食事をすることで、筋肉のタンパク質合成が増加

・運動後なるべく早く糖質とタンパク質を含んだ食事をすることで、肝臓と筋肉のグリコーゲンの貯蔵が増加(持久力が高まる)

→「筋トレのゴールデンタイムがリハビリ界にも浸透していくかもしれませんね。

疾患や目的にもよると思いますが、単純に筋合成を狙うなら、リハビリ後その都度、栄養を補給するという時間が有っても良いかもですね。

増量を狙うなら糖質も、減量中なら糖質は控えつつ、タンパク質中心になど。

ただし、健常人の筋トレと違うのは、やはり疾患の管理も含めての栄養摂取だとは思うので、常に栄養士さんや医師との連携は大前提です。

そしてゴールデンタイムもですが、常に栄養を枯渇させない、1日のエネルギー必要量を確保することも重要ですよね」

4.筋力や持久力の改善のために、主にたんぱく質と糖質を適切に摂取する

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運動前にアミノ酸かタンパク質を摂取すると、筋肉のたんぱく質合成が増加(たんぱく質に糖質を追加することで増強される)

運動中に糖質単独か糖質+アミノ酸を摂取すると、筋肉のたんぱく質の合成が増加

運動後にアミノ酸かタンパク質を摂取すると、筋肉のタンパク質の合成が増加

・アミノ酸にクレアチンを追加することで筋肉のたんぱく質の合成が増強。

→「このあたりは運動前後の栄養摂取を特に意識するという筋トレ界でも使われている考えですよね。

やはりリハから見た栄養と栄養からみたリハという、それぞれの視点で意見を出し合い、個々の栄養管理をすることが、リハビリ効果を最大化させると考えられます。

意見を出し合うためにも、やはりリハビリ職が栄養について学ぶ必要がありますし、栄養士さんたちがリハについて学ぶ必要もあるかもしれません。

他職種の領域についても興味を持つ姿勢や学ぶ姿勢は、絶対に必要ですね。

そして余談ですが、クレアチンは僕も飲んでいて、無味無臭の粉タイプであれば水にとかすだけなので、誰でも好き嫌いなく飲めると思います。」

5.食事時間を配慮して訓練スケジュールを決めることで、訓練効果が高まる可能性がある

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・筋力、酸素消費量、肺活量がピークになるのは午後から夕方であり、この時間帯のほうがトレーニングの効果が現れやすい。

・入院患者では検査や治療による禁食が少なくないので、訓練時間は禁食にも配慮する(持久力が低下している状態での運動となってしまう)

・食事直後は消化吸収などで内臓の血流量が増えるため、食後1-3時間程度は運動を控えることが望ましい。

→「簡単にいうと、リハはなるべく午後!食後は眠って休む!

かと思いますが、中々これを全て取り入れるのは、入院中などは難しいですよね。

取り入れることができるものは意識したり、禁食中のトレーニングはやはり負荷量を考えるなど、基本的な知識としては有っても良いですよね。

自分の経験上も、空腹で毎日筋トレをしていたところ、筋肉がなくなり、痩せ細っていったので、栄養は運動と絶対に切り離せません。笑

むしろボディメイクの世界でも、まずは栄養が大事という考えは言われているので、特にリハビリ職は栄養士さんに対するリスペクトや教えてもらう気持ちを常に持つ必要があると思います。

自分たちがいくらリハビリをやったところで、栄養管理ができていなければ、何もできませんからね。

ついつい自分の専門領域や知識内だけで考えてしまうので、自分も含めて今後も注意していきたいですね。」

◎まとめ

1.サルコペニアの原因には、加齢、活動、栄養、疾患がある

2.サルコペニアの原因に合わせたリハと栄養管理を行う

3.栄養と運動のタイミングで、筋力や持久力がより改善する可能性がある

4.筋力や持久力の改善のために、主にたんぱく質と糖質を適切に摂取する

5.食事時間を配慮して訓練スケジュールを決めることで、訓練効果が高まる可能性がある

「最近栄養やサルコペニアの勉強してますが、つくづく趣味の筋トレとリンクする情報が多いです。

趣味で筋トレ始めておくと、リハのほうにも生きるという。

たまたまだったんですけど、改めて筋トレはおすすめです。」

引用は

PT・OT・STのための リハビリテーション栄養 第3版 基礎からリハ栄養ケアプロセスまで

でした!

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