1.不慮の事故の中でも窒息は2006年から連続で第1位の割合を占める

より画像引用
・不慮の事故による死因原因は①窒息②転倒転落③溺死④交通事故⑤火災⑥中毒の順(2015年)
・窒息は不慮の事故に分類され、2015年の死因第6位であった
・全国では毎日約13人(約7人が家庭で約6人がその他の場所)が食物により窒息死している
・介護老人保健施設では2日に1人、老人ホームや病院では毎日約1人のペースで誤嚥窒息による死亡事故が起こっていると推察される
・年齢別にみると高齢になるに従って窒息による死亡数が上昇している

より画像引用
「毎日約13人、そして病院や施設でも毎日1人以上の方が窒息により命を落としているというのは非常に怖い数字です。
特に嚥下評価をする言語聴覚士にとっては最もリスクを感じる評価なのではないでしょうか。
若いうちは失敗して経験するとは言いますが、嚥下評価というのは1つの失敗が命取りになる場面なので、特に後輩指導では先輩が重視すべき点だと感じます。
先輩はここを理解して後輩と関わって欲しいですし、自分も意識していきたいと改めて感じます。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2.窒息事故件数の多い食品としてはもち・ごはん・パンの穀物類が多い


より画像引用
・重症以上の割合が多い食品は、こんにゃくゼリー、しらたき、糸こんにゃく、たこなど弾力性が高く、歯で噛み切りにくいものが挙げられる
・ピーナッツは間違って気管内に入ると、膨張したり気管支内にはまり込んでしまう危険性があり、油脂が気管粘膜を刺激して肺炎や気管支炎を発生しやすく危険
・高齢者に多いのが義歯の窒息で、総義歯よりも部分義歯のほうがクラスプという金属の留め金があるため気管内に引っかかりやすく危険
「老人保健施設などでは、ご家族の持込みなどで食べ物を持ってくる方などいませんか?
そしてその中にパンやお菓子類が入っており、食べて良いかの許可を求められるケース、特にSTの方など経験はないでしょうか?
個人的には刻み食以下を食べている咀嚼能力の方の場合は、なるべくゼリーやヨーグルトなどの提供を勧めていました。
後は持ってきた物を見て・・・というところですが、判断に迷うことは多々あります。
窒息の事故件数の食品別割合や重症別割合を見て驚いたのは、比較的安全と考えていたお粥、ゼリー、ヨーグルトなどがランキングに含まれていた点ですね。
こんにゃくゼリーは危険とは周知だと思いますが、カップ入りゼリーというのもランキングにあり、ゼリーだとしてもなるべく見守り下で食べるとか、早食いの方は特に注意するとか、配慮は必要だと感じました。
おやつのマニュアル表(この嚥下食ならこのお菓子はいける)みたいなものがあれば有料でも買いますよね。笑
何かそのような資料をご存知の方は教えていただけると幸いです。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3.気道閉塞の程度が頸度であれば咳き込み、喘鳴症状を認める

京都市消防局:救急事故を予防しよう−窒息編www.city.kyoto.lg.jp
より画像引用
・気道閉塞が重篤である場合、声がでない、弱い咳、吸気時の甲高い声あるいは音がしない、憎悪する呼吸困難、チアノーゼ症状を認める
・窒息を起こしたことを人に知らせるサインとして、自分の喉を親指と人差し指でつかむ万国共通のサイン(チョークサイン)がある

より画像引用
「窒息時の症状というのは、常に頭に入れておくべきかと思います。
これは食事に関わる医療職は皆知っておくべき内容ですかね。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
4.窒息している人を見かけたらまず周囲へ知らせる(119番、コードブルーなど)
・窒息が軽度⇒強く咳を促す
・成人~小児(1歳以上)⇒腹部突き上げ法(ハイムリック法)

・妊婦および肥満者⇒胸部突き上げ法
・乳児⇒頭を下げて背部叩打法と胸部突き上げ法


より画像引用
・反応がなくなった場合はただちに胸骨圧迫からCPR(心肺蘇生法)開始
「窒息時の対応方法や心配蘇生法は何度か習うことはあると思いますが、使用する機会はそこまで無いので、忘れてしまいがちですよね。
ただ命を守る重要な手段なので、定期的に復習のは大切かなと思います。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
でした!
コメント