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この大項目では、少年法や医療観察法を中心とした「制度に関する理解」が求められること多いです!特に出題が多いのは、非行少年とその処遇に関する問題です。
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1、司法・犯罪領域における公認心理師
・刑事施設、少年鑑別所⇨心理検査や面接などの心理アセスメント
・少年院⇨ 被害者の視点を取り入れた教育などを通じて矯正教育(規定上12歳以上)
・保護観察所⇨ 社会生活の中で社会復帰に向けた指導を行う保護観察
・家庭裁判所⇨ 非行少年が非行に至った動機や原因などの調査
・警察⇨ 犯罪、非行防止に関する基礎研究や犯罪捜査に役立つ研究。また犯罪被害者支援
2、少年事件の取扱、少年法の改正
【非行少年3種類】
①犯罪少年: 14歳以上20歳未満の罪を犯した少年
②触法少年: 14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年
③虞犯少年: 18歳未満で将来罪を犯す恐れのある少年(非行事実はないが、要保護性が高いと考えられる少年)
* 2022年4月の少年法改正で虞犯少年は18歳未満となった点に注意
・成人事件: 犯罪事実に基づいて刑事処分が行われ、刑の種類や程度(量刑)が決定される
・少年事件: 非行事実だけでなく要保護性の観点も含めて審判がなされる
⇨要保護性: 性格や環境からその少年が非行を繰り返す危険性があり、少年の保護を要するか否かと言う観点のこと。 保護処分をするか決める上でも重要。
⇨ 非行事実が軽微であったとしても、要保護性が高い場合は少年院送致といった保護処分に付される場合もある(保護観察中の少年が、保護観察の規則違反を繰り返し、罪を犯す恐れのある場合など)
・ 要保護性の判断のためにすべての非行少年が原則として家庭裁判所に送致される。(全件送致主義)
⇨ 14歳未満の場合(触法少年と14歳未満の虞犯少年)は、まず児童相談所に送致される。家庭裁判所での審判や保護処分の必要性があると判断された場合、家庭裁判所に送致される
・ 家庭裁判所は非行少年に対し、原則として刑罰(懲役、罰金等)ではなく、保護処分を課すことが特徴
・ 犯罪少年の非行事実が刑事処分相当と認められる場合は検察庁に送られる(逆送・検察官送致)。 特に16歳以上の少年で故意に被害者を死亡させる重大事件を行った場合は、原則として逆送される原則逆送制度がある
【保護処分の種類】
①保護観察: 保護観察官や保護司との定期的な面会を持ちながら、日常生活の中で少年の更生と社会復帰が可能と認められる場合
②児童自立支援施設・児童養護施設送致: 少年を取り巻く環境から施設における生活指導を要すると認められる場合。児童自立支援施設(非行犯した児童等の支援施設)、児童養護施設(保護者のない児童、非虐待児童の保護施設)に入所させ、社会復帰を促す
③少年院送致: 少年の性格や行動特徴から、矯正教育を行うことで社会生活に適応させる必要があると認められる場合。(以下、少年院は4種類ある)
【少年院の種別】
種類 | 刑事処分 | 心身の障害 | 犯罪傾向 | 年齢 |
第1種 | なし | なし | 強くない | 12-23歳 |
第2種 | なし | なし | 強い | 16-23歳 |
第3種 | なし | あり | 12-26歳 | |
第4種 | あり | 16歳未満 |
【改正少年法・2022年4月〜】
①少年法の適用年齢は、引き続き20歳未満とする
②18歳・19歳を「特定少年」とし、17歳以下の少年とは異なる取り扱いにする
【特定少年のポイント】
Ⅰ 原則逆送制度の拡大(保護処分よりも刑事処分が課される機会が拡大)
従来:「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件」のみが対象(16-17歳は変わらず)
特定少年:対象事件が追加(現住建造物等放火罪、強制性行罪、強盗罪、組織的詐欺罪など)
Ⅱ 実名報道の解禁
従来:少年の実名や住所、顔が分かる写真を報道してはならない
特定少年:逆送されて起訴され刑事裁判になった場合に限り、実名報道が解禁
Ⅲ その他
・虞犯少年から除外(虞犯少年は18歳未満に)
・保護処分は「少年院送致(3年以下)」「2年間の保護観察」「6ヶ月の保護観察」のいずれかを選択
・刑事裁判は、原則として20歳以上の者と同様に取り扱われることになった
【少年法における年齢別の処遇の違い】
刑事責任 | 年齢 | 処遇 |
なし | 0-11歳 | ・刑罰を受けない(検察官・少年院送致とならない) *11歳は「概ね12歳以上」に含まれることもある |
なし (少年院送致あり) | 12-13歳 | ・刑罰を受けない ・家庭裁判所の判断で少年院に送致される |
あり (少年院送致あり) (刑事処分あり) (罪の軽減あり) | 14-15歳 | ・検察官に送致され(逆送)、刑事処分を受ける場合もある |
あり (少年院送致あり) (刑事処分あり) (罪の軽減あり) (原則逆送制度あり) | 16-17歳 | ・故意に被害者を死亡させた場合(重大事件)は刑事処分が原則となり、 家庭裁判所によって検察官に送致される(原則逆送主義) ・重大事件ではなくても、家庭裁判所が刑事処分が相当と判断すれば検察官に送致されることもある ・18歳未満までは死刑は無期刑に、無期刑は20年以下の有期刑に軽減される |
少年院送致あり 刑事処分あり 罪の軽減なし 原則逆送制度あり | 18-19歳 (特定少年) | ・刑の軽減はされず、死刑となる可能性がある(保護処分よりも刑事処分寄りに) |
2歳ごとに処遇が変わると覚えておきましょう!
* 少年法には、法を犯した少年に対する刑事処分の規定は無い。刑事処分が相当であると判断される場合には、少年法に基づいて処分するのではなく、検察官に送致することが規定されている
□犯罪、非行、犯罪被害及び家事事件に関する基本的事項
3、犯罪
犯罪の種類 | 傾向 | 特徴 |
刑法犯 | 減少 | 7割以上を占めるのが窃盗 |
児童虐待 | 増加 | 傷害や暴行が顕著に増加 |
配偶者暴力防止法違反 | 減少 | 被害者の総数の約8割が女性 |
ストーカー規制法違反 | 減少 | |
高齢者犯罪 | 減少 | 窃盗の割合が高く、特に女性は約9割が窃盗 |
少年による刑法犯 | 減少 | 共犯がいるのは20%強・学生や生徒は60%以上・凶悪事件は2%弱 |
・刑法犯の認知件数は平成14年をピークに17年連続で減少、令和元年は前年までに引き続き戦後最少を更新。7割以上を占めるのが窃盗であるが、窃盗も平成15年以降減少を続け、令和元年も戦後最少を更新。
・児童虐待:平成26年以降、検挙件数は大きく増加(平成15年の約9.3倍)。罪名別では、傷害や暴行が顕著に増加しており、加害者について、検挙人数全体では父親などの割合が71.5%。殺人・保護責任者遺棄では母親などの割合が高い(殺人:78% 保護責任者遺棄:68.8%)
・配偶者暴力防止法違反:平成27年以降、検挙件数は減少傾向。被害者の総数の約8割が女性。婚姻関係が全体の75.6%
・ストーカー規制法違反:平成30年から2年連続で検挙件数は減少(令和元年は平成23年の約4.2倍)
・高齢者犯罪:平成20年をピークに平成28年以降減少傾向。全年齢層に比べて、窃盗の割合が高く、特に女性は約9割が窃盗(大部分は万引き)。 検挙人員中の高齢者比率は21.7%(女性は全体の33.9%、男性は全体の18.5%)
・少年による刑法犯:平成16年以降、減少傾向
4、少年非行
・少年法における定義
①14歳以上の少年による犯罪行為⇨犯罪少年
②14歳未満の少年による触法行為⇨触法少年
③将来、犯罪行為又は触法行為をする恐れがあると認められる行状(虞犯)→虞犯(ぐはん)少年
・少年とは20歳未満の者を指す
なお、児童福祉法の分野では、「児童」=18歳未満の者を指すので注意!
・少年院:収容された少年に対して矯正教育を行う施設。概ね12歳以上が対象。仮退院する場合は保護観察をつける必要がある
・少年鑑別所:家庭裁判所の求めに応じて専門的知識に基づく少年の資質鑑別を行う。地域援助機能も付与されており、非行に関する親や学校からの相談や、非行防止への援助の業務も行なっている
鑑別とは,医学,心理学,教育学,社会学などの専門的知識や技術に基づき,鑑別対象者について,その非行等に影響を及ぼした資質上及び環境上問題となる事情を明らかにした上,その事情の改善に寄与するため,適切な指針を示すことです。
鑑別は,家庭裁判所,地方更生保護委員会,保護観察所の長,児童自立支援施設の長,児童養護施設の長,少年院の長又は刑事施設の長の求めに応じて行います。
法務省・少年鑑別所より画像・本文引用
・調査・審判:非行少年に対しては「取り調べ」を「調査」、「裁判」を「審判」と呼ぶ。審判の結果、保護観察(保護処分)・少年院送致・不処分・児童相談所等送致のいずれかの処分を受ける
・家庭裁判所調査官:少年が非行に至った動機、原因、生育歴、性格、生活環境などの調査を行い、家庭裁判官に報告する。その結果、審判開始か否かが判断される。
・校内暴力: 中学校・高等学校については全体的に減少傾向が見られる
5、裁判員裁判
・裁判官3名と一般市民6名(あるいは裁判官1名と一般市民4名)が、重大な刑事事件の裁判を行う制度。有罪の場合、被告人が受ける刑も決定する。
・全員の意見が一致しない場合、多数決の方式を採用する
・ 裁判員の辞任は、辞意を裁判長に申し出て、その理由がやむを得ないものと認められたときに解任される
・ 補充裁判員は欠員が出たときの補充要因であり、他の裁判員と一緒に裁判に出席している。 具合が悪く欠席する人の代理は務められない
・ 評議や裁判の内容について話すことができる相手は、裁判官、裁判員メンタルヘルスサポート窓口のカウンセラー、精神科医及び裁判のストレスに起因する身体疾患を治療する医師のみ
6、医療観察制度
・善悪を判断して行動することが全くできない状態を心神喪失という。心身喪失者の行為を罰することはできない。
・善悪の判断が著しく低下している状態を心神耗弱という。心身耗弱者の行為は刑を軽減する。
・医療観察制度とは、「 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(医療観察法)に基づき、対象者に適切な医療を提供し、社会復帰を促進するために生活環境を調整することを目的とする制度のこと。指定医療機関(厚生労働省所管)における入院治療と、地域社会での支援である精神保健観察や通院治療からなる。」
通院決定(入院によらない医療を受けさせる旨の決定)を受けた人及び退院を許可された人については,原則として3年間,厚生労働省所管の指定通院医療機関による医療が提供されるほか,保護観察所による精神保健観察に付され,必要な医療と援助の確保が図られます。
法務省・医療観察制度より引用
・指定医療機関の指定は厚生労働大臣が行う
・精神保険観察の実施は、精神保健福祉士の資格などを有する社会復帰調整官が従事する
・簡易鑑定: 軽微な刑事事件において、被告人の責任能力に疑問がある場合の、医師による簡易的な鑑定のこと。通常1回で終わる。
・精神鑑定: 殺人や放火などの重大事件の場合、 責任能力に疑問があれば行う。数ヶ月を要する。行動制御能力の評価、理非善悪弁識能力の評価などを行う。
・情状鑑定: 裁判における量刑の判断に必要な、素因事実以外の事項に関する観点のこと
⇨具体的には、人格調査・環境調査・動機・再犯の可能性の評価等が鑑定項目となる
⇨ 刑事事件の場合、事実については争いがなく、責任能力に問題はないと考えられるものの、動機や行動の特異さに様々な疑問が生じる事件について、鑑定命令が出ることが多い
⇨ 裁判所の命令によって実施される
・ 精神鑑定は通常精神科医によって行われるが、最終的に責任能力の判断を下すのは法律家(検察官、裁判官)及び裁判員であり、精神科医による鑑定結果は参考資料である
7、面会交流
・親が離婚した場合、親権をどちらが持つのかを決めることが求められる
・親権の中に含まれる権利に監護権があり、子供のそばで生活しながら子供の世話や教育をする親の権利と義務のことを指す
・親権者と監護権者が別の人物になる場合もある
・離婚後または別居中に、子供を養育・監護していない方の親が、子供と面会を行うことを面会交流という
・ 面会交流をする親の暴力、DV、養育費の不払い、犯罪行為が確認された場合、面会交流権が認められなかったり、却下・一時停止・取り消しなどの制限がされたりすることがある
・面会交流にあたって、子供が不安を示したり、消極的な態度を示したりする場合は、不安や消極的な態度になる理由を話し合ったり、養護・監護している親が立ち会ったりするなど、子供の不安を低減するような働きかけが求められる
□司法・犯罪分野における問題に対して必要な心理的支援
8、非行・犯罪の理論
・生来性犯罪者説:犯罪者は生まれながらに犯罪行為をするよう、先天的要因によって運命づけられているという説。犯罪心理学の先駆的理論ではあるが、批判は多い。
・分化的接触理論: 「犯罪行動は先天的要因によって決定された行動ではなく、犯罪文化や犯罪集団との交流によって後天的に学習された行動である」と言う理論。
なお「犯罪文化や犯罪集団との交流だけでなく、自分の行動を認めてくれる人や集団に自分を同一化させるような内面の変化があって初めて犯罪行動が発生する」と言う理論は、分化的同一化理論と呼ばれるよ!
ちなみに同一化(同一視)とは・・・⬇︎
どういつ‐し【同一視】 の解説
本来、性質などの違うものを、同じものとみなすこと。区別のある自分と他人を混同すること。自分の好ましくない感情や性質を他人の性質にしてしまう投射(投影)と、他人の望ましい特徴や事柄を自分のものと思い込む投入とがある。防衛機制の一。同一化。
goo辞書より引用
・非行下位文化理論(非行副次分化理論):正統的な中心文化で社会的な成功を得ることが困難な者たちが、対抗文化として犯罪文化を独自に形成するという理論
・アノミー理論:社会規範が混乱・弱体化することで、道徳的無規制状態(アノミー)になり、日常的に制限されている不満が表出しやすくなるため、犯罪行為が起きやすくなるという理論
・緊張理論:与えられた目標と、その目標を達成する手段との間に不均衡が生じたとき、緊張や葛藤が高まり、逸脱行為が促進されると考える理論。
例えば、社会経済的地位が限定されているが故に逸脱行動に走りやすい(機会限定理論)
また家庭・学校・職場などで、目標と手段の不均衡が生じるとそれが緊張や葛藤となり、結果として逸脱行動が起こりやすくなる(一般的緊張理論)
わかりやすく例えるなら、成功することがいいことだ、誰でも成功できるという「文化的目標」と、実際には,それがほとんどの人には満たされない「社会の現実」との間に緊張状態が生じる。
その緊張状態から逃れるために、「成功するためには、非制度的手段[非合法的手段]を用いることもやむをえない」と考え、犯罪に走る人が出てくる。
つまり、文化的目標と現実社会の間の緊張が、逸脱行動を起こさせる(犯罪に走らせる)と考える理論です。
【社会的絆理論】:人が犯罪を犯さないのは、社会との絆があるからだと考える理論
○社会との絆(以下4つ)
①愛着(身近な人に対する愛情や尊敬)
②投資(現在に至るまで積み上げてきた地位や信頼)
③巻き込み(積極的な合法的活動による忙しさ)
④信念(社会の法に従うべきという考え)
・漂流理論(ドリフト理論):自身の行為がどのような意味を持つのか判断することが難しく、まるで漂流しているような状態に陥っている少年は、中和の技術によって自分の行為を正当化し、非行に走っていくという理論
【中和の技術】
⇨「自分はただ巻き込まれただけ」と考える「責任の否定」
⇨「遊びやふざけであって、大したことではない」と考える「加害の否定」
⇨「相手が受けて当然の攻撃であって、相手にこそ責任がある」と考える「被害者の否定」
⇨「こうした行為を非難する者も問題」と考える「非難者への非難」
⇨「忠誠を誓うべき秩序や大義が荒らされているのだから見逃せない」と考える「より高度な忠誠心の訴え」
などがある
*この理論は、 非行が単に社会が原因であるとはせず、一方で子供たちの逸脱性だけを原因ともせず、その相互作用によって生じることを論じたもの
・ストックホルム症候群(心的外傷性絆・トラウマティックポンディング):被害者が加害者とともに時間を過ごすことで、被害者が加害者に共感したり好意を抱くようになること。DVや誘拐事件の事例で報告されることがある。
・凶器注目効果:犯人が刃物や銃などの凶器を所持していた場合、凶器に注目してしまうことにより、犯人の顔を記銘することが困難になること
・バッファーゾーン仮説:犯人は拠点の周辺では犯罪を犯さず、拠点から一定距離離れたドーナツ状の地域で犯罪を行うという仮説
・サークル仮説(円板説):同じ犯人による連続犯行のうち、最も距離の離れた2点を直径とする円内に犯人の拠点があるという仮説
複数の犯行現場で最も離れた2地点間の距離を直径とする円の中に、犯人の住居と全ての犯行現場が収まるという仮説です。
・重心仮説:同じ犯人による連続犯行地点を地図上にマッピングした際の重心に犯人の拠点があると考える仮説
もう少し噛み砕くと、円仮説で描かれた円の重心部分(ほぼ円の中心と同じ) に犯人の住居があるとする仮説です。重心仮説は円仮説とは異なり、ピンポイントで犯人の住居を推定できるため,捜査手法として非常に有効性の高い仮説です.
9、非行・犯罪のアセスメント
・対象者は動機付け面接を用いた関わりや、ラポールの構築が必要になることが多い
⇨21、動機づけ面接について理解する
【犯罪誘発要因】
・反社会的行動の経歴(犯罪行動を開始した年齢の若さ、犯罪歴の多さなど)
・ 反社会的人格・態度(衝動性、自己中心性など)
・ 反社会的認知(犯罪の肯定、正当化など)
・ 反社会的な仲間、家庭環境、学力や仕事、余暇、物質乱用など
・対象者の再犯リスク要因やニーズ要因に焦点づけて最適な介入を計画することが、対象者の態度の変容に繋がり、最も介入効果が高い⇨これをリスク・ニーズ・反応性の原則(RNRモデル)という
【リスク・ニーズ・反応性の原則(RNRモデル)】
①リスク原則: 処遇は、再犯リスクの高いものに集中する(再犯リスクの高さを査定し、高リスク者に対する支援を重点的に行う)
②ニーズ原則:処遇は、犯罪誘発要因に限定して行う(犯罪に対するニーズを生み出す犯罪誘発要因を特定し、それに対する処遇を重点的に行う)
③応答(反応)性原則:処遇は、対象の応答性を高めるように行う(犯罪者の特性に合わせた方法で処遇を計画する)
・RNRモデルに基づき開発されたアセスメントツールが法務省式ケースアセスメントツール(MJCA)である。
⇨静的領域:過去の経歴など、変化しない側面(本件態様:今回のケースが本人にとって初めてのケースなのか再非行なのか)
⇨動的領域:今後の可能性など、教育などによる変化が見込める側面(逸脱親和性・自己統制力・社会適応力・保護者との関係性)
*第1回公認心理師追試・問114出題
・受刑者の能力や学力を測定するために作成された検査として、CAPAS能力検査もある
10、施設内処遇と社会内処遇
・刑事施設は
刑務所・少年刑務所(刑が確定した受刑者を収容する施設)
拘置所(裁判中の者を収容する施設)
の3種類がある
・受刑者の施設内処遇の中核となるのは矯正処遇(作業や改善指導、教科指導)である。また、処遇調査(受刑者の資質及び環境の調査)も行われる
・社会内処遇の中核となるのは保護観察。保護観察とは、通常の社会生活を営ませながら、再犯や再非行を防ぎ、社会的自立と改善更生を図るために、保護監察官や保護司が協働して生活環境の調整や面接による指導・監督などを行うこと
保護司は,保護司法に基づき,法務大臣から委嘱を受けた非常勤の国家公務員(実質的に民間のボランティア)です。
保護観察官(更生保護に関する専門的な知識に基づいて,保護観察の実施などに当たる国家公務員)と協力して,活動(保護観察・生活環境調整・犯罪予防活動など)を行います。特別遵守事項による専門的プログラムの管理も業務内となります。
【専門的処遇プログラム】
・特定の保護観察対象者に対して行われる、認知行動療法を基盤とする体系化された手順による処遇
・「性犯罪者処遇プログラム」「薬物再乱用防止プログラム」「暴力防止プログラム」「飲酒運転防止プログラム」の4種類であり、特別遵守事項として保護観察者に義務付けられる
【特別改善指導】
・刑務所の受刑者などを対象とする
・「薬物依存離脱指導」「性犯罪再発防止指導」「被害者の視点を取り入れた教育」「交通安全指導」「就労支援指導」が用意される
【保護観察所の業務】
①保護観察:仮釈放制度など
②生活環境の調整
③更生緊急保護:矯正施設を出所した人などに対して
④恩赦の上申
⑤犯罪予防活動
⑥医療観察
11、反抗挑戦性障害・素行障害
・ 大人に対する激しい反発や反抗的態度を中心とした反抗挑発性(反抗挑戦性障害)、反社会的・攻撃的な行動様式が持続する素行症(素行障害)がある
・ADHDに対する周囲の無理解や不適切な対応が続くことで、これらの行動に発展する事例(DBDマーチ)が一部あることが指摘されています
12、反社会性パーソナリティ障害
・違法行為を反復し、人を騙したり、嘘をついたり、衝動的であったりすることを特徴とするパーソナリティ障害の1つ
・他人の権利を無視し侵害する広範な様式で、15歳以降に起こっている
【他人の権利を無視し侵害する広範な様式】とは・・・
①逮捕となる行為の繰り返し
②虚偽性
③衝動性、または将来の計画を立てられないこと
④いらだたしさ及び攻撃性
⑤自分または他人の安全を考えない無謀さ
⑥一貫した無責任さ
⑦良心の呵責の欠如
の7つのうち、3つ以上が15歳以降に起こっていること
・DSM-5では、15歳以前に素行症(素行障害)が認められ、18歳に達していることを条件に、反社会性パーソナリティ障害が診断される
13、司法面接
司法面接について別記事にまとめてあります!
□公認心理師試験対策の勉強を移動中や外出中にも手軽にしたい
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・この記事は赤本 公認心理師国試対策2022 (KS心理学専門書) を用いて要約しています。
・公認心理師受験専用に様々な参考書がありますが、私はこれ1冊を徹底的に使い込むだけでも合格点は目指せると考えています!
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