1.フレイルの概念とサルコペニアの診断方法
・フレイルの概念としては
①健康の時期と要介護の間の中間地点である
②しかるべき適切な介入で再び健常な状態に戻るという可逆性をもつ時期
・フレイルは
①身体の虚弱
②こころ/認知の虚弱
③社会性の虚弱
が存在する。
・サルコペニアの診断は
①筋肉量の低下(四肢骨格筋)
②筋力の低下(握力)
③身体能力の低下(通常の歩行速度)
の3つの要素により診断される。

サルコペニアの診断要素 … 骨格筋量・筋力・身体能力seniorlivinghealthcare.com
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「フレイルを考える上で重要なのは、可逆性があるという点かと思います。
早期発見、早期対応ができれば健常に戻ることができる。
身体面か、認知面か、精神面か、社会面か。
個別性はあると思いますが、身近な人から気づけることが大切ですね。」
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2.サルコペニア肥満と生活習慣病は関係がある
・サルコペニアはやせの印象が強いが、一方で肥満体型とサルコペニアの共存している病態(サルコペニア肥満)も注目されている
・サルコペニア肥満の群はメタボ群と比較すると、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めることが判明した

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「なんとなくサルコペニアと聞くと、痩せている人をイメージしてました。
しかし生活習慣病と最も関係があるとされるサルコペニア肥満は、かなり危険な状態かと思います。
あの有名なメタボよりも生活習慣病のリスクがあるとのこと。
食べるだけで運動しない。
これが最も危険かと思うので、食べてもよいからまず運動が大事ですかね」
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3.大規模フレイル予防研究(柏スタディー)から見えてきた7つのこと

①サルコペニアに対する危険因子として、高齢や女性に加え、栄養(食事多様性や口腔機能)、社会性(人とのつながり等)、運動(余暇での中等度以上の運動習慣等)であった
②サルコペニアの仮説モデル検証では、最上流に人とのつながりの無さや孤食、生活の広がりの狭さなどを代表とする社会性の低下や欠如があることがわかった
③指輪っかテストで隙間ができる集団は、下腿周囲長およびBMIともに低値であり、四肢骨格筋量も少なかった。口腔機能も含むさまざまな身体機能や社会性、生活習慣(共食/孤食も含む)においても有意差があった
④三位一体(栄養・運動・社会参加)がサルコペニアと強く関連していることが示唆された
⑤同居者がいるにも関わらず孤食であることや会話が少ないことが、うつ傾向と強く関連していたことから、独居だけでなく家庭内における孤立に注意して虚弱予防を進めていく必要性が示された
⑥精神状態は栄養状態を介して、身体活動と共に身体機能につながっていた
⑦サルコペニア肥満は抑うつをきたすリスクが高まっていた
「フレイルやサルコペニアは、身体機能の問題。
と医療職でも考えてしまうかもしれません。
ですが、身体機能の低下を生む始まりが、いわゆる社会性や精神面の低下ということです。
社会や友達とつながることが、最も介護予防に繋がるのかもしれません。
年を重ねても関われる友人がいるのは、何よりも健康の証ですかね。
早くコロナさん落ち着いてください。
と、より感じました。」
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4.栄養(食/口腔)からみた虚弱化フローとは?
第一段階(社会性/心のフレイル期):生活の広がりや人とのつながりの低下
第二段階(栄養面のフレイル期):オーラルフレイル。無意識×軽微の衰え
第三段階(身体面のフレイル期):サルコペニア、ロコモ。低栄養×生活↓
第四段階(重度フレイル期):嚥下障害、運動障害、栄養障害、要介護状態

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「ここではオーラルフレイルがポイントかと思います。
いわゆる口の機能が低下していく状態です。
高齢者であれば、それはまず残歯の低下から始まりやすいです。
若いうちから歯医者に通うことが、まず予防に繋がります。」
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5.フレイルドミノとは?フレイルは社会性の低下から始まる
・フレイル化が進行するにあたり、より早期の段階で社会性の低下が認められた
・社会性の重要性を再認識すべき

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「社会とのつながりがあることで、身だしなみを整え、一緒に食事や運動に行き、会話をする。
簡単に言えばこれだけで、身体・社会・認知・精神のフレイルは予防できます。
はるか昔から協力しあうことで生存してきた人間だからこそ、人間同士のつながりは、どんなに時代が進んでも、健康に生存していくために、必要なのかもしれません。」
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本日も引用は
でした!
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