1.初期によくみられるのは食欲低下

食欲低下の原因になるものとして・・・
・幻視により、食器の模様をみて「虫が入っている」と食事が進まなくなることがまれにある。
・消化管運動が低下する傾向にあるため、便秘による腹部膨満感のために食欲が低下する症例も多い
・嗅覚低下やうつ症状もよくみられる
などがある。
「幻視を訴える症例はたまに出会うことがあります。
そのとき意識しているのは、決してすぐ否定はしないこと。
自分には見えなくても、相手には見えているのが幻視です。
まずはたとえば虫が見えてしまう不安な気持ちに寄り添うことが重要です。
そしてその幻視はある模様や物を幻視として捉えていることがあるので、その際にはそれらの物を除去するなど、環境設定が有効です。
認知症対応は常に訓練よりも支援を重視して、対応すべきかと思います。」
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2.中期にはパーキンソン症状が進行し、まっすぐ座ることができなくなる

・脳血管障害がないにもかかわらず、座ると常に左右どちらかに傾くという症状は、レビー小体型認知症を疑う所見の一つ
・顕著な食べムラ(食べるときと食べないときがある)が出現する
・中期の段階から重度の誤嚥を生じる症例が多い
・肺炎になる前に機能低下に合わせて食事のレベルを下げるなど対応が必須
・薬剤の過敏性があるため、薬の副作用の影響を必ず考慮する(特に抗精神病薬、抗コリン薬、抗不安薬など)
「これらの特徴をもつ症例は、時折目にする機会があります。
座位バランスがとれず左右に傾くという症状が、脳血管障害などのイベント無しに出現してきたとしたら、レビー小体型認知症を疑っても良いかもしれませんよね。
後は幻視やパーキンソン症状などの特徴がないかを確認すべきかと思います。
最近このような特徴をもつ症例を見ていたので、早速特徴は確認していきたいと思いますし、その方は常食を食べていたのに最近になってムセやパーキンソン症状が強くなっている方でした。
すでに食事形態は全粥、刻み食レベルまで落としていましたが、再度要観察が必要と感じましたし、原因がわかることで、服薬なども含めて対応もできるかもしれませんよね。
日によるムラもかなりあるとのことで、まさに特徴と合致しています。
私の臨床話で失礼しました。」
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3.末期には寝たきりとなり、食事性低血圧や起立性低血圧の症状もひどくなる

*食事性低血圧(食後に血圧が下がること)
・食事時や口腔ケア時の体位変換にも注意する
・誤嚥もさらに重度となり、唾液誤嚥も不可能となってくる
「食事性低血圧は恥ずかしながら初めて知りました。
起立性低血圧はよく意識していましたが、食後の血圧変動も注意が必要ということですね。
普段は起こすだけでは血圧は大丈夫でも、食後の変動があるとすれば、食事の姿勢も座位にするのか、リクライニングにするのかなど、設定も変わってきますよね。
知識の幅は今後も日々の勉強で広げて、対応の幅を広げていきたいですね。
これらの情報が今日も誰かの役に立つと幸いです。」
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本日の引用は
でした!
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