1.リハ栄養チームは職域の壁を超えた多職種で適切なリハ栄養を行う医療チームである

・リハ栄養チームとは2職種以上でリハ栄養に取り組んでいるチーム
・1職種が「リハからみた栄養管理」の視点、もう1職種が「栄養からみたリハ」の視点に立つことがポイント
・NSTが介入すると75歳以上の入院患者のADLがより改善する
・リハ、もしくはNSTだけでADLやQOLを最大限向上させることは難しい
「リハと管理栄養士さんなど、お互いに目標を共有しながら、作戦を練っていけると良いですよね」
2.回復期リハ病院では、病棟専任の常勤管理栄養士を中心としてリハ栄養を行うことが望ましい

・管理栄養士を含む医師、看護士、その他の医療従事者が計画に基づく栄養状態の定期的な評価や計画の見直しを行うことなどが求められている。
・リハカンファレンスでは「リハからみた栄養」と「栄養からみたリハ」の両者を話し合うことが望ましい
「リハカンファでは、患者さんのADL状況など、進捗状況も踏まえて話し合いが行われますが、栄養という視点でも、どのような改善が見られているのか、または停滞しているのか、話し合うことが重要ですね。
その中で管理栄養士さんの存在は大きいですよね。」
3.医療チームは古典的医療型、多職種参加型、多職種連携型、超職種型に分類できる

・古典的医療型と多職種参加型は医師中心のチーム形態であり、NSTには向いていない
・多職種連携型は医師とその他の職種は対等な関係であり、各職種の業務の境界が明確
・超職種型は各職種の業務の境界が不明瞭であり、多職種同士で必要な領域や役割を全体でカバーしあう
・NSTは職種の壁を超えたチーム医療と定義されているため超職種型が理想
「リハが栄養を勉強して意見をする、逆のことも然り、他職種の専門領域に意見をすべきでないという考え方もあるようですが、少なくともNSTは職域の壁を超えたチーム医療と定義されています。
お互いをリスペクトしながらも、意見を出し合う、質問をし合うという関係性がベストなのかなと思いますね。」
4.PT/OT/STはリハ栄養チームで活動係数設定の役割を担って欲しい

・回復期リハ病院でも入院患者の37.7%に低栄養を認め、低栄養の場合にADLの向上が得られにくかった(リハも栄養を無視できない)
・ベッドサイドで可能な嚥下機能評価は必須
・活動量、筋緊張、不随意運動を考慮したうえで活動係数を決定するのはリハが最適
「活動係数などについては、逆にリハが栄養士さんより強い部分かもしれませんよね。
異なる領域だから・・・と無関心では、一つの体である患者さんは良くなっていきません。」
5.リハ栄養の地域連携には、リハ栄養サマリーの活用が有用である

・リハ栄養は1施設で完結することは少ないので地域連携が必要
・リハ栄養の情報共通ツールの一つとしてリハ栄養サマリーの活用が有用
リハ栄養サマリーについては著書に載ってました→PT・OT・STのための リハビリテーション栄養 第3版 基礎からリハ栄養ケアプロセスまで
「当院ではKTバランスチャートを使っています。
嚥下食の学会分類のように、やはり共有できる、共通認識がある情報であれば、申し送りもしやすいですよね。
医療従事者の関わりはその時だけですが、患者さんは一生付き合っていく病気かもしれません。
良い方法や良い環境設定の発見を、施設移動とともに0に戻すというのは、あまりにも罪は重いですよね。
患者さんの一生や人生そのものを考えるというのは、決して忘れてはいけない視点かと思います」
◎本日のまとめ

1.リハ栄養チームは職域の壁を超えた多職種で適切なリハ栄養を行う医療チームである
2.回復期リハ病院では、病棟専任の常勤管理栄養士を中心としてリハ栄養を行うことが望ましい
3.医療チームは古典的医療型、多職種参加型、多職種連携型、超職種型に分類できる
4.PT/OT/STはリハ栄養チームで活動係数設定の役割を担って欲しい
5.リハ栄養の地域連携には、リハ栄養サマリーの活用が有用である
本日も引用は
PT・OT・STのための リハビリテーション栄養 第3版 基礎からリハ栄養ケアプロセスまで
でした!
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