1.認知症の診断には、日常生活の障害(ICD-10)、社会的機能の著しい障害(米国精神医学会)を必須条件としている。

・認知症の定義で重要なのは、記憶障害のみや高次脳機能障害があっても、日常生活や社会生活に支障をきたす状態になければ認知症とはいえない点

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「HDS-Rが○点だから認知症。
というように検査の点数だけで判断してしまいがちですが、定義としてはあくまで日常生活に支障をきたす状態ということです。
現に検査点数が低くても自立している方はいますし、逆に点数が高めでも生活場面では支障をきたしている場合があります。
机上場面のみで判断せず、生活場面の観察が認知症診断にも必須だと思います。」
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2.軽度認知障害(MCI)は客観的な記憶障害があっても全般的な認知機能は正常で、日常生活にも支障はきたしておらず、認知症ではない状態をいう

・軽度認知障害(MCI)の段階で必要な予防対策を講じ、日常生活や社会生活を自律的に送るための認知機能を維持することができれば、認知症を予防できる
・認知症のリスク因子をより若い頃からコントロールし、MCIの罹患率年齢を遅らせることが可能ではないかとの考え方もある
「MCIの段階の方は地域社会にも多くいることが考えられます。
認知症という名前は世間的にも浸透しており、進行性という概念だと思いますが、MCIという状態についても世間的に浸透していくことで、認知症予防の重要性が広まるのではないかと思います。
MCIの段階、またはそうなる前の段階から予防をする。
という重要性を医療従事者がまず伝えていけると良いですよね」
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3.高血圧、糖尿病、高コレステロール血症の生活習慣病、および喫煙は、脳、心臓血管疾患のリスク因子でもあり、生活習慣病の発症を防ぐ適切な運動やバランスのとれた食事も認知症の予防に貢献すると考えられる。

・定期的な身体運動では、認知症発症リスクを3-5割減少させることは、認知症予防の保健指導を考える上で重要


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・高コレステロール血症をコントロールするための薬物治療(スタチン)でも発症リスクを2割減少させることから、認知症予防のために治療放置、脱落を防止する保健指導が重要
・認知症予防の保健指導の目標は、認知機能低下の進行を遅らせ、認知症の発症を少しでも先延ばし、生涯にわたって日常生活、社会生活を自律的に送れるために、生活習慣病のリスクをコントロールし、関連する生活習慣の改善を支援すること。
「生活習慣病の予防、適度な運動は認知症予防のみならず、様々な病気の予防に繋がります。
運動が体に悪い。
というのはあまり聞いたことがなく、1石何鳥かであることは間違いないと思うので、まずは難しいことを考えず、健康のために運動しよう。
って感じではじめるのも一つなのかなとか思います。
若いうちから予防のためだとモチベーションが上がらないなら、筋肉をつける、やせるなど見た目をよくするため、疲れをとるため、または好きなスポーツを通じて・・・など、理由を上手くつけて行うのが良いですかね。」
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4.原因疾患の改善によって認知症様症状が改善する、いわゆる二次性の認知症を知っておくことが重要

・認知症は不可逆的で進行性の脳の変性疾患をイメージされてきたが、正常圧水頭症や頭部外傷、慢性アルコール中毒などのように、原因疾患の治療によって、改善が可能な場合も含まれる

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「改善する認知症があるということも、世間的には広まっていない概念かと思います。
まずは周囲に認知症のような症状を呈する方がいれば、医療機関を受診することで原因究明につながり、改善できる可能性があります。
もう歳だからぼけてきたか・・・
とあきらめず、まずは病院に一緒に行くことなどが大切ですかね」
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本日も引用は
でした!
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