認知症者と関わる上で理解しておくべき2つのこと

老化と摂食嚥下障害「口から食べる」を多職種で支えるための視点

1.認知症の臨床症状とは

・認知症は大まかに中核症状(物忘れ、日時、場所の認知の欠如、実行機能の障害)と中核障害が原因で起こる行動心理症状に分けられる

・行動心理症状は、陽性症状(妄想、幻覚、攻撃性など)と陰性症状(抑うつ、無気力など)に分けることもできる

・認知症の介護を困難にするのは、中核症状よりむしろ行動心理症状であることのほうが多い

画像1

https://wakuwakutyan.hatenablog.com/entry/2020/01/15/191822

認知症の中核症状、BPSDって何? – しんBlogより画像引用

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「個人的にですが、言語聴覚士として、認知症状の患者さんと関わるときに、一番意識しているのは行動心理症状です。

同じ認知症で、中核症状が出ている方がいたとしても、介護負担や雰囲気などはその人によって異なります。

不安そうにしているか、そうでないか、ここを大きく分けてるのが行動心理症状の有無だと思います。

基本的に進行性疾患である認知症の対応で重要なのは、いかにその人が安心して過ごせる空間を作ることかと思います。

ここはどこだかわからないけど、なんか居心地がよいな。

誰だかわからないけど、この人は優しいから安心するな。

こう思ってもらえるような空間をチームみんなで提供していきたいですね」

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2.認知症の病型とは

図2:認知症の診断フローチャート。臨床診断では、問診、身体的診察、 神経学的診察を行い、認知症の有無、症状、重症度を把握する。認知機能検査、脳画像検査、血液検査、脳脊髄液検査などを行い、認知症の病型診断を行う。

https://www.tyojyu.or.jp/kankoubutsu/gyoseki/ninchisho-yobo-care/h30-3-1.htmlより画像引用

・最近では認知症を原因となる疾患別にとらえるよりも、共通の症候の集まりとして考えたほうが実際の対応がしやすいという考えが一般的

神経変性疾患によるもの(アルツハイマー型が一般的)

→緩徐に進行・脳内の病理変化は症状出現の15年以上前・初期はうつ症状

脳血管障害によるもの(血管性認知症が一般的)

→脳梗塞の発症後3ヶ月以内に発症・正常機能と異常機能が混在(まだら)

代謝障害によるもの(ビタミン欠乏、甲状腺機能異常、アルコール性等)

→まれな病態・血液検査や症状で鑑別や補充による介入が可能

脳腫瘍など頭蓋内病変によるもの

→急に発症する場合は血管性の要素以外にこの可能性を考える

正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫

→臨床症状や病歴が非常に重要。外科的な治療によって軽快が望める

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「認知症の分類というと、AD,血管性、レビー小体型、前頭側頭葉型での分け方を一番イメージしていました。

共通の症候で捉えたほうが、改善する認知症の理解なども進んでいくかもしれませんね。

いずれにしても、認知症は病歴など情報収集をカルテだけでなく、家族などからもしっかり行うことが最も重要だと思います。

今回は認知症の臨床症状と病型についてでした。

最低限知識としてもって、臨床に望んでみてください」

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本日の引用は

https://amzn.to/3pEl14H

でした!

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