極論をいえば認知症に起因する摂食嚥下障害は治らない。訓練より支援が重要。

老化と摂食嚥下障害「口から食べる」を多職種で支えるための視点

1.極論をいえば認知症に起因する摂食嚥下障害は治らない(治る認知症を除いて)

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治る認知症:硬膜下血腫、正常圧水頭症、甲状腺機能低下症、ビタミン欠乏症など

・認知症以外に起因する摂食嚥下障害(例 サルコペニア・廃用・薬剤の副作用)は改善可能

「臨床現場ではついつい認知症だから。

であきらめてしまうケースが少なくないのではないでしょうか?

引用著書でも述べられているように、基本的に認知症に起因する嚥下障害は治らないですが、本当に嚥下障害が認知症に起因するものだけなのかということを考えるのは重要です。

もしかするとサルコペニア、廃用、薬剤性が原因となるように、いわゆる医原性サルコペニアによって嚥下障害をきたしている場合もあります。

しかし、そうなりやすい理由としては認知症のケアの難しさによるところだと思います。

理解や状況把握が困難、リハビリや食事が進まない、不穏になってしまうなどの理由から、最終的にサルコペニアの状態を招きやすいですよね。

認知症に対する食対応は、キュア(訓練)よりケア(ケア)が大事ということで、認知症の特徴別に、以下の章でまとめていきます。」

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2.アルツハイマー型認知症は終末期まで重度の誤嚥が見られることは無く、食行動の障害がメイン

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・初期にみられるのは偏食や食欲など先行期の問題であり、嗜好が甘みに偏る、空腹を感じない、食べ過ぎるなどの特徴がみられることもある

・中期には食器が使えない、手を使って食べる、食器の模様などに気を取られる、他人の食事を食べる、異食など食行動の障害が出るので、適切な食事環境のセッティングを行うことで軽減を図る

・中期の段階では拒食様の症状がみられることもあるが、多くは一時的なもの(1-6ヶ月程度)であるので、また食べるようになることを介助者に説明しておくことが重要

末期には全介助でほぼ寝たきりになり、誤嚥や窒息もみられるようになるため、看取りも含めた終末期に対する対応が必要となる

「認知症の患者さんなどと関わる機会は今後更に増加傾向になるかもしれません。

その中で医療従事者は認知症患者さんの症状を理解し、認知症の方がどのうような心境でいるのかというのを理解するのが最も重要だと思います。

注意散漫な認知症の方に、キョロキョロしないで!と言っても無理ですよね。

よくわからない場所で周囲が気になるし不安ですし、人が前を通ると反射的に追ってしまうんですから。

どこかわからなくて不安なら上手く気がまぎれるような声かけをする、刺激に反応してしまうなら刺激が少ない場所で食事を提供する。

などの環境設定や対応が認知症の方には必要です。

基本的に訓練ではなく支援という目線で関わることが重要だと思います。

長くなったので、続きは明日で!

明日はレビー小体型認知症、血管性認知症の食対応についてまとめます!」

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【本日のまとめ】

◎極論をいえば認知症に起因する摂食嚥下障害は治らない(治る認知症を除いて)

◎アルツハイマー型認知症は終末期まで重度の誤嚥が見られることは無く、食行動の障害がメイン

⇒認知症をひとくくりにするのではなく、原因疾患ごとの特徴を知った上で適切な食支援を行うことが重要

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本日の引用は

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でした!

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