口腔ケアは口腔が引き起こすさまざまな合併症予防に貢献している

老化と摂食嚥下障害「口から食べる」を多職種で支えるための視点

【本日のまとめ】

◎口腔ケアとは、口腔衛生管理(口腔保清)と口腔機能管理(口腔リハビリテーション)の両面を含む一般用語とされる

◎口腔と全身は密接に関連しており、口腔ケアは、口腔が引き起こすさまざまな合併症予防に貢献している

◎ブラッシングが最も効果的

◎口腔用保湿剤であるジェルを使用した口腔ケア方法が提唱されてきている

*口腔リハビリテーションについては以前まとめているので、そちらも勉強したい方は、下記リンクをご覧ください

口腔ケアの効果と嚥下との関係についてポイント3つ
1.口腔ケアとは口腔保清と口腔機能維持、向上の両面を含む一般用語である(老年歯科医学会)インフルエンザが猛威をふるう季節 インフルエンザ対策は口腔ケアからインフルエンザ対策として、まず思い浮かぶのは手洗いやうがい、マスク、...

1.口腔ケアは誤嚥性肺炎予防など合併症予防目的の面が強調されるが、原点である口腔機能自体の維持、改善も重要

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「絶食中の方が経口摂取を再開する場合、口腔内汚染がひどく、乾燥していて、痰の塊が付着しているような状態・・・

このような状態では経口摂取再開することができません。

そもそもの土台ができていないような状態です。

つまり口腔ケアとは、経口摂取再開・継続に向けた最初の土台作りと考えてよいと思っています。

キャッチボールもできない状態でいきなり試合でピッチャーをやれと言われたら、ボロクソにやられて、もうピッチャーどころか野球をやめるでしょう。

口腔ケアを怠り食事を開始するというのは、そんな状態であり、口腔内細菌の誤嚥は最も誤嚥性肺炎のリスクを高めます。

それこそ再度誤嚥性肺炎を起こし、もう食事ができない・・・という状況に繋がってしまうこともあるでしょう。

口腔ケアや口腔内環境については軽視されがちですが、口から栄養をとる人間の土台であるということは、意識していくべきです。」

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2.口腔ケアは口腔内細菌の減少が主目的の一つであり、ブラッシングによる機械的清掃が最も効果的

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「ブラッシング、いわゆる歯磨きは何気なく行っている作業の一つですが、健康を維持するためにとても重要です。

口腔内環境の重要性については、堀江貴文さんの著書や、なかやまきんにくんのYOUTUBEでもとりあげられています。

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YOUTUBE なかやまきんにくん 口腔 - Bing video

入院患者さんのブラッシングについては、動作が自立していれば自立にするという設定が多いと思いますが、動作の自立と正しいブラッシングはまた違います。

何となくブラッシング動作はできていても、訓練中口腔内に食べカスが残っていたり、口臭が気になる場合もありますよね。

ちなみに僕は堀江さんの著書、健康の結論を読んでから、3ヶ月に1度のペースで定期的に歯科受診をしています。

また寝る前は、歯磨き+糸ようじ+歯間ブラシの3刀流で10分ほどかけて自身の口腔ケアをしています。

正しく口腔ケアができないと、歯石はすぐにたまりますし、虫歯や歯周病にも繋がるので、歯科衛生士さんが病院に常勤してもらいたいなーと強く感じます。」

3.口腔ケア時に咽頭流入のリスクが高い水ではなく、口腔用保湿剤であるジェルを使用した口腔ケア方法が提唱されてきている

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水を使わない口腔ケアの手順】(経口摂取量低下・要介護者向け)

全身状態の確認(バイタルサイン、ADL.栄養摂食状況、意識レベル)

適切な体位の選択(なるべく座位に近い状態で。困難時は体幹角度30°+頸部前屈)

口唇周囲へのジェルの塗布(口唇を保湿/抵抗を軽減/覚醒を促す)

アングルワイダーなどを装着する(明視野確保+両手で口腔清掃できる)

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口腔内の確認(口腔粘膜の状態、歯や歯周組織の状態、動揺歯や残根歯の有無、義歯の有無など+ヘッドライトの装着)

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吸引(痰や唾液、食物残渣などの汚染物を吸引する)

ジェルの口腔内への塗布(スポンジブラシを使ってジェルを口腔内全体に塗布し、剥離上皮膜などを軟化させる)

ブラッシングおよび吸引(ブラッシングで遊離させたプラークなどの汚染物を即座に吸引する)

剥離上皮膜などの除去(軟化ブラシなどを使って剥離し、吸引除去する)

スポンジブラシによる清拭(スポンジブラシを水で洗い、さらに水をよく切った状態にしてから口腔内を清拭+最後にジェルを口腔内全体に塗布)

「ジェルを用いた口腔ケアは最近だと当たり前になってきた感じもありますが、水を含むことでのリスクは確かに高く、少量の水でも誤嚥を招きます

正しい口腔ケアを実施しないことで、逆に汚染物を咽頭に流してしまい、誤嚥を招いたり、形だけの口腔ケアになる恐れもあるので注意が必要です。

口腔ケアを効率化させる方法として、開口を保持させるための器具や、ヘッドライドも本書で紹介されており、勉強になりました。

口腔ケアの勉強会も最近は増えてきているので、知識をアップデートしておくのは重要ですね。」

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【本日のまとめ】

◎口腔ケアとは、口腔衛生管理(口腔保清)と口腔機能管理(口腔リハビリテーション)の両面を含む一般用語とされる

◎口腔と全身は密接に関連しており、口腔ケアは、口腔が引き起こすさまざまな合併症予防に貢献している

◎ブラッシングが最も効果的

◎口腔用保湿剤であるジェルを使用した口腔ケア方法が提唱されてきている

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本日の引用は

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でした!

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