本日も結論からいうと
「いずれの方針も極端がよくない。
若年のうちに筋肉を十分な栄養と運動により蓄えておき、中年期以降に軽度エネルギー制限で長寿遺伝子発現とオートファジー亢進、フレイルやサルコペニア該当する一歩前の段階までごく軽度のエネルギー制限を続ける」
というのが最も健康的に長生きできる。
最近の健康ブームの中で、両極端の話をよく聞きます。
それがいわゆる
①エネルギー制限(断食など)のすすめ
②筋トレ(しっかり食べて動く)のすすめ
です。
①は空腹時間を作ろうとしますが、②は逆にこまめに食べることを推奨しますよね。
①と②ではそもそもの目的が違うと思いますが、結局健康になれるのはどっちなんだろうか?と思っていました。
そのことについて本書で触れていたので、簡単に要約してみました。
本日も引用は
です。
①と②の長生きに繋がる理由についてまとめてみました。
①エネルギー制限が長生きに繋がるメリット

エネルギー制限の有益性の機序にはインスリン感受性増大、活性酸素種などの障害低減など様々言われていますが、中でも①長寿遺伝子と呼ばれているサーチュイン遺伝子の発現と②オートファジーの亢進が重要と考えられています。
寿命延長タンパクと同じような働きをするタンパク質をサーチュインと総称します。
エネルギー制限をするとサーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)が発現し活性化、長寿につながるとされ、オートファジー促進、DNAの修復、抗酸化、抗炎症、抗アポトーシスなど重要な役割を果たしていると考えられています。
オートファジーとは自浄作用のことで、ストレス状況下での異常タンパク(細菌や白血球の残骸、再生不能な障害を受けた細胞など)の除去をしているのがこのオートファジーであり、体を若々しく保つなど、慢性期、急性期ともに非常に大切なものです。
そもそも絶食下での肝臓の観察からオートファジーが発見されたことからもわかるように、飢餓やエネルギー制限がもっともこのオートファジーの引き金になることは古くから言われています。
飢餓時には細胞内栄養のリサイクルが必要になるのでオートファジー亢進は理にかなっているからです。
エネルギー制限による老化防止効果はこのオートファジー亢進が最も重要な機序ではないかという考察もなされています。
②筋トレが長生きに繋がるメリット

健康・長生きという視点でいえば、やはりサルコペニアやフレイルの予防・対策になるという点です。
そのためには筋トレ→筋合成が必要であり、筋合成のためにはエネルギーが余ることが必要です。
制限すれば筋肉が異化(分解)し、エネルギー制限の推進は高齢者のフレイルやサルコペニアを招きます。
ということで、フレイル、サルコペニアを防ぐために筋合成を考えれば、栄養を十分にとることが必要です。
つまり①と②は両極端の考えともいえます。
③著者の結論

「いずれの方針も極端がよくない。
若年のうちに筋肉を十分な栄養と運動により蓄えておき、中年期以降に軽度エネルギー制限で長寿遺伝子発現とオートファジー亢進、フレイルやサルコペニア該当する一歩前の段階までごく軽度のエネルギー制限を続ける」
というのが最も健康的に長生きできる。
ということでした。(あくまで私見と述べていますが)
確かに
・高齢なればなるほど筋合成が困難となる
・高齢になれば摂取カロリーも自然と減っていく(大食いの高齢者は少なく基本的にはやせていく人が多い)
と自分も思いますので、
若いうちは筋トレをして筋肉をつけておき(貯筋)、高齢になれば自然とカロリー制限しながら長寿遺伝子を増やしていくというイメージかなと思います。
なんだか若いうちに老後資金を蓄えておくというような資産運用にも似てる気がします。
本日も
からの引用・要約でした。
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