1.オーラルフレイルとは?(サルコペニアについても)

・口に関する些細な衰えをそのままにしてしまうと、口の機能低下から食べる機能の障害、さらには心身の機能低下までつながる負の連鎖が生じてしまうことについて警鐘を鳴らした概念がオーラルフレイル
・些細な口の機能の低下を見逃さないことが重要
・特に硬いものが食べにくい、お茶や汁物でむせるといった訴えの背景には、機能的問題だけでなく、精神心理的問題、社会的問題が重複している可能性があります。
・高齢期になると社会参加や他者との交流が少なくなることが多く、容姿に気にかけることもなくなって、口の健康への意識も低下しがち。
・口の些細なトラブルを放置してしまうことで、食欲の低下や食品摂取の多様性が低下する。
・口の機能低下が生じ、低栄養、サルコペニアのリスクが高まり、最終的に食べる機能の障害を引き起こす


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・口腔機能の低下は栄養摂取だけでなく、会話や容姿などへの影響も大きく、社会参加や他者との交流を阻害する要因となります。
・う蝕や歯周病が悪化すると硬いものや繊維のあるものが食べにくくなる。
・審美的な問題や口臭などを意識して、大きく口を動かして会話することを避けたりするようになる。
・口の機能低下は外食や外出、会話の機会を減少させ、滑舌の低下、食べこぼし、わずかなむせ、噛めない食品の増加など、口の衰えが加速するようになる。


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・サルコペニアの摂食嚥下障害は、全身と嚥下筋のサルコペニアで生じる摂食嚥下障害である
・全身のサルコペニアが確認されない場合には、「サルコペニアの摂食嚥下障害」という診断名は使用しない
・神経筋疾患によるサルコペニアは除外されるが、加齢、活動低下、低栄養、疾患(侵襲と悪液質)による二次性サルコペニアはサルコペニアの摂食嚥下障害の原因に含まれる
・サルコペニアの摂食嚥下障害診断フローチャートを、診断に使用する。


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2.オーラルフレイルの予防、対策について

・口の機能低下に対しては、高齢者自身が自分ごととして取り組むことが重要で、地域包括ケアシステムのなかで他職種で支援していく必要がある。
・オーラルフレイルを予防するには、高齢者自身が些細な口の衰えに気づき、自主的に口の機能低下の予防、改善に取り組まなければならない。
・オーラルフレイルは早期に発見し適切な対応をとればもとの健康な状態に戻ることができる
・オーラルフレイルへの対応は、会話、食事、表情の情出、口臭、容姿を改善し、口の機能だけでなく、精神心理的問題や社会的問題も同時に改善する可能性がある。
・咀嚼能力は生涯寿命、健康寿命ともに負の相関がある
・咀嚼力が低下→軟らかいものを好む→更に咀嚼力が低下 の悪循環
・軟らかいものは炭水化物が多く、肉類などのたんぱく質摂取が減る
・咀嚼力の低下は口腔機能全体の低下につながる
・オーラルフレイルの場合、全身のフレイル、サルコペニア、身体機能障害、死亡のすべてにおいてリスク高くなる

・半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか・お茶や汁物等でむせることがありますか・の質問にYESであれば、まず歯科への紹介を検討
・先行研究では、65歳以上地域在住の自立高齢者の16%がオーラルフレイルに該当し、50%がその予備群に該当した。
・どれくらいの食材なら食べられるか、食べているか、食べにくいのかを確認する
・噛み切りづらい食べ物は丸呑みしている可能性もある
・むせるのが一時的なのか、慢性的なのかを確認する
・食べたときにむせる、または食事以外でむせている場合も注意が必要
・反復唾液飲みテスト(RSST)の誤嚥検出に関する感度は0.98%,特異度は0.66%と報告されている。
・むせそのものへの対応としての具体例は①ゆっくり食べる②一口量を減らす③とろみをつける④テレビをみながら、会話をしながら食べない 等。
・むせは脳梗塞などの器質的な疾患がなければサルコペニアに伴うものが多い。
・75歳以上では歯科受診率が低下する。医科受診、入院はかかりつけ歯科医をもたせる絶好のチャンス
・義歯使用者の死亡は、義歯を使用せず十分な歯数保持している群に比べて1.3倍。歯を喪失し、かつ必要な義歯を使用していない者では1.5倍(イタリアでの報告)
・75歳を契機に歯科受診の機会が喪失する傾向がある

・口腔機能低下が疑われる場合は歯科医院を紹介し、口腔機能の維持、向上のための介護予防教室などを案内する
・口腔体操のリーフレットを渡し、行動変容を促す
・歯周病の罹患率は前期高齢者で53%、後期高齢者で62%
・定期的な歯科メンテナンスについては、喪失歯を有意に減らすことが示されている
・早期にかつ定期メンテナンスを前提としたかかつつけ歯科の選定と、通院が重要になる
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3.認知的フレイルについて

・認知的フレイルと認知症発症は関連が認められる
・国際老年学協会は2013年に認知的フレイルの定義に関する論文を発表した。そこでは認知的フレイルを身体的フレイルと認知障害を合併した状態と整理している。
・身体的フレイルに対して認知的フレイルについての知見は十分ではなく、その定義やスクリーニング方法について一定の見解が得られていない状況にある
・身体的パフォーマンスの低下と認知障害の合併は、地域在住高齢者の10%程度に存在し、その症状は近い将来の認知症発症の危険因子であり、単独の症状よりも高い危険をもつといえる。
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4.認知的フレイルの予防、対策について
長くなってきたので、これについて学びたい方は下記リンクへ飛んで下さい!

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本日の引用は
でした!
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