1.健康寿命延伸を目指すワンランク上の高齢者診療を意識してフレイルを評価しましょう

・フレイルの進行は、多くの場合、生活習慣や環境改善などで一定の抑制が可能である
・医原性フレイルもあり、視野や視点を変えることで高齢者の人生の質を改善できるケースは少なくない
・フレイルという概念や視点を取り入れた高齢者診療が重要
「フレイルは対応が遅れることで、次々と負のスパイラルが起こっていきます。
病院で勤務する以上は、病後の患者さんとの関わりが中心です。
ですが、この悪循環となるフレイルサイクルを止めるためにも、セラピストが地域へ出ることが求められています。
病気をする前にできる限りの予防ができるなら・・・というのは、つくづく思います。」
2.フレイルは、健康寿命が終わりに近づいていることを知らせるイエローシグナルです

・フレイルという概念は「こわれやすさ」や「か弱さ」を表す英語のfrailtyに基づいている
・「こわれやすい高齢者」「か弱い高齢者」には、相応の手立てをしないと、たやすくこわれてしまいますよ、という警鐘
・医学的には「恒常性を維持する能力が低下した脆弱な状態」と考えられている
「寿命には平均寿命と健康寿命という考え方があります。
医療の発達によって寿命は延びていますが、寿命を延ばすことだけが目標でなく、健康で長生きできる、健康寿命を延ばすことが目標だと思います。
フレイルの予防というのは、そのための第一歩だと思います。」
3.CHS基準は表現型モデルの代表で、診療時にその場で評価が可能です

・表現型モデルは、加齢に伴う生理機構の変化に基づくフレイルの出現機序を基盤にしている
・フレイルの評価法として用いられている日本版CHS基準では、
①6ヶ月で2-3kg以上の体重減少
②握力が男性で28kg以下、女性で18kg以下
③(ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする
④通常歩行速度<1.0m/秒
⑤軽い運動、体操していますか?定期的な運動、スポーツしていますか?の質問に週に1度もしていないと回答
が評価基準となっている。
・注意が必要なフレイル高齢者をすばやく抽出するためには表現型モデルが有用
「評価は信頼性も重要ですが、簡便に取れる。
などの実用性もとても重要ですよね。
基本的に診断をするのは医者の仕事ですが、医療従事者がフレイルの評価基準をしっておくことで、普段のリハビリや患者さんとの関わり方、退院後の生活、サービス調整などにも生かせるのでは?と思います。」
本日から引用は
です。
コメント