1.保険指導とは、身体活動や食生活など、改善すべき行動に着目し、それをより具体的に指し示して伝えること

・保険指導に強制力はなく、指導された内容を実践するかどうかは、対象者自身の判断に委ねられるところに特徴がある
「保健指導の難しさは強制力がないことですよね。
何事もそうかもしれませんが、最終的には当事者の判断です。
指導者側としては、いかに具体的に説明ができるか。
そのための知識がまず必要かと感じます。」
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2.日々の生活を送りながら、望ましい習慣を取り入れ、継続させるのはそれほど容易ではないことを、保健指導を行う側がきちんと理解しておくべき

・望ましい生活習慣を取り入れ、継続するには、予防する必要がある(しなければ大変なことになる)という、かなり強いモチベーションを持ってもらうことが重要
「良い習慣を生活に取り入れるという、いわゆる習慣化の難しさとも向きあう必要があります。
頭では理解していても行動できない。
というのは人間の性で、理論的な判断に感情的な判断が勝ってしまうという脳機能そのものだと思います。
習慣化はそのものによって難しさは異なりますが、まずは毎日継続することが重要だと思います。
運動であれば、週に3回じゃなく、少ない時間でもいいから毎日と決めること。
週3回だと、今日はやるか、いや、明日やるか。
など、その都度判断力が求められ、判断力を司る前頭葉が疲弊します。
毎日と決めておけば、いちいち判断力は使いません。
ただ最初に毎日やると決めておくだけです。
歯磨きをするのに、今日はするか?とか、いちいち考えないのと一緒です」
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3.対象者自身から予防したいという気持ちを引き出すのが最大の目的

・対象者自身が健診結果を理解して体の変化に気づくように健診結果の見方などを支援することがまず必要(厚生労働省:生活習慣病予防のための指導プログラムにて)
・対象者が予防する必要があることに気づき、どのようにしたら予防できるのかと考えるための一つの過程を作る
・対象者が予防に対する動機付けができれば、次に自らの生活習慣を振り返り、生活習慣を改善するための行動目標を設定し、自らが実践しようとする
・健診結果など科学的、客観的な指標を活用して、自らの体の変化を理解してもらうアプローチが最も重要
「まずは健診結果など、データ化、そしてフィードバックが重要ということです。
健診などは今では職場で必須というところも多いので、悪かったところを放置しないためにフィードバックする役割が重要ですかね。
これは患者さんに対する神経心理検査結果のフィードバックなど、他のことにも転用できる考え方かと思いました。」
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4.認知症の予防については、認知機能を司る脳の部分や血管との関係。サルコペニアの予防については、筋肉細胞の構造や再生の仕組み。それぞれと生活習慣との関係など、腑に落ちる説明ができる力が最も求められる

・筋肉量を維持するためにはどれくらいの強度の身体活動が必要なのか、日常生活でいうと、どのような生活活動がそれにあたるのか、具体的に示すことができる力が求められる。
「説明をするだけの知識と、説明をするためのアウトプット力。
どちらも重要ですね。
アウトプットする機会を作るというのは、回りまわって保健指導などにも繋がるかと思います。
医療者側も意識的にアウトプットする機会を継続していくことは、今後求められる能力に繋がるのかなと感じます。」
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本日も引用は
でした!
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