嚥下筋群の協調性獲得に必要なのは直接訓練であり間接訓練はその補強という位置づけ

老化と摂食嚥下障害「口から食べる」を多職種で支えるための視点

1.嚥下筋群の協調性獲得に必要なのは直接訓練であり、間接訓練はその補強という位置づけ

摂食嚥下運動の一連の動作には50近い筋肉が関与しており、関連する筋肉が協調しながら運動することにより、スムーズな嚥下運動ができる

・高齢者の嚥下障害の場合、加齢に伴うサルコペニアにより筋肉は萎縮し、中でも速筋繊維が減少する

・特には加齢と並行して筋繊維が萎縮、減少する

・加齢に伴い、筋収縮速度や収縮力の低下が引き起こされ、喉頭挙上の遅れや咽頭部の食塊残留、食道入口部の開大不全、食塊移送速度の低下などにつながり、嚥下運動が障害される

・口腔期から咽頭期の速い運動で大切な役割を果たす速筋繊維を強化するためには、高負荷低回数の筋強化訓練が効果的だが、嚥下筋に関してはこのような訓練は現実的ではない

・間接訓練として、シャキア法、舌前方保持嚥下訓練、舌口唇の体操、嚥下おでこ体操などの嚥下関連筋強化訓練があるが、速筋の強化につながる訓練とは考えづらく、遅筋の維持強化につながっていると考えるのが自然

シャキア法に関しては喉頭挙上と食道入口部開大の有意な補強効果、喉頭前方移動距離の延長、食道入口部の開大前後径の増大、下咽頭の通過抵抗の軽減が報告されているなど、エビデンスレベルが高い

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・海外では筋刺激が嚥下障害の治療方法として広まっており速筋に対して効果があると考えられている

・嚥下筋群の協調性の獲得に必要なのは、最もスムーズな嚥下運動が可能な食品を用いた直接訓練であり、それを補強するのが間接訓練

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「嚥下筋群のいわゆる筋トレに関しては、自分もその効果について疑問を抱くこともありました。

それは特に自分自身が筋トレを始めて、筋力や筋肥大のメカニズムを少しだけ理解してからです。

嚥下筋と一般の人が健康目的で行う筋トレは異なりますが、合致する部分もあると思います。

特に嚥下運動の口腔期から咽頭期の素早い1秒以下の運動は、いわゆる速筋繊維が重要と考えると、一般的な間接訓練がどの程度効果的なのか?と。

最近では低負荷高回数の運動でも、下肢筋力の向上は認められるなどPTの文献など目にしたことはありますが、嚥下筋においてもそれが言えるのか。

間接訓練も低負荷のモノが多い印象で、シャキア法などは比較的高負荷と感じますが、その分行える人も限られてきますよね。

口腔体操などについては、嚥下前の準備体操という位置づけで考えるのが一番自然な感じがします。

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シャキア法の有効性と直接訓練が最も重要であるというのが、この章で学んだところですが、間接訓練の方法について、検討していく余地があると感じました。」

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2.口腔のサルコペニア=オーラルサルコペニア

・予防的な側面が強いオーラルフレイルという用語は存在する

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オーラルフレイル②~オーラルフレイルは低栄養、要介護状態のサイン~|公益社団法人神奈川県歯科医師会わたしたちの健康を支える3つの要素である栄養、身体活動、社会参加のうち、栄養についてはお口の健康を維持・向上させることがきwww.dent-kng.or.jp

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・専門的な治療を必要とする摂食嚥下障害への診断や治療のアプローチを進めるときに重要な視点となる口腔のサルコペニアについては適当な用語が無かった

・サルコペニアの診断アルゴリズムとしては、筋肉量、筋力、身体能力を用いて診断することが標準的

舌圧という筋力と同時に舌の筋肉量の測定方法が確立されることが望ましい

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オーラルサルコペニアは口腔の筋肉や筋力に特化した考え方で、オーラルフレイルは口腔機能の低下から始まる全身の虚弱や、要介護と健常の中間という位置づけ。

ほかにもサルコペニア嚥下障害など、幾つかの用語があり、若干混乱しますが、口腔機能に特化した考え方はあっても良いですよね。

実際に口腔機能低下症という概念が、オーラルサルコペニアとはかなり近いようです。

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見逃さないで、お口の変化。「オーラルフレイル」と「口腔機能低下症」クラブサンスター。老化のサインはお口に現れる 「オーラルフレイル」「口腔機能低下症」という2つの言葉を聞いたことがあ..www.club-sunstar.jp

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説明してても混乱しますが、一つずつ学んでいくことで、整理されていくと思うので、一緒に学んでいければ幸いです。」

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本日の引用は

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でした!

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