【結論】
・ハードトレーニングは運動中だけでなくその後も続く脂肪燃焼、カロリー消費が期待できるため、無酸素運動のほうがやせやすいといわれている。
先に結論は述べましたが、その理由についてもまとめてみました。
1.基本的にほとんどの運動で有酸素と無酸素を区切ることができない(どちらの代謝も混在する)

有酸素運動とは組織が酸素を使いながらする運動、無酸素運動は酸素を使わ(え)ない運動を指します。
エアロバイクなどの息が上がりにくい長時間に及ぶ運動は有酸素運動、高強度負荷をかけるような息の上がる短時間の運動は無酸素運動ととらえられています。
しかしこれらの理解は半分正しくて半分間違っています。
一番大きな誤りは基本的にほとんどの運動で有酸素と無酸素を区切ることができない(どちらの代謝も存在する)ということです。
高強度の運動では酸素供給が追いつかないのは確かですが、酸素供給がなされている筋肉もあるため、有酸素代謝しているところが混在します。
逆にある程度の速さでランニングする場合は下半身には結構な負担がかかり、部分的に無酸素代謝が混在します。
すなわち、運動を有酸素運動、無酸素運動ときっちり2つに分けることは不可能で、脂肪燃焼に有効なのはどっちなのかは、有酸素代謝と無酸素代謝の割合の問題(運動強度が高まるほど後者に傾く)となります。
2.脂肪燃焼効率は心拍数が関係している

有酸素下で脂肪が燃焼し、無酸素下では燃焼できないのは理論的に正しいことであり、脂肪燃焼効率に関しては、運動による心拍数が関係しているといわれています。
最大心拍数の60-70%の低中強度運動→脂肪燃焼率50%程度
最大心拍数の70-85%の高強度運動→脂肪燃焼率40%程度
つまり心拍数がそこそこになる運動(強度の低い運動)のほうが脂肪燃焼効率が高めになるということです。
ただし注意しないといけないのはこれが「脂肪燃焼率」であって「脂肪燃焼量」ではないことです。
すなわち高強度の運動をした場合は脂肪代謝の割合は落ちるものの総エネルギー消費量は大きくなります。
そうすると脂肪燃焼効率は落ちるものの総エネルギー消費量と総脂肪燃焼量はかえって増えるということがおこりうるのです。
結局有酸素運動と無酸素運動を厳密に区別することができず代謝の割合の問題となるからこその話であり、後者の方が脂肪を多く燃焼します。
3.EPOC(運動後過剰酸素消費量)はハードな無酸素運動で得られる

さらに重要なのはEPOCです。
ハードな無酸素運動のあとに体がしばらく熱くなるのを経験したことのある方は多いと思いますが、これを運動後過剰酸素消費量(EPOC)といいます。
高強度のハードトレーニングの後は脂肪燃焼効率ふくめ全身の代謝が著明に亢進し、それは長いと24時間近くも続くことがわかっておりこれをEPOCといいます。
つまりハードトレーニングは運動中だけでなくその後も続く脂肪燃焼、カロリー消費が期待できるため、むしろ無酸素運動のほうが痩せやすいとトレーニーの間で言われる所以はここにあります。
*このEPOCを有効活用するために無酸素運動の直後に有酸素運動をすることで脂肪燃焼効率を高めて行うという考え方もあります。
ここでの説明では、更に細かい研究内容や説明については割愛し、要点のみをまとめております。
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